正しい使い方に込められた思い
2024/09/28 17:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:amami - この投稿者のレビュー一覧を見る
不穏な空気を含んだタイトルとは異なり、本文は小学生の礼恩が転校先で出会う謎を冷静に(淡々と?)解いていく連作短編の構成であり、どのような結末になるのか最後まで予想がつかないのがいい。
どの章にも「バールのような物」を使う犯罪者の都市伝説が出てきて関係があるのだとは思うが分からなかった。
ラストは、あれ?からそうだったのか!となり、礼恩が小学生の割には冷静に謎を解くなと感じた理由も分かり読後感も心地よい。
行く先々で小耳に挟むのは
2023/01/18 07:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
無骨なバールと繊細な小学生の内面とのコントラストが秀逸です。寄る辺のない転校生、礼恩がラストで見つけた居場所も感動的でした。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生は、確かに理由もなく、嘘をつくことがあります。転校ばかり繰り返す少年、しかし彼はどこでもうまく周りとやっていけるのですが、あり得ない嘘をつく友達がいて……みたいな。事件が起こりますが、なんだかありえないような。タイトルもねえ……
投稿元:
レビューを見る
まずこんなにも読後感が不思議で戸惑ってしまった物語は初めてです。『バールの正しい使い方』どう見ても小説の題名とは思えない、そこからして読んで見たいと言う興味をそそられてしまいます。ラストの難解な終わり方はもう一度読んで見たい衝動にかられます。
投稿元:
レビューを見る
子ども目線の推理ものは不得意ですが手に取りました。「バールなようなもの」にまつわる噂とともにいくつかの話が淡々と進み、最後に主人公が導き出したバール都市伝説の答え。胸が温かくなりました。
投稿元:
レビューを見る
ページがどんどん少なくなると
この物語が終わってしまうことがさびしくて
一気には読めなくなってしまった。
物事が激しく押し寄せてくる展開に
気持ちもなかなかついていけなくて…
本に対する言葉ではないのかもしれないけれど
誠実で丁寧でやさしく、ときには残酷で
それでも大事なことを
ごまかしたりしない信頼できる一冊だった。
各エピソードが緻密に絡み合いながら
最後はしっかりひとつになっていて
本を閉じたとき、ふーっと
温かな深呼吸をするしかなかった。
投稿元:
レビューを見る
ブクログの皆さま新年明けましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆さまの新年が素晴らしいものになることをお祈り申し上げます。
元旦の今日、私のところは、青空が見えています。
皆さまのところはいかがでしょうか。
青空の見えるお正月は嬉しいですね。
さて、レビューです。
頭脳明晰な、父の転職で転校を繰り返す小学生の男の子要目礼恩の活躍する連作短編集です。
転校する先々の各小学校で起こった事件の謎を礼恩が解いていきます。
最後に転校した小学校の院内学級で出会った明田希望。
希望に礼恩は今までの小学校で起きた話をします。
P399より
僕はゆっくり息を吸い、そして語りはじめる。
嘘つきの女の子とけしからんぞおじさんのことー。
海辺の町でタイムマシンを作ったときのことと、その町に戻って知ったことー。
共に同じ場所に呼び出された、五人のクラスメイトとの雨の日のことー。
お母さんのことが大好きだった男の子のことー。
そして、物語の一ピースになることを拒んだ、この世界のことが好きだった女の子のことー。
エピローグは最初よく意味がわからず「えっ!」と思い二度読みしました。
青春ミステリーであり凄いラブストーリーでもあると思います。
推理した謎の中にはとても悲しいものもありました。
奇跡的な初恋の人との再会。
物語はハッピーエンドかな。
投稿元:
レビューを見る
しょっちゅう転校している少年礼恩が解く、嘘ばかりついてる子の謎、クラスに馴染めない子と水着泥棒の謎、なぜか呼び出された五人の謎、転落死した子の謎、入院してる子の謎の連作短編集。
少年の内面的文体と内容があまり自分には合わないかなと思って読んでいたら、途中から俄然と面白くなってきた。ラストはややこしいけど悪くない。
投稿元:
レビューを見る
タイトルが気になりすぎて、一目で「買おう」と決断させられた。
転校を繰り返す小学生・礼恩が、行く先々で出会うクラスメイト達の嘘を解き明かす。
人を傷つける身勝手な嘘もあれば、誰かを守るための嘘もある。
なぜ少年少女は嘘をついたのか。
その理由を知るたびに、やるせない気持ちになる。
最後の頁を読み終えた時、バールの正しい使い方をちゃんと知っているだろうかと自問したくなった。
投稿元:
レビューを見る
主人公は、転校を繰り返す要目礼恩。
転校先で経験した「嘘」とバールについての噂とは…。
4年生の春から短期間で転校を繰り返し、『世界は自分に合わせてくれないから、自分が世界に擬態するんだ』と自分の意志で馴染むための方法を使っている。
そこで彼が見たこと、知ったこととは…。
とんでもなく頭が良くて子どもらしさのない…と思ってしまいそうだが、嫌らしさのない憎めない少年と感じながら読み進める。
嘘つきの女の子とけしからんおじさんのことー。
海辺の町でタイムマシンを作り、その町に戻って知ったことー。
共に同じ場所に呼び出された、五人のクラスメイトとの雨の日のことー。
お母さんのことが大好きだった男の子とのことー。
物語の一ピースになることを拒んだ、この世界のことが好きだった、女の子のことー。
つまりは、バールのようなものは『嘘』であり、バールのようなものは人々の妄想により、様々なかたちに変わる、いわば嘘が輪郭を伴ったもの。
正しく使わなければ人を傷つける凶器になるが、正しい使い方をすれば、武器にもなる。
これをひとつの物語としてラストまで繋げて読まないと表現しにくいな、と思った。
再度、プロローグとエピローグを読み返すことになる。
一話ずつの短編は、どれも哀しさが伴う嘘で切なくなるが、これは誰かのために作られた物語で届いた先は…。
終わらせたくない物語だと思った。
なぜか何度も字面を追う羽目に…。
投稿元:
レビューを見る
面白かったけど期待したほどではなかった。
バールはあんまり関係なくで、題名が面白くて持っていかれた感じ。
投稿元:
レビューを見る
★5 工具の利用法に関する本じゃないよ。幼い頃の自分に戻れる青春ミステリー #バールの正しい使い方
■あらすじ
主人公の小学生である礼恩は、いつも父親の都合で転校が多かった。転校する各学校で友達になるクラスメイトは、なにやら嘘ばかりついている様子。一方でバールの怪人、悪者のうわさが学校で広がっていて…
■きっと読みたくなるレビュー
はぁ~素敵な本でした、大好き。
全編通して優しい気持ちになれる青春ミステリーです。
シンプルな書きぶりながらも、各章のお話がひとつひとつが丁寧。バラエティに富んだ連作短編っぽくしたためられていますが、全体プロットもしっかり組み立てられていて素晴らしい。
なにより小学生たちが自分たちの世界で懸命に生きている姿がキラキラしすぎ!
