紙の本
図書館を使い倒す方法の記述が秀逸です。
2023/05/11 17:36
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
司書の著者が、ネットの情報を鵜呑みにすることの怖さ、鵜呑みにしない対処法などを、柔らかい文章で著わした1冊です。
特に、図書館をいい意味でどう使い倒せばいいか、その方法が詳細に記述されています。さすが司書の著者です。図書館の利用の仕方が分からない人に、当書は大いに役立ちます。
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インターネットが世に出る前の情報源と言えば、新聞・書籍などの紙媒体かテレビ・ラジオぐらいだった。その頃に比べると、今は桁違いの情報に日々私達は晒されている。本書は情報から身を守り、上手に利用する方法が学べる良書だ。
さらに、タイトルに「学び方」とあるだけあって、取捨選択した情報から自分の学びを深めていく方法も丁寧に解説してくれている。
紹介されていたオンラインデータベースは知らなかったものも多かったので、これから是非使ってみたい。
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中高生向けのレーベルですが(岩波ジュニア新書)、大人向けとしても良い本です。自分は若い頃、司書教育を受けましたが、十分参考になりました。さいきんは未成年向けのノンフィクションに当たりが多くて嬉しい。
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確かな情報源を探すだけではなく、探究学習に必要なプロセスが順を追ってわかりやすく書かれている。
知りたいこと、なぜ?、って思ったこと、どんどん調べてみようよ!と背中を押された感じがした
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刊行日 2023/02/21
「ネットでの学びが広がり、膨大な情報をいかに使いこなすかが、今後のカギになってくる。「確かな情報って何?」「図書館の使い方は?」「情報リテラシーを身に付けるには?」等の問いや具体例に沿って新しい時代の学びに即した情報の探し方や使い方、更にはアウトプットの仕方を図書館司書の立場からやさしくアドバイスする。」
はじめに
1章 ネット時代の学びとは?
「ネットがあるから大丈夫」って本当?
アニメの「聖地巡礼」で検証してみよう
あいまいな表現に気をつけよう
「誰が言ったのか」をたどっていくと
「たどれる」= 裏付ける材料になる
2章 探究のための図書館活用法
ネット時代に、なぜ本? なぜ図書館?
1冊の本から始まる、知の冒険の旅
本の構造と機能
「運命の1冊」に出逢う方法
わが町から全国へ! 現代から過去へ!
「無意識の理想条件」を言葉にする
海外の本はどう探すの?
図書館で「運命の赤い糸」を引き寄せる方法
NDC は、学びの地図(知識体系)
図書館の本はどのようにして分類されるか
NDCを使った「脳内四次元ポケット」の作り方
3章 図書館を味方につければ鬼に金棒!
図書館にはどんな情報がある?
「理想の情報源」は「信頼性」と「新しさ」にあり
多種多様な事典・辞書は強い味方
専門雑誌は知の最前線
雑誌記事・論文の探し方
統計データを「裏付け」に使う
データベースの種類と使い分け方
図書館には地域や郷土の資料もあるぞ!
「知の殿堂」図書館を使いたおそう!
4章 「確かな情報」って何?
情報の信頼性と責任
誤った情報はなぜ広まるのか
フェイクニュースに騙されないために
印象は操作される
写真による印象操作も
鳥の目と虫の目で世界を観察してみよう
コラム 「確かな情報」を送る側に
5章 ネット情報の海でおぼれないために
ネットの情報と図書館の情報を比べてみよう!
情報の速さと双方向性がネットの特性
図書館(印刷資料)の特性
ネット情報の活用術を身につける
キーワード検索の「3つの心構え」
司書も味方に
6章 知識を「学ぶ」から、知識を「使う」へ
インプットができたらアウトプットに挑戦
「自由研究」から始めてみよう
発信する探究テーマの探し方
素材の組み合わせが新しいアイデアを生む
ヒラメキを引き起こす必勝法
レポート作成にチャレンジしてみよう
確かな根拠を使い、論理的にまとめる力が重要
レポートの構成を知ろう
自分の知識体系を「地図」にする
今の自分に足りない力・将来身につけたい力は何だろう?
