タイムリーに出版された伝記
2023/11/13 09:12
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハンガリーに生まれ、さまざまな壁にぶち当たりながら、研究者として大成し、ノーベル医学生理学賞を受賞したカタリン・カリコ氏。
その人生を増田ユリアさんが、子どもに分かる言葉でたどった伝記。小学校中学年には(研究内容はともかく)日本語としては十分理解できると思う。
現代に生きる女性の伝記は数少ないだけに、ぜひたくさんの子どもたちに読まれたい。
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どんな壁にぶつかっても、決して諦めず前だけを向いている姿勢に感動しました。
ご家族もずっとサポートして素晴らしいですね!
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今年は女性の伝記がたくさん出ました。
いままでなかったから、というのもあるけど、というわけで今年は伝記、買い!
です。
これまでは、日本に馴染みのない人の伝記は、売れないから、と作ってもらえなかったんだけど、そのあいだに日本はどんどん文化的な鎖国になってしまった。
世界的に有名な人を日本は知らない、んだよ。
そういうわけで、せめて学校が買わないと、やっぱり売れない、と、次の本を作ってもらえなくなるから、知らない人を買ってね!
これはコロナワクチンづくりに貢献した、ハンガリーの女性研究者伝記です。彼女がいなかったら、コロナパニックはまだ続いてたと思う。
でも、もうほんと、茨の道だよ。
プロの研究者たちが、認めない、嘲笑するなか、ずーっと研究してきてるのを読んでると、科学の世界はそれでもレベルが保たれていると思ってたけど違うんかい、と思ってしまう。
いずこもおなじ、だなぁ。
少なくとも、カタリン・カリコ
この名前くらいは知っておいて欲しいです。
2023/10/04 更新
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5年から。ハンガリー出身のカタリン。国、雇用、性別などの立場から苦難と、そして誰もがもつ研究者として立たされる問題も持ちながらも、40年の実りは人々の命を救うmRNAワクチンとなる。多くの苦境に立たされても、「自分のできることに集中し、他の人を気にしない」というセリエ博士の信念を貫いたカタリンの姿を描く。
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#カタリンカリコ
#増田ユリヤ
#mRNAワクチン
#ポプラ社
#児童書
#読了
文章がわかりやすい!大きなことを成し遂げる人はやはり大きな苦労や挫折を経験している。このような研究者の方々のおかげでこれまでに何億人の命が救われているのだろう。勉強や研究は尊い。それを私たちは忘れてはいけない。
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ひみつシリーズmRNAのひみつを読んでから、興味が出て手に取りました。
2020年2月に中国武漢市から起こったパンデミック
そのワクチン開発に貢献した生物学者がいた..
その名はカタリンカリコ。
彼女の生い立ちやmRNAの知識、彼女に関わりの深い科学者などを小学生にもわかるように書いてくれています。
カリコ氏の幼少期、住まいの写真からも、その暮らしぶりや性格まで伝わってくる気がします。
パンデミックが起こる前まではボート選手の娘の方が有名だったと嬉しそうに話す様子、どんなに環境が変わっても謙虚なカリコ氏に惹かれてしまいました。
カリコ氏のように謙虚でまっすぐに生きるコツ
「ハンス・セリエ先生の教えの通り。無駄なことに時間を費やさない。自分がやるべきことに集中する。シンプルだけど、ただそれだけよ。」
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新型コロナワクチン開発の立役者であるカタリン・カリコの伝記。
子供向けなので分かりやすく、もしかすると多少の美化はあるかもしれないが、彼女の高潔でひたむきな人柄がよく分かる一冊だった。
「他人を気にせず、自分のやるべきことに集中する。」
分かっていてもなかなか実践できないものだ。それができたら、生きやすくなることは分かっているけれど。
実践できる人とできない人の差がノーベル賞なのか?w
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○コロナワクチンは奇跡のワクチンではなく、日の当たらない研究に費やしてくれた年月の詰まったワクチンなのだ
○ワクチンについて、いろいろ言ってる人には是非とも読んで欲しい
●はじめに
恵まれた環境とはいえない中、どのように生まれソだったのか。ワクチンはどのように開発されたのか。彼女を支えてきた人たち、そして科学の面白さを見ていきたい
1:ハンガリーの豊かな自然に育まれたカタリン
好奇心旺盛な少女
家族の仕事、自然への親しみ、写真部
ピオネールキャンプめアルベルト・トート博士と出会う
自然科学コンテスト優勝決める
生殖・寿命・人工爆発をテーマにした論文
「生物界」県大会入賞
2:科