著名人たちの随筆集
2024/04/01 22:37
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一編が三ページ程度なので、飽きずにサクサク読めます。昼休憩にちょこっと読むのに丁度良かった。
様々な分野の著名人たちの文章が読めて楽しい。そして、お得感がある。
亡くした大切な人たちの思い出が多いのですが、時に面白おかしく、時に後悔に溢れ、優しさに満ちており、どれも暖かい。
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【収録作品】三崎亜記/松家仁之/木内昇/蜂飼耳/駒沢敏器/山根基世/三浦しをん/山田太一/水内喜久雄/多和田葉子/高史明/佐々木美穂/野崎歓/関川夏央/戌井昭人/山根一眞/池澤夏樹/森絵都/萩尾望都/萩原朔美/長嶋有/高橋源一郎/長島有里枝/元村有希子/姫野カオルコ/赤坂真理/片山健/大久保真紀/山口未花子/増田明美/阿部和重/寺尾紗穂/川島小鳥/あさのあつこ/片桐はいり/秋野暢子/前田英樹/川内倫子/内田春菊/平田明子/呉美保/那波かおり/辻村深月/森田真生/砂田麻美/大宮エリー/温又柔/坂本美雨/ジェーン・スー/金井真紀/望月衣塑 /速水健朗/木内みどり/新井紀子/加藤千恵/本名陽子/内田樹/カヒミ・カリィ/久保田智子/サヘル・ローズ/仲野徹/加瀬健太郎/山崎ナオコーラ/イッセー尾形/安東量 /大竹しのぶ/曽我部恵一/津野海太郎/島田潤一郎/俵万智
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2023/03/21リクエスト 1
ジェーン・スーの書いたものを読みたかった。
優しいこどものころの記憶が、とても素敵で目の前に見えるようだった。
その当時のスーさんを見てみたかった。
廊下で昼寝、確かに心に残る思い出だろうな。
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好きな作家さんがいっぱいおられたので読みました。それ以外の話も良く、「何げなくて恋しい記憶」を集めてくれたことに感謝です。
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本を頭の中で音読するように読むようになって気付くのだけれど、句読点や改行などの息遣いがピタリと読む速度に合う文章とそうでない文章とがある。もちろん、音読すると言っても実際声に出す訳ではないが、読む速度は自ずと呼吸のリズムに合わせたものとなる。だから、自分の呼吸に合う心地よい拍の文章と息苦しい拍子の文章がある、と言い換えた方が感じるものに近いかも知れない。とは言え、読み進める内に拍子が合って来る人も居るので、必ずしもこちらの息遣いは固定された感覚ではない。ただし、音楽でいうところの速度記号の表示がある訳でもないので、適切なテンポが判らないままの文章もある。逆に読み慣れた作家などの文章はその作家の(場合によっては想像上の)声で再生されるので、自然に聞き入ることができる。七十人分の随筆を読み進めていると、そんなことが気になってくる。
そして、当たり前のことだけれど、文章には個性が出るものだなと、改めて強く思う。三崎亜紀の随筆は三崎亜紀の小説を読んでいるようだし、蜂飼耳の随筆は蜂飼耳の詩を読んでいるようだ。片桐はいりの随筆は片桐はいりの芝居を観ているようだし、山根基世の随筆は山根基世のナレーションを聴いているような感覚で、その再生された声を聞いてしまう。言いたいことがはっきりしている人も(例えば内田樹の随筆はいつもの内田樹節だし)、言いたいことを自分に問うかのように書いている人も(例えば木内昇の随筆は木内昇の小説同様に時間を遡ることが問い掛けの芯にある)、短い物語のように書く人も(例えば長嶋有の随筆は限りなく創作された一篇のよう)、とりとめもない出来事を記すように書く人も(例えばイッセー尾形の随筆は独り語りの芝居の訥々とした台詞にも聞こえる)、それぞれの声が、それぞれのテンポで語り掛けてくる。もちろん、対話の方法として対面で会話することに勝ることはないと信じてはいるけれど、文字だけでも伝わる「言葉では言い表し切れない」思いというものも確かにあるということがよく分かる一冊だ。
副題の「あなたの暮らしを教えてください」という出版社からの依頼に応じて寄せられた原稿用紙三枚から四枚ほどの随筆。けれども、案外と自分自身のことを語っている人は少ない。自分のことより、亡くなった人(特に両親、祖父母)の思い出、子供の話が多い。それもその筈、本書は暮らしの手帖に寄せられた随筆をテーマ毎に集めたシリーズの一冊だが、この一冊は「家族、友人、恩師」にまつわる文章を集めたものだという。それがタイトルに言う「何げなくて恋しい記憶」となり、「あなたの暮らしを教えてください」の返答になるのは、知人の「死」が自分の視線の先を自分自身に引き寄せてしまうからだろうか。例えば最も自分のことを語っていると思う木内みどりの随筆は(木内みどりのあの台詞回しさながらに威勢よく)自身の死後の始末の話を語ってはいるけれど、そこに思いが至る前段階で身内の死が関わっている。赤の他人の死ではなく、知人の死は誰にとっても自身の行く末を投影する鏡のようなものなのだ、と認識する。逆に川内倫子ら子供の話をする人は、その視線の先にどうしたって(川口倫子の写真に映る淡い思いと同じように)自身の子供時代が重なっていて、その更に先に親や祖父母の、子供時分には解らなかったありがたみに対する感謝が透けている。
だからこそ、編者がまとめたこれらの随筆にはどれも、どこかしら郷愁という言葉の響きがする。その感覚は失われてみなければ実感として湧かない感覚であるからこそ「何げなくて恋しい記憶」となるのだろう。けれど室生犀星が「ふるさとは」と謳ったように人は皆郷愁の中に留まることは出来ず「そのこころもて遠きみやこにかへら」なければならない。Life is going on。そして『奇跡は、いつも目の前にある』。しみじみとそんな思いに耽る随筆集。
