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ホラーなはずなのに、最後の「さきのばし」の途中で笑い転げそうになってしまった。外で読んじゃいけないやつです。
「さきのばし」だけでもぜひ読んでほしい。
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澤村さんの作品が好きな人にはたまらないと思います。
とにかく一つ一つの作品が短く、コンパクトにまとまっていますがほどよい怖さ、気味の悪さがあります。
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毎日暑い!!
何かに刷り込まれてるのか、夏になるといつも以上に怖い話を欲してしまいます。
寝苦しい夜のお供でした。
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ホラー小説の名手、澤村伊智先生の怪談集。どの作品も怖い、そして嫌な感覚が後を引きずる。どんでん返しや考察の可能性がある作品も多い。『一寸先の闇』というタイトルの通りで、一寸先=短い物語なのに結末が予想出来ない、すなわち闇が待ち受けている。この作品集は短時間で読書をとても楽しむことができる。
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掌編集と言うだけあって、平均5ページ前後の話が21編。心霊、人ならざるもの(妖怪?)、ヒトコワ……バラエティーに富んでて、面白かった。旅行中の細切れ読書にピッタリだった。
【収録作品】
「名所」「みぞ」「せんせいあのね」「君島くん」「保護者各位」「血」「かみさまとにんげん」「ねぼすけオットセイQ町店301号室のノート」「さきのばし」「深夜長距離バス」「内見」「満員電車」「空白」「はしのした」「青黒き死の仮面」「通夜の帰り」「喫茶店の窓から」「無題」「夢殺」「冷たい時間」「残された日記」
正直言ってしまうと、結構似通ったオチのため、途中で予想がついてしまったものもいくつか。ただ、小説ならではの、言葉の技巧が施された作品もあり、唸った(「名所」「せんせいあのね」「保護者各位」「内見」「冷たい時間」)。
想像すると怖いなと思ったのは、「君島くん」「血」「空白」「青黒き死の仮面」「夢殺」。
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よくこんなにいろいろ書けるなぁ!
めちゃくちゃ怖くはないけど、おぉ〜…って感じ?w
怪談で掌編って、絶対難しいと思うんだけど、どれもこれも、なかなか良い。第2弾もあるといいなぁ。
さすが伊智さんですな!
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どの作品もインパクトあって面白かったけど、やっぱり私は澤村作品の長編が好きなのだと改めて気づいた。澤村作品では怪異の背景にある人間の汚い部分が読みたいのだと再確認した。
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ホラー、ミステリー、叙述トリック、いろんな形で怖がらせ、楽しませてもらえました。
ショートショートが21編、短くも読みやすく、それぞれがしっかり落としてくれて個人的にかなり評価高いです。
小学校から保護者向けの案内書面を1ページ毎に並べ、そこから何が起きているのか読み解くストーリー、すごく面白いなと、印象に残ってます。
また再読するかなって思ってます。
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これは私の備忘録なので、ネタバレ、あらすじ迷わず書きます。
それにしてもあらすじ書くの流石に時間かかった。
まずは感想から。
この本は新作である。奥付を見ても、五篇を除き書き下ろしとある。
つまり、今まで私はこれを読んでいない。宝島社文庫を読んだことはないはずだ。
なのに記憶にある話があった。それは書き下ろしの作品だ。単なるデジャヴか、怪奇現象なのか。
