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自分には推しとか特にいないので、楽しそうに推し活をしている人たちが羨ましいと思うこともあったが、推しがいなくても生きていけるというのは幸せなことかもしれないと思った
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アイドルファンの女子高校生を描いた小説。
・アイドルファンの描写が表面的すぎる。アイドルファンに見られるパッション・切実感が全然伝わってこない。このパッションこそがアイドルファンの過激な発言や行動の源だろうに、これが描けていないから主人公が何をしようが自然な行動には感じない。
・主人公が応援してるのは地下アイドルという設定なのに、付き合ってると噂が出るのが女子アナだったり、グループが解散するとき記者会見を開いていたり、設定がブレていて混乱する。
と、不満をもったまま読み終わったら、文庫版あとがきで著者が、
『「本当のこと」を彼女の自意識すらうまく把握できていないので、地の文にもあらわれてこない。それでも、書いていくうち、ときどき何かがにじむことがある。』(p154)
と言っていて納得。
つまり、著者は「何かがにじみ出てくれ!」と願っただけで、確信的に何か深いものを描き出そうとしたわけではないということだ。
そんな小説が何かの賞を受賞してたなと思って調べたら、芥川賞だった・・・(笑)
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あとがきと解説込みで読んで欲しい作品だと思った。背骨という比喩が素晴らしい。また、自らも推しがいる人間であるため主人公と自分を重ねる部分があり、推しからの行動に感情が衝撃を受けた。
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推しを推すことにおいて以外のところでは、この本の主人公の家族のほうに共感した(というか家族と同じ感覚を持っているとおもう) 。主人公はやはりどこかうまく日常生活には馴染めていなくて、でもきっとこういう生きにくさみたいなのを抱えている人がいるんだろうなとどこかで思っている。それはもしかしたら差別的な感覚を自分が持っているということかもしれないけれど、でも全く想像も出来ない人もいるんじゃないかと思うと、小説のなかにいる登場人物に共感したりすることができるようになるくらい、小説というのは想像力を育ててくれるなと思う。
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推しは最後まで画面の向こうの推しのまま、裏側は見られないという構造なのだろうけど、少し物足りなさを感じてしまいました。あの推しに何があったのか、真相はわからないままだけど、それもまた推しと自分との関係性と同じなのかな。
主人公の置かれている状況がしんどくて、読んでいて辛い部分も多かったです。
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文庫版あとがきがとても良かった。
今、学校生活がつらい中高生に届いたら良いなと思う。
(再読2024/01/08)
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久々に芥川賞作品で先々何が起こるのか、期待を持って読めた作品でした。主人公が自らが持つ生来の性質から、日常生活や学校、バイトなどが上手くいかず苦労を重ねる中で「推し」に傾倒していく様はいじらしく不憫に思えてきます。推しが問題を起こしたことで崩れ去る現実に残されたものの虚しさは、本当に推しに夢中になった人はより良く分かるのではないでしょうか。
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芥川賞に本屋大賞と数々の賞をいただいた作品。とても面白かったです。推しに対する想いなど共感させられることが多かったです。推しは推せる時に推せ、感じさせられる作品でした。
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主人公あかりの生活は推し活でありすべてであった。
それ以外のことは手につかず社会的にも孤立していく。
なにかを一生懸命推せる人っていいなぁと思っていたが実際本気で推しが出来たらこんなふうになってしまうのかとも恐怖を感じてしまった。
最後は推しが引退し、日常も終わっていく、
自分は今を一生懸命生きようと思った
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読んでいてかなり苦しかった作品。
主人公は家族、学校、仕事、友人の繋がりが希薄になり孤立をしていく。
そして最後には自分自身をネグレクトし、推し活動にのみに自身の存在価値を見出すようになっていく。
宗教家が聖書を読み解くように、推しを読み解いていく。
神は受け答えも触れることもないが、推しは存在が確かなので一体化できるかもしれないという淡い期待を含んでいる。そこがまた残酷である。
最終的に主人公は勝手に期待をして、勝手に裏切られ、勝手に怒りで溢れかえる。そして最後に残ったのは静かな現実と肉体のみだった。そこには不思議な爽やかさがある。
失われた30年を生きる我々には哀しいことに宗教的信仰は無い。今推し活がブームなのは、この閉鎖的で苦しい現状をどうにか救ってほしい、忘れたいという想いを持つ人が多いからだろう。
現代日本の病理をしっかりと表す作品。
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高校中退、バイトも続かない、コミュニティー能力が乏しい女性が、家族に見捨てられ、最後は推しの引退で日常をも失う「推し活」のお話。
こんな本を読むと常に心が落ちた感じがして気が病んでしまう。
推しは背骨。最後に綿棒を投げて拾うさまは納骨の例えか?
全世界80万部!芥川賞受賞作
「今どきな感じで面白かったですよ」とのことで読みましたが、今どきすぎて分からない。
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どこらへんから面白くなるかなと思いながら読んでたら終わってた。
推しに自分の金注ぎ込むのはまぁ趣味の範囲だから理解出来るけど、床にあるポテチの袋踏んづけるところとかの私生活のだらしなさがこの人無理だってなった。
けど推しが推せなくなって他のことに手がつかないってのは共感出来る。自分も齋藤飛鳥が乃木坂卒業するって知った時だいぶショックだったからなー。
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推しがいる人なら誰もが恐れる。引退。異性であれば、結婚。私もガチ恋の推しがいる。推しは背骨。必要不可欠で、尊くて、愛らしい。ライブには行けない。理性を失い、席から飛んでしまうだろう。推しに迷惑はかけられない。
推しが推しじゃなくなるとき、私も私ではなくなる。騙すなら最後まで騙してほしい。嘘は嫌いだが、私が幸せになる嘘は好き。推しなんて出会わなければよかったのにね、
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私には推しがいないから、そうなんだ、と思いながら読んだ。
印象に残ったのは「推しは人間になった」みたいなフレーズ。推しが芸能人を引退した時に出てくる言葉だけど、推しって人間じゃなかったんだ。人間を推すという事、ちやほやして持て囃しているけれど、人間扱いしてはいないって事だよね……。
「推し」だってちゃんと生身の人間なのに、それを神のように崇めて自分の人生の拠り所にしてしまう、自分で自分の人生の責任や選択などを引き受けない状態にしている。のって不健全だし、主人公も推しが自分の行動で自分の人生を変えたことに気づきを得て終盤自分の人生を持ち直している。
この主人公って極端な例なんだろうか?それともよくある感じなんだろうか……。
でも、自尊心が極端に低い時、他のものや人に強烈に依存してしまう、という事があると思うので主人公もそうなのかな?依存せずには生きていけないようなメンタルだった、でも依存できなくなってしまった、から自分の人生を生きようと試みて終わる……(のかな)。
ちなみに、推しのパートナーが洗濯するであろう推しのTシャツ一枚に、自分が今まで死ぬ気で働いてお金をつぎ込んで集めたファングッズ達が負けた気がする、という記述があった。どんなにファンとして頑張って課金しても、それが一方通行でいい、と思っていても、無意識では報われたかったのかな。自分の行動の推しへの影響力の小ささを思い知って、それで目覚めたのかな……とか思った。
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良かった。純文学もいいもんだと思った。推しのファンがいないから共感できないが、考えさせられる小説。最後の主人公の感情はなんとなくわかる気がした。