7章 アイデアの発信が、未来を切り拓く
アウトプットの方法はいろいろある
創作のための情報集めが屋台骨を作る
絵や音楽だって、大切なアウトプット
誰にも秘密でいいから、思いを書き出してみよう
その小さな一歩が、表現力を育てる
アイデアと言葉を発信する意義
先人の知恵を活用する方法(引用と著作権)
情報の受け手から、発信者へ
アウトプットで、自分の世界をもっと面白くしよう
学びは「終わりなき旅」
本書で紹介したオンラインデータベース
主要参考文献
おわりに
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「ネットには調べれば何でもわかる」
そう考える人も多いけどネットには事実としての情報もあるけど個人の感想、思い込み、空想も混ざっている。
情報リテラシーがないと情報に振り回されやすくなる危険性がありますね。
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ネット情報であふれる現代で、今後、社会で学んでいくために必要な情報リテラシーを身につけるための大切なポイントを紹介する図書。ネットのみの情報だと間違いやすいジブリのロケ地の検索例や本から万里の長城について探る例などかなり面白い。また重要な物事があいまいな情報しかない場合、社会が混乱するけど、そこに批判的能力を持った、つまり情報リテラシー能力を身につけた人が多いと、社会の混乱が減る、というのは驚き。図書館も含めて社会全体で情報をどう探り、たどり、検証し、アウトプットしていくか学べる図書。
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探求するテーマを持ち、考えを発信する全英で生きていると、読書に限らず仕事や遊びをはじめ、日常生活で触れる全てが素材の宝庫になる。
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ネットがあればいいじゃん?
ネットで検索するのは便利。しかしその情報が信頼できるものかどうかは考えているだろうか。図書館に行けばたくさんの情報を受け取れる。でも図書館を活用しきれているだろうか。情報があふれるこの時代において、いかに情報を集めていくかのコツから、自分のテーマを見つけて追い求めていく素晴らしさまで書かれた本。
国立国会図書館「リサーチ・ナビ」の課題の背景をマップ化してくれるの面白いですね。今後活用したい。
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本書の中でおすすめされていることの一つに「NDC(日本十進分類法)(10×10)を脳内四次元ポケットに!」というものがあるが、これが本書の立ち場を象徴しているように思う。
これを聞いて「10×10枠の分類枠を自身の思考整理枠としてもっておくと便利!」とすんなり思えてしまう人(それがどの程度存在するのかわからないのだが)と、「はぁ?何言ってんの?」となる人の両方がいるのではないかと思われるが、「はぁ?」となってしまう人も、一旦一呼吸置いて、「この著者はこういう人なんだ」ということを念頭に置きながら、本書をはじめから読みはじめることをおすすめしたい。
本書全体に貫かれている「こんなふうに調べると、こんなことがわかっちゃって超楽しいよ!」というテンションを一旦、著者(=他人)として切り離しつつ、「情報探索にやたらテンションが高くなってしまう知り合いのお兄さんが、いろいろ教えてくれちゃう本」だと思って読んでみると、ちょっと苦笑いするところもありつつ、「でも、教えくれてよかった。お兄さん、ありがとう!」と思えてくるんじゃないか、と思う。
そういう意味では『ネット情報におぼれない学び方』というタイトルは、なんだか教条的で、本書がもっている質感(とその良さ)をうまく反映しきれていないと思う。どちらかというと、「リサーチオタクのお兄さんが教える、楽しい調べ方教室」とかそういう感じ。
そういう意味で、身近にいて困るといろいろなことを教えてくれる、ちょっと年上の「お兄さん」みたいな本なので、中高生も大学生も大人も、自分がいつでも頼れる存在として、1冊手元に置いておくのが良いのではないだろうか。
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岩波ジュニア新書だけあって、とてもわかりやすい文章、内容だった。調べ物で使えるベータベースが何個も紹介されてて、早速ブックマークさせてもらった。
「自由研究にワクワク感を取り戻したい」という筆者の考えが素敵だと思った。自分の知識の地図を広げていくぞ、そしてできたらアウトプットもするぞ、という勇気をもらえた。良書です!
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中高生向けに書かれた本書ですが、大人の方でも読むのをオススメします。分かりやすい文章でスラスラ読めたのが良かったです。タイトル通り「ネットリテラシー」を身につける大切さ以外にも、学ぶ楽しさの根幹を理解できました。先人たちの知恵をどのように自分のなかに落とし込むか、そしてそれをどのように発信していくのか丁寧に書かれています。今後は図書館を大いに利用していきたいと思いました。
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中学生にも読みやすい言葉や例で、探究の道具としての図書館とインターネット検索について書かれています。
著者の豊富な知識と探究心が詰まっています!