保護者各位、が秀逸。しかし、不審者となった2人が呟く カニク とはなんだろう。解説の人も探したと書いてあった。もしかしたら、不審者の女性も元は教育者だったのだろうか。
さきのばし 予測したオチがあったのだが、全く違った。何か主人公が取り返しのつかないことに巻き込まれているのに、肥後ちゃんが言わないから、間に合わなくなって死ぬのだろうと思っていた。
それにしても、名前だけで7人目の子だとわかる主人公すごい。
君島くん
儀式、なのだろうか。プリントを届けるマニュアルが怖い。怖すぎるぞ。
みぞ は、小学生に怪談として話したいなあ。
以下あらすじ兼ネタバレ
名所
飛び降り自殺の名所で語られる話。死ぬつもりのなかった人たちが飛び降りたのは、言葉巧みに近づき、このマンションに連れていく語り手のせい。
みぞ
そこに入って見つからなくなった子どもがいたという噂の溝。
中に入って出てきた子は別人の顔をしていた。しかし大人は誰ひとり違和感がないようだ。
せんせいあのね
叙述トリック。友だちと遊んでいるときに土から出てきた黒い人形。こいつで遊ぼうぜ、と言われて石をぶつけたり川に流したりするが…
人形にそそのかされて友だちを殺してしまった。
君島くん
一度も登校してこない君島くんのもとにプリントを届ける仕事。前任の宮本くんが転校したので回ってきた。
君島くんの家の中で行わなければならない謎の手順。
誰にも話してはならないとのことだが、母に君島くんの家に行っていることを打ち明けてしまう。母によると、この仕事は大人がやっていたり、下の学年の子がやっていたこともあるようだ。
君島くんの家の前で、母に話してしまったことを後悔していると、クラスメイトがやってきた。彼らは、この流れが宮本くんと同じだ、という。宮本くんとここで会ったとき、彼は何かを打ち明けようとするそぶりをみせたが、突然笑い出してどこかへ行ってしまい、その後転校したという。
そして語り手も笑い出す。
保護者各位
全てがお知らせ文書でできている短篇。
平成7年から、銀杏の木の下にいる女性に声をかけないように、とされている。
平成9年度の文書によると、12.3年前からいるようだ。
生徒を追いかけてくるらしい。外見が怖い。
この年度の校長は、この不審者退治をしたいようだ。
さらに文書により、この校長が休職したことがわかる。
令和4年には、女性に加え、男性不審者にも声をかけないようにとなっている。
校長の成れの果てだろう。
血
親類の集まりはつまらない。居間で���人たちは飲み食いし、外に出るとお供えものとして重箱を川に投げおとす。すると川の底から粘液に覆われた真っ白な女の子が浮かび上がる。従兄弟たちは川に飛び込んで彼女たちと交わり、大人たちはそれを眺める。主人公にはまだ早い。いつかその日がくるのが怖い。でもやりたい。
かみさまとにんげん
謎の神様の形をつくる風習。子どもが作らなければ神様
にならない。しかし子どもの数は少なくなり、神様を使い回すことに。
今年で風習は終わるだろう、と考える主人公と村の大人たち。風が吹くと大きな影が現れた。
ねぼすけオットセイQ町店301号室のノート
ラブホテルのノートに、幽霊がでるとの書き込みが。
昭和の頃、1月2日に死んだ女がいるといういわくを書き込む者、それを否定する者。
どうやら毎月2日には幽霊が現れ、このノートに書き込んでいたらしい、というのがノートの書き込みでわかる。
さきのばし
何もかもが遅く、タイミングを逃している肥後ちゃん。語り手は、彼女の相談にのる。
コントのようなやりとりののち、肥後ちゃんは出産し、七海か菜々のどちらがいいか考え始める。
語り手はゴミだらけの肥後ちゃんの家の片付けを申し出るが、ベランダに置かれたクーラーボックスに烏が集まっているのをみて気づく。あの中に6人入っているのだと。
深夜長距離バス
長距離バスの中で聞こえる笑い声のために眠れない主人公。目を開けると、自分と後ろの席の人以外は木の人形になっていた。それでも笑い声は聞こえていて、窓の外は真っ暗。バスは傾いた鳥居の中を通り過ぎていくのだった。
後ろの席の人が怯えているのがわかるが、自分も何もできない。ひたすら耳を塞いでいるしかなかった。