小さな世界ですが、自ら考え、悩み、友人たちと相談しながら、少しずつ成長していく。特に終盤のエピソードはアニメ化決定ですよ。これは涙が止まらんす。
そして何がミステリーって、本のタイトルですよ。
「バールの正しい使い方」って何なのよ…
密室殺人もの?クライムミステリー? かと思いましたが、全く違いました。ぜひ最後まで読んでみましょう。作家先生のセンスと優しい人柄が見え隠れする、めっちゃ気の利いた素敵なタイトルでした。
■推しポイント
私が子どもの頃は生きるのが下手くそで、いつも大人たちを頼ってばかりでした。コミュニケーションを取るのが苦手で、意図せず嫌われることをしてしまったり、失敗も多かったです。それでも周りの大人たち、父や母、先生たちは優しい人ばかりで何でも教えてくれたり、助けてくれました。
本作に登場する大人たちは、心が温かい人たちが多いんですよね。子どもたちに真摯に向き合って話を聞いている。読んでて心が洗われるの。
私も大人になったし、今度は私が未来ある子どもたちに対して恩返しをしなければいけないですよね。とっても素敵な気持ちを胸に抱かせる作品でした。
投稿元:
レビューを見る
読み始めたのは4月8日。
この物語は、四月八日から始まっていた。
こんな些細な偶然に心がざわついてしまう。
読みやすいし、どんどん読み進められるのだが、絶賛されている程ではないと感じてきた。
気がつけば残りは「ライオンとカメレオン」と「エピローグ」だけになっていた。
一気に読んでしまうことにした最後の30頁。
???? ん~~? どういうこと??? わけが分からなくなった。
「プロローグ」をもう一度読み直し、物語と登場人物を整理し直す。
「ライオンとカメレオン」と「エピローグ」も再度読み直す。
「そういうことか」と分かった時、最後の30頁がこの作品の評価ポイントだと理解した。
きちんと書かれていない部分を想像して、物語の設定を組み立て直すことになり、多少モヤモヤ感が残りましたが最後はハッピーでした。
投稿元:
レビューを見る
びっくり!!
毎章、最後まで展開が読めなかった。
主人公と同じ時間を歩んでいるつもりになっていたので、エピローグでとつぜん私の世界に引き戻された。
誤字だったりところどころ荒さはあったものの、すんごく楽しかった!
投稿元:
レビューを見る
タイトル、なんぞや?って思いますよね。
礼恩という名の少年が、転校を繰り返すなかで「世界と擬態する」カメレオンのような性格になり、学校と家庭でおこる出来事を推理する連作小説。
礼恩は、冷めた少年で、何があっても飄々と語る。
語り口としては、私が大好きな小説「向日葵の咲かない夏」のようだなと思って、ワクワクして読んだ。
礼恩の行く先々で都市伝説的な噂になっている、通称「バールの怪人」。「バールのようなもの」で人を襲う怪人だ。
バールって、そもそもどう使うのが正しいんだ?私は一度も、使ったことがない気がする。
でも、バールで襲われたらこわいし、大怪我する、死ぬかも。怪人という噂にもなるよね。
「バールのようなもの」とは、何だったのか?
最後に、それに対する見解が明かされる。
それは、目に見えないもので、正しく使えば人を救うこともできるけど、間違った使い方をすれば人を傷つけるもの。バールじゃなくても良かった気がするけど…でも、他に何か?と考えると、これという適任が見つからない。
連作小説の4作目まで読んで、正直、この話はどこに着地するのか?と疑問だった。礼恩が学校を転々としながら、連続性のない人間関係のなかで推理をする話だから。
最後に礼恩が、唯一擬態せずに正体を見せた女の子「希望(のぞみ)」。
彼女の存在が最後を綺麗にしめくくってくれた。
一話目で礼恩と父の前から姿を消した女性早希さん。私は彼女が再登場してキーマンになるのかな?と思って待っていたんだけど、違った笑。
礼恩の父親も、実在するの?ってくらい影が薄くて…まぁ、小学生の子供にとって親なんて、そんな存在なのかもなぁ笑。