紙の本
子育てにつかれる
2023/08/29 12:51
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
幾組もの母子が登場し、物語に関わってくるが、母と子の関係は、難しい。事件の被害者家族や加害者家族の精神的な支えとなる支援課の活動は、支援を表向き望まない人がいれば、難しくなる。特に社会との関りが少ない孤立してしまっている人は、自らを守るべく心の周りに壁を作ってしまうのだろう。最後に明らかにされる事件事実は、現代日本の一つの問題を、改めて突き付けているのだ。孫の生活を見ていても、子育てはやはり大変だ。
紙の本
最後の光
2024/01/27 07:24
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投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
統合支援課になって2作目ですね。柿谷晶が主人公になっていくのでしょうか。個性満載の女性ですね。まわりの人物が見事にフォローしていますね。やや重たいテーマが続くのでしょうね。いままでの主人公も今後沢山出してください。
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柿谷晶シリーズ。堂場さん、主役にクセがあって、のめり込みにくいのが難点。その周りの人達が良い感じのことが多くて、それで読み進められてる本も多いな。これもその一つ。
同棲相手が幼い子供を殺害した、という残念ながらよくある犯罪。被害者の母親をフォローする為に動き出したが、という。
読後感は悪くない。
後味の良い話ではないけど、こういうテーマだとスッキリ終わることは無いんだろうな、厳しいなと思いながら読了。キレイにまとめなかったのがかえって良かった。
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捜査係ではなくて支援課だから、謎解き要素が半端なのは否めない。タイミングよく終盤に重要な証言者が出てくるラッキーパンチ。先輩たちに比べてまだ存在感が薄い。がんばれ。
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気に入っているシリーズの新作である。入手して読み始めたが、頁を繰る手が停められなくなり、素早く読了した。
本作は警視庁の警察官が活躍するというシリーズであるが、発生した事件の捜査を行うという担当ではない警察官が活躍している。
作中では「犯罪被害者支援課」という、事件や事故の被害者、その周囲の家族等を支援する担当が設けられ、やがて支援範囲を被害者のみではなく加害者やその周囲の家族等へ拡げた「総合支援課」に改組される。それを踏まえ、当初は「犯罪被害者支援課」というシリーズが綴られていたが、やがて「総合支援課」というシリーズになった。
本作はその「総合支援課」というシリーズの第2作である。シリーズの主要視点人物となるのは、総合支援課に勤務する女性、柿谷晶である。シリーズの前日譚となる作品で捜査一課の捜査員として登場し、シリーズの前作から総合支援課に在る。こういう設定を承知していると、新しい作品で「遠くの知人の消息を知る」というような気分にもなるのだが、知らなくてもシリーズ各作品は愉しむことが叶う。実際、同じ作者の他シリーズに関して、設定を承知せずにシリーズの途中の作品を愉しみ、それが面白いので順次各作品を読むということもしたことが何度も在る。
本作の物語は、柿谷晶が少し若い同僚である秦香奈江と地下鉄で移動しながら、臨むことになった事案に想いを巡らせているという場面から起こる。
支援課が対応することになった事案は2歳の幼児が命を落としたという事件だった。23歳のシングルマザーのアパートに男性が住むようになって、男性が暴力的で、母子に暴力を振るうことも在ったらしい。そして2歳児が死亡し、男性が被疑者として逮捕された。女性は警察署で事情聴取ということになった。その事情聴取を行うことになっている警察署に柿谷と秦は向かっていたのであった。
2歳だった息子を喪った女性を支えるべく、身近な人達と接触を図ろうとする。母子家庭であったという女性の母親と接触を図るが、互いの関係が巧く行っていなかったようで、双方共に頑なに交流を拒んでいる。子どもの父親ということになる人物に関して、女性は明らかにしようとしない。
そうした中、女性が子どもを産む前に勤めていたという喫茶店の店主や仕事仲間等に話しを聴き、女性の事情を解き明かそうとする。そして事情が明らかになる中、接触を図ろうとした人物を巡って不審な事態が生じて行く。
2歳の息子を喪っている人を支えなければならないということで奔走する中、様々なことが明らかになって行くという展開で、最後迄眼が離せない。そして柿谷が接することになる事件関係者の生き様というようなモノが、何か考えさせられる。更に、同じ作者の他シリーズの作中人物への言及や、一部に共演する場面も在る。そして、柿谷と接点が在る神岡弁護士との挿話も入っていて、2人の関係の行方も気になる感だ。
残念ながらフィクションの中に留まらない、親が幼児の人生に幕を引いてしまうような事案は在る訳だが、本作の中で「親子関係」というようなことを少し考えさせられたという面も在った。「社会と事件」、「事件と人間」という具合な様子を見詰め、そん��中で弱っている人達が在るなら何とか手を差し伸べようという「総合支援課」の面々の活動を描くこのシリーズは興味深い。広く御薦めしたい。
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最近の作品は時代を反映してかハッキリスッキリしない展開が多くて主人公の成長とか成功が見えにくいので、読後ももやもやする。まあまだ自作もあると思うけど、精神状態の良好な時に読まんとあかんね。