バスが停まると朝7時で、みんな人間に戻っていたが、後ろの人はいなくなっていた。
内見
不動産会社に事故物件ばかり見せられている主人公。
最後の物件は墓場の隣だというだけだったので、そこに決めるが、営業マンはこれまでずっと主人公の隣に喪服の女がおり、母親と一緒に回っているのだと思っていたという。
その女は今、あごが外れそうなほどに大口を開け、声を出さずに腹を抱えて笑っていると言われるのだった。
満員電車
いつもと同じメンバーが乗っている電車。見知らぬ乗客の具合が悪くなり、チームプレイで助ける。
3日後、全く同じことがおき、また同じ乗客を助ける。たったひとつ違っていたのは、前回乗客に掛けたブランケットが戻ってこなかったため、掛けてやれなかったことだけだ。
半年後、またあの乗客が現れる。
みんなが怯える中、1回目に助けた時に掛けてやったブランケットを返したくて探していた、といい、何度もお礼を言いながらブランケットを渡す。
そして、「これでまた、一から助けてもらえますね」と言って泡を吹きながら倒れるのだった。
空白
子どものころ、家族で出かけた旅行先でみた謎のビデオ。そこに出てきた両手に包帯を巻いた若い女が自分の名前を呼ぶ。しかし同じものを見ていたはずの父も弟も、ゴジラを見ていたという。
同窓会に出ると、皆が、姉は元気かと尋ねる。自分には弟しかいないのに。
そして弟が言う。寝たきりの姉の面倒を見ろと。旅行先で姉が大怪我をしたのは彼のせいではないから、と。
はしのした
息子を保育園に迎えに行った帰り、老婆が追いかけてきた。必死で逃げる。老婆には角があるのが見えた。
息子を妻が風呂に入れていると、保育園から電話が。まだ子どもを迎えにこないのかと言う。
電話からは明らかに息子の声。そして電話は切れた。折り返しても通じず、翌日息子を預けに行っても、変わったところはなかった。
あの老婆は、違う息子を連れて行こうとしている自分を止めようとしたのかもしれない。
という話を、死に際に泣きながら、震えながら父が打ち明けた。
私はなんなのだろう?そして、父を呼んだ私はどこに行ったのだろう?
青黒き死の仮面
新婦の元カレは、遺書を残して車で海に飛び込んだというが、新郎か新婦、もしくは両方に殺されたのではないかという噂が。
結婚式には不穏な空気が。チャペルの窓には大量の蛾がとまり、キャンドルは点いたり消えたり。
結婚式の会場に現れた男は花束を持っていた。明らかに水死体だった。
男が新郎新婦に花束を差し出した瞬間、真っ暗になり、警察が来た時には、新郎新婦は海水にまみれ、目を見開いて死んでいた。
通夜の帰り
通夜の帰り道、10年ぶりに会った白川を阿部はバカにする。白川は太っており、声も小さい。
突然、白川が、ドスの利いた声で「うるさいぞ 阿部」という。
今日は阿部の通夜だった。阿部は白川以外の誰とも関係が築けずに自殺した。そんな彼が化けて出られるのは白川のところ以外なかったのだ。
喫茶店の窓から
夫が見たのはいじめられっ子の隣に立つ少女。妻が見たのは老婆。同じものを見たはずだが。
無題
5日前に行方不明になった娘がずぶ濡れで戻ってきた。怪談伝説のある山にいたという。
父親がビデオ通話にでると、そこに写っているのは警察と娘だった。山で保護されたという。
では、家に戻ってきたのは何か。
2階にいるはずの娘。階段の暗闇に、男とも女ともつかない白い顔が浮かんでいた。
夢殺
夢の中で知人を残虐に殺すと、現実の死体が見つかる女性。
君は悪くない。悪い夢を見ただけ。
冷たい時間
12年ぶりの中学校同窓会。タケルとヤノッチとしおりんと久美。久美はみんなと会えて本当によかったと思う。
タケルは久美を自殺に追い込んだ過去があり、ヤノッチは好きだった久美の代わりにタケルへ復讐するため、密かにタケルの悪行をタケルの妻にメールしている。
タケルが家に帰ると妻が自殺していた。タケルは子どもと一緒に心中することを決意する。
ヤノッチはタケルへの復讐を優奈という女性の協力で行っていたが、彼女によって自分が小学生を暴行していたのがバレてしまう。優奈が小学生の親に連絡したことを知り、ヤノッチは飛び降り自殺する。
