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「透明な夜の香り」の続編短編集。
朔の生い立ちの謎のベールが少しずつ剥がされていく過程が哀しく、美しく、愛おしい。
ただ、今回の主人公?より前作の一香と朔との絡みの方がより静謐で好きだった。
夜や月など、本来なら匂いを持たないものも紙面から香りが漂ってくるように感じさせる文章力は圧巻、の一言。
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透明な夜の香りに続く2作目。
文庫になった前作を再度読み終えたばかりの最高のタイミングで、この世界に浸れた。
この本を読むと世の中には色々な香が漂っているのだと改めて気付かされる。
人それぞれ見える世界が違うように、香の世界も違うんだなぁと思う。
朔にとっての正しい執着は「赦し」…
一瞬納得したけど、少し考える。わかるような、理解出来ないような…
朔と一香の関係性がいい。安易な展開になってなくて良かった(笑)
仁奈さんのその後も知れて良かった。仁奈さんは欲望を抑えられる方だと思っていたし。
私が依頼するとしたらどんな香り…?
朔の作ったレシピご飯を食べて、お茶も飲んでみたいから、客じゃなく、友達としてこの世界におじゃましたいと思った。
今回の装丁も素敵だった。
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透明な夜の香りの続編という事で読みました。前回の欲望とはまた違った目線での香りへの執着が描かれていました。今回はどちらかというと家族に対しての執着、物語です。前回の方がすっきりと読めて好きだったかな。
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香りをテーマにした連作短編集だが、どうにも中身が薄いように感じた。執着や嫉妬を抱いた人々が訪れる店を舞台にしているが、どうにも内容が薄い。今ひとつ自分とは合わなかった。
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澄んでいて、綺麗で、静かな小説。
読んでいて色々な香りを感じた。
続編だと知らずに買ってしまって、読み終わってすぐ1冊目も購入してしまった…
沢山の感情や記憶には香りが伴っていて、
話自体は綺麗に終わる感じじゃないけど、
それで良い気がした。
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前作に続いて読んだ。やっぱり香りは記憶と強く結びついている。特に好きな人の匂いは忘れられないし、手元に欲しくなる。無意識に色んな香りを感じているけど、嗅覚がなくなったら不自由だろうなと思った。
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透明な夜の香りの続き、一香ちゃんと朔さんの関係がどうなってゆくのかが気になってすぐに手に取りました(*´-`)主人公が代わり、違う視点から彼女たちの形がうっすらと見える物語。朔さんの過去もちらりと見え、またまた続きが気になる終わりかた!香りで全てを見通してしまう朔さんが怖いような、それでいて神秘的な館の空気が素敵なような。まさに装丁の雰囲気の世界です(^-^)
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『透明な夜の香り』の続編で、読むのをすごく楽しみにしてました!
今作の主人公はカフェで働いていた朝倉満、客として来店した調香師の小川朔に自分のもとで働いてみないか?と声をかけられる。朝倉満は感情をコントロールすることが苦手が故に、周囲の人々とのトラブルが絶えなかったこともあって、小川朔のもとに面接に向かう…。調香師の小川朔は、ハーブやお花に囲まれた閑静な洋館に住んでおり、その並外れた嗅覚をもって依頼者から求められるオーダーメイドの香りを作っていた。調香師と依頼者の香りにまつわる秘密の共有を目の当たりにした朝倉満、彼も前作の若宮一香と同じく、誰にも言えない秘密を抱えていた…。
調香師の小川朔はいつもの香りに囲まれて静寂で穏やかに流れる生活を望み、朝倉満は静かに流れるときに逆行するかのように感情が先走ってコントロールが効かなくなってしまう…。この対照的ともいえる2人の関係と過去が、まさか…の展開に驚きました!!そして、なんともいえない余韻を前作から引き継いだ小川朔と若宮一香との関係も読むことができて満足でしたね!!そして依頼者の一人として現れた持田くんの存在も大きいなぁ…と感じました。あと、前回が一香、今回が満…このふたりのネーミングもいいな、この香りを大事にするシリーズならではと、ちょっと思いました。