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まず、このタイトルが秀逸。
こも課題を与えられたさまざまな分野で活躍する人たちのエッセイがたまらなくみんないい。
どうしても今な亡き親、祖父、祖母、友だちに関してのことが多くなる、それだからこそ余計、心にぐっと来る。
それにしても木内みどり氏、このエッセイで自分の死んだあとのことを克明に葬儀、お墓、戒名、いっさいいらないとし、粉骨して自分で見つけた山の奥に撒いてもらうように示唆していたことに驚く。
突然の心不全により仕事で訪れた先の広島のホテルで亡くなったのはこれを書いて半年後だったとは。
見事としかいいようがない。
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身近な人との思い出を綴ったエッセイ集。隙間時間にちょこちょこ読んでいける気軽さ。
もちろん直接は存じ上げない方々のエッセイだけど、トピックが友人や家族との思い出なだけに、共感すること多し。
どれも読んでいてしみじみしたが、駒沢敏器さんの『音の彼方へ』、森田真生さんの『家族』、速水健朗さんの『死んだ父の蔵書』、久保田智子さんの『「もしもしー」のその先に』が特に好き。
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毎日ひとりずつ、寝る前に読むことがいつのまにかルーティーンになり、心地良いおやすみタイムを過ごした70日間だった。沢山の著名人が寄せた“誰かとの記憶”。その人の中に確かに存在する大切な記憶を毎晩ひとつひとつ聞かせてもらいながら、(この人の文章好きだなあ)としっくり来るときがあり、なんだか不思議な気持ちに。その日の自分の心の状態もあるのだろうか。大事なモノや人や思い出を語る人の表情は優しいだろう。本の向こうにその人を感じながら共有させてもらい、一日を終える。心が落ち着く読書体験。
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各界の著名人のエッセイが読めてお得でした。
内容も素敵。ちょうど帰省の多いこの時期だったからか、家族、故郷、友達についてのお話によりじんと来たのだと思います。
2冊目も読んでみたい!
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色々な方たちの、3ページほどの短いエッセイが詰まった本。学生の頃、国語の教材の随筆だけを拾って読んでいた私には持ってこいの本でした。待ち合いの時間に少しずつ読み進めるのにぴったり。「何げなくて恋しい記憶」というタイトルの通り、実家や友人、家族、故郷など、日常的なテーマが揃い、しみじみする内容が多かった。
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『暮らしの手帖』セレクション
70人の著名人が暮らしのなかで感じた恋しい記憶を随筆集にしたもの。
それぞれの想いが伝わってくる。
それも何気ない生活のなかであったり、遠い記憶のなかであったり…とさまざま。
その中でも木内昇さんの「父の帳面」は、懐かしさと切なさを感じた。
赤坂真理さんの「とても昔からあるもの」は、幼い頃に祖父と寝起きしてた記憶がじんわりと伝わってくるのが心地よい。
モノクロの写真を見たような感覚である。
物言わぬ老人と、言うべき言葉のない幼児。
誰かといて、次に何を言おうと考えないのは、とてもよい。
俵万智さんの「ホームシックとハガキ」のなかで、寂しさはマイナスの感情じゃない。会えなくて寂しいと思える、そういう家族がいるのは、プラスのことというのも温もりを感じる素敵な言葉である。
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「暮らし」をテーマに、豪華執筆陣で贈る珠玉の随筆集。脚本家・山田太一、小説家・高橋源一郎、俳優・片桐はいりなど、全70人の「家族、友人、恩師との話」を収録する。『暮しの手帖』本誌・別冊掲載などを単行本化。
ちょっぴりほろりとなる文章がたくさん。
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しっかり練ってある文章故、次々読んでいくには、勿体ない。投げかけてある著者への課題が良い為か?良い本にまた、出会えた。自分にとって、何気なくて、恋しい記憶とは、いつかな…。
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『何気なくて恋しい記憶 随筆集 あなたの暮らしを教えてください』
『暮しの手帖』の本誌と別冊に寄せられた随筆作品集。家族との何げないやりとりや別れ、友人や恩師と過ごした思い出など、筆者の心に深く刻まれた記憶を集めています。親しい方への贈り物にも。I
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『暮しの手帖』の本誌と別冊に寄せられた「暮らし」がテーマの随筆作品を選りすぐり、全4冊にまとめたシリーズ。第1集は、家族との何げないやりとりや別れの時のこと、友人や恩師と過ごしたあたたかい思い出など、筆者の心に深く刻まれた、大切な記憶のお話を集めています。とのこと。
"何げなくて恋しい記憶"というタイトルがまさにぴったりで、お話ひとつひとつは短いながら、そのなかであたたかい気持ちになったり、ノスタルジックな切ない気持ちになったりとおだやかに感情が動かされるのが心地いい。幼児の子育て中の身からすると、どうしても似た境遇の方のお話に親近感がわき、気になる書き手の方は後ろのプロフィール欄でチェックしながら読みすすめた。必ずしも作家の方ばかりでなく、むしろ惹かれたのは写真家などふだん文章を書くお仕事ではない方々が多かったかもしれない。これからその方たちの作品に触れていきたいな、と思う。そういう意味でもいい出会いの機会となった一冊。