しおりんにはもうすぐ死ぬ人がわかる。タケルとヤノッチが死ぬのも感じている。同窓会に幽霊の久美が来ていたことも。しおりんは久美の幽霊と中学生の頃の楽しさを語り、成仏を促す。
残された日記
サッカーのうまい裏���は、小学校の頃から人気者。
どこでも我が物顔をしていた裏田の人生が転落していくのを見ていく主人公。裏田はスポーツ推薦で入った学校を辞め、ぶくぶく太った。
主人公は充実した大学生活を送り、社会に出るが、生活に困窮する。それを両親や弟に知られたくないというプライドから、行政に頼ることもしない。そして、中学生の姿をした裏田の幻影を見る。
主人公は裏田に執着することしかしていなかったことに気づく。裏田になりたかったと思いながら死んでいくのだった。
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現代のジャパン・ホラー・ノベルを語る上では外せない存在、澤村伊智による初のホラー・ショートショート集。著者の一ファンとして手に取ってみた。
収録されているのは、数ページで終わる21編のホラー・ショートショート。5~15分もあれば1編を読み終えることが出来る尺のものばかりなので、隙間時間で満足出来て○。満足出来ると言っても、あくまで1つの話を終えることが出来るという意味での満足感であって、内容的な満足感はイマイチ。(まあ内容的な満足感を与えてくれたショートショートなんて、これまで読んできた中でもほんの一握りしかないのだが。)
個人的に一番好きな作品は、一番始めに収録されている『名所』。「どパァん!」のインパクトと関西弁語りのスピード感がショートショートの中で輝く一編。ちなみにこの一編、全文が横山奈緒(CV:渡部優衣)で脳内再生された。奈緒推しなら当然だよねぇ?(どうでもいい。)
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オチが難しいのもあって
保護者各位なんか
隅々まで読んで
何とか解読しようと思ったよね
単純に怖いのもあったし
回りくどいのもあったり
難読なのもあったり
それでも
最後まで読んじゃう
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澤村さんのショートショートホラーがでたということで購入。幽霊が出てわあびっくり!というタイプというより、いわゆるヒトコワ系だったり意味がわかるとゾッとする、みたいな作品が多かった。
自分としては「うーん…」という感じだった。ショートショートは「オチ」がすべてなので、そういう意味ではいまいちな作品が多かったかなという印象。
登場人物は3人とみせかけて実は幽霊が混ざってて4人でした!みたいなテクニックはさすがだなとおもった。でも純粋なホラー作品としての評価はそれほど高くないかも。
澤村さんの好みというか、こういうホラーがやりたいんだなというのはなんとなく伝わってくるんだけど、いまいち腑に落ちないという作品が多くて自分的には残念だった。
というわけで☆2つ。
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澤村先生は新刊の刊行がものすごく早いので、追いつくのが大変です!今回も楽しませていただきました。
中でも、「冷たい時間」が良かったですね。話し手が切り替わるたび、衝撃の事実が発覚するお話。
「ぼぎわんが来る」を彷彿とさせてくれました。
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豊富なパターンで恐怖を演出される澤村先生らしい短編集。人も怖ければ怪異も怖い、逃げ道の無さが流石としかいいようがなく、鳥肌がたつ。
ストーリーとして完全に結末がはっきりしているものが好きな方には向きません。笑
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さすがの澤村伊智。 どの話も面白く、えらべないが、印象に強いのが、「せんせいあのね」と「さきのばし」、「冷たい時間」。 一番恐ろしいのは、人間以外の何者でもない。