今作も前作と同じように、鮮やかな色彩と香りを感じることができました!贅沢な読書時間を堪能させてもらいました。千早茜さんの次作、このシリーズの続編だったらいいのになぁ~と願わずにはいられません(*^^*)
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美しく妖しく読み手を誘った『透明な夜の香り』の続編。
高額な代金と引き換えに、依頼主の求める香りを作り出す調香師、朔。客の求めるものは香りの向こうにある欲望。
不可能のように思える依頼をこなし続ける朔が醸しだす静謐で硬質で凛とした孤独の香りを文字の間から感じた。
朔が新しく雇った満の、その過去と共に、朔自身の、そして彼の住む館の秘密も明らかになる。あぁ、そうだったのか。
前作よりも朔の体温のようなものが感じられて、彼の作り出す冷たい闇の中で燃え続けるほのかな火がその源だったのか、と思える。
香りは記憶と結びつく。忘れていた思い出が香りによって引っ張り出されていく。自分も経験したことのあるその香りと記憶の関係に今回も気持ちよくたゆたえた。
新しい登場人物、持田がとてもいい。朔に救われた持田が、今度は満を救う。一度ついた傷は消えることはない。けれど、その傷をちゃんと抱えて生きていく力を、ひとは持っているのだろう。
この小説は静かな夜に、温かい飲み物を飲みながらひっそりと読んで欲しい、と思う。
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『透明な夜の香り』との対比?というか、舞台は同じでも関わる人が違うことで、また違う表現になってて。
前作は透明だったのにこの作品では赤が強烈に印象付けられていたり。でも前作とちゃんと繋がっていて、最後にそれぞれの人生がちゃんと前に進んでて、読後感が良い。すごく文学的な作品でした。
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『透明な夜の香り』の続編。
発売日を楽しみにしていました。
前作が静のイメージなら、今作は動のイメージ。
主人公が苦しむ過去の過ちから解き放つのではなく、朔は、ただ関心があっただけなのではないだろうか。
そして、朔と朝倉の過去も明らかになっていく。
また、朔と一香の関係もお互いを思えばこその純愛で繊細。触れもせず気持ちも伝えず、ただ二人の間にある空気感と香り。それだけで成立しているようなそんな気がした。
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本を開くと日常の快不快が入り混じるさまざまな匂いが、洋館のハーブの香り、風、お茶や料理に清められるような感覚になった。
手間暇かけて育てられた植物たちの本来の力を最大限に活かして作られる唯一無二の天然の香りが、依頼人の欲望を叶えて記憶を甦らせたり、個性を消したり、症状や心を癒したり、刺激をするお話。
香りを通して執着、正しい執着=赦し、がゆっくりと現れてくる様子がよかった。
同じ香りでも香りの受け取り方は人それぞれ。アレルギーを引き起こしたり、不快にさせることもある。柔軟剤の匂いや嗅覚順応は身近に良くある話だなぁと思った。
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怒りの香りを纏う朝倉がやってきて新たに紡がれる物語。
調香師の朔とガラの悪い新城、源さん、一香が産み出す空気感は変わらず。
味わうように読みました。この空気から離れがたい、読み終えたくない、という気持ちになれる本です。
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「しろがねの葉」があまりに素晴らしかったので、ハードルが上がってしまった感あり。
私には、この作品はあまり刺さらなかった。
前作を読んでから読むべきだったかもしれないが、それを差し引いても、特殊能力を持つ朔の佇まいの形容に「凜とした」という言葉を頻出させるところや、満の過去が、あまりに類型過ぎて、残念。
こういう小説を好む人も多いとは思うので、自分好みではなかったということか。
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天才調香師・小川朔の住居兼仕事場で働くことになった朝倉満を主人公とした8章から成る連作長篇。
前作『透明な夜の香り』は2020年度のベスト20に入れたほど好きな作品だったのに、なんとほとんど内容を覚えていなかった。本作を心底愉しむためには、前作を読み直したほうがよかったかもしれない。
まあでも、暴力的な性向のある満とそれを匂いで察知してしまう朔の関係、庭師・源さんの過去、持ち込まれる数々の依頼と読みどころは多かった。前作同様香りのトリビアもよかったな。3作目を期待して待ちたい。