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○新書で「学校生活」を読む⑩
梅澤貴典『ネット情報におぼれない学び方』(岩波ジュニア新書、2023年)
・分 野:「学校生活」×「行事を読む」
・目 次:
はじめに
1章 ネット時代の学びとは?
2章 探究のための図書館活用法
3章 図書館を味方につければ鬼に金棒!
4章 「確かな情報」って何?
5章 ネット情報の海でおぼれないために
6章 知識を「学ぶ」から、知識を「使う」へ
7章 アイデアの発信が、未来を切り拓く
おわりに
・総 評
本書は「確かな情報源を探す方法」や、そうして集めた情報を基に「自分ならではのテーマを探究していく面白さ」を紹介した本です。著者は図書館司書として長年勤務した経験を持ち、現在は都留文科大学の講師を務めている人物です。
今日において、インターネットは私たちの生活には不可欠なものとなっており、スマホ1つで様々な情報が調べられるようになりました。一方で、そのネットの世界には膨大な情報があり、それらをいかに“使いこなすか”が、重要なカギとなります。こうした「情報リテラシー」の基礎を解説したのが本書であり、この本を読んで面白いと思った点を、以下の3点にまとめます。
【POINT①】なぜ「本を読むこと」が大切なのか?――情報の信頼性を考える
ネットは瞬時に大量の情報を調べることができる点で便利ですが、その情報の発信者が分からない場合が多いことに注意が必要です。情報の信頼性に関して、まず重要なのは「誰が言ったか」であり、その点で本などの印刷物は、著者や出版社という形で「責任の所在」が明らかとなっています。さらに本は、その一冊で話が完結しているので「自力では困難な情報の収集・調査と整理・検証の成果を知ること」が可能になります。この点について、著者は「いわばテーマに精通したプロフェッショナルを、数千円(図書館の本ならば無料)で雇ったも同然」であると指摘しています。
【POINT②】どうすれば「確かな情報」が得られるのか?――情報を比較してみよう
近年は「フェイクニュース」という言葉に代表されるように、ネットにおける“虚偽の情報”が問題となっています。特にSNSなどで目にする情報は、AIが過去の検索や閲覧の履歴をもとに「自分の考えに味方してくれる情報」を優先的に表示していることもあり、こうした情報が発信される“目的”=“これが広まることで、誰が得をするのか”といった視点が重要だと言います。また著者が「情報を中立的に比較する訓練」として挙げているのが「ニュースや記事の読み比べ」です。あるニュースの報じ方が複数の媒体でどう異なっているのかを比べることで、自分の考えとは合わない情報も確認できると指摘しています。
【POINT③】自分なりの「問い」を作るには?――情報を使ってみよう
探究学習では、自分なりの「問い」を“自由”に作ることができますが、その“自由さ”が逆に難しいという人も多いでしょう。本書では、そのヒントとして、まず「世の中にあふれる「困りごと」や「助けが必要な人」を���像」し、それに「自分が得意なこと」を組み合わせて、その役立て方を考えるという方法を挙げています。こうした「2つの異素材を組み合わせる」という方法が重要であり、著者も「アイデアは既存の知識を複合的に組み合わせることで生み出」すことが可能で、さらに「素材となる知識が幅広いほど、想定できる組み合わせや加工法のパターンが増える」ので有利になると指摘しています。
本書では、探究学習などの場面でよく耳にする指示――「ネットの情報だけでなく、本(文献)の情報も利用すること」「自分の興味・関心から“問い”を考えること」など――について、その必要性や取り組み方が具体的に説明されています。また著者が長らく図書館に勤めていたこともあり、特に図書館の使い方や文献の調べ方などは特に詳しく説明されています。皆さんも、探究学習の際は、久しぶりに(初めて?)図書館に足を運んでみてはどうでしょうか?
(1410字)
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ネット情報自体を批判している本のように勘違いされそうな書名と表紙。実際は、ネットを上手に使い図書館も使いたおし、双方のいいとこどりをして知識のインプットとアウトプットを繰り返しながら自分の世界を広げていこう、という内容。ネット上のフェイクニュースや、悪意をもって書かれた書籍に惑わされず、確かな情報をもとに自身のテーマを探求しつづけよう、と呼びかける著者は、とても苦労しながら学びつづけている方であることが、著者略歴や本文から感じ取れる。紹介されている各種のオンラインデータベースを私も積極的に活用してみたい。