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表紙の、主人公と夏海と思われる人影の距離感が作中そのままである。
子どもに振り回されて疲れてしまうことや、自分が親になって良かったのだろうかと思うことはあるが
子どもをいらない、自分が男といたいために邪魔だと思う気持ちは分からない。
それこそ育った環境が違うからなのだろうが
不幸の連鎖としか言えない哀しい運命。
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関係者の描写や心理状況が丁寧に描かれていて、それでいてミステリー要素もあったので面白かったです。支援課という設定も斬新。ただちょっと冗長的だったのが残念。
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警視庁総合支援課・柿谷晶を主人公にしたシリーズの第2弾。
幼い子の命が奪われた事件で、犯人として同居する男が逮捕される。
晶は、殺された子の母親夏海の支援に入るが、彼女は父親について口をつぐみ堅く心を閉じている。その彼女の支えとなる人物=子の父親を探すべく、晶は奔走する。
その過程で、懐かしき失踪課の明神愛美が捜索に加わる。愛美と晶との間で高城の話題が出、愛美は晶が呆れるほどにズケズケと上司=高城批判をする。
失踪課シリーズの読者には微笑ましく、高城のストップ役としての愛美の面目躍如といえる場面だろう。
一方、このシリーズでは、被害者家族たちの支援に前のめりになる直情径行的な晶のストップ役として、同僚の香奈江が絶妙な役割を果たしている。
「今の晶さん、爆弾ですよ。いや、地雷かな、踏んだらすぐ爆発しそうで」と、香奈江。見事なストップ役を果たしている。
関係者の間を訪ね歩く晶だが、遅々として事態は進展しない。読者のなかには、このあたり冗長すぎると辟易する者が出てくるかも(実際の事件捜査はこのようなものだろう)。
しかし、ひょんなことから事態は一変し、急転直下事件は意外な様相を呈してくる。
本書では、終わりのない答えの見いだせない支援業務に、晶が疲弊する様子が描かれている。
題名の『最後の光』は、ラストに。ひどい状況になった夏海に手を差し伸べる人がいることに、最後の光を見たと、述懐する晶。彼女が最後の光になれないことに悔しい思いをする。
次回作では、晶がどのように変わってゆくのだろう。楽しみに待つとしよう。
著者の小説の特徴の一つに食事の場面が度々登場する。本書でも、月島や王子の店が描かれる。そのなかでも、王子駅北口側のとんかつ屋が秀逸。実際にある店なら、是非とも食べに行ってみたくなる。
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(2023年11月22日から24日にかけて読破)
2歳の幼児が、家庭内で殺された。容疑者は、母・夏海の交際相手。夏海と娘は、交際相手から暴力を受けていたことがあり、新加入の支援員・柿谷晶は、支えになりやすい人物を探そうとするが、夏海は幼児の実父の話をしようとしない。幼児虐待をテーマにした今作の行方はー。
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2歳の子供が殺される、母親は自分が育った環境のせいにして自分の弱さを出している。ただし、一般的に多いのは子供より男をとった。少し心に残る支援課の柿谷は頑張るが、母親の夏海は心を開くこともなく終わる。なかなか人の心中は切り開いてもわからない。世間は難しい。
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シリーズ2作目。お馴染みの失踪課や村野も登場していいんだけど、1作目の感想にも書いたが、主人公が不快。何とかならないのかしら・・・
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犯罪被害者家族と加害者家族を支援する総合支援課のお話。
支援するのも大事だと思うが、やり過ぎ感を感じる。
人手がいくらあっても足りないのでは…なんて余計な考えが邪魔してしまった。
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今年の読み納めとしてはなかなか気の重いものだったけど全体としては読み応えのあるものだったように思う。
相変わらず晶は独善的かつ自虐的でなんか疲れる人だな〜と思ってしまうが、今作ではそういう点についても何となく自覚して反省しているような感じも見受けられるのでどのように成長していくのかみてみたいなと思う。
それとこれを書いている途中で気がついたけど、今作は晶以外にも香奈江や明神・鳩山、そして夏海親子などすごく女性の割合が多くそれぞれが個性を発揮していたと思う。
それでは皆様良いお年を〜〜☆
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犯罪被害者の支援を行うシリーズ。
主人公を変えての新シリーズでいまいちヒロインの性格が好きになれないのだけど。
刑事物は割と独断、孤独で視野狭窄になりがちな人にする方が物語が進むのでこれはこれでいいのかな、と思う。
姫川シリーズとは違う趣のヒロイン。
犯罪に巻き込まれた当事者であるけれど、被害者の姫川と。加害者の家族であるこちらのヒロインとではまた立場が違うし職務も違うので比べられないけど。作家も違うし。
話はまさかの大どんでん返し。
こうなるんじゃないかなって予感や予想もあったけれど。救いきれない人の人生を背負い続ける必要も無いんだよなぁ。
気持ちの問題というか生き方の価値観なんだとろうけど。線引きの難しい答えのない仕事を永遠のテーマにできるかどうか。
高城さんが出てきてキュンです。
私は大友鉄がとても好きなので名前が出るだけでテンション爆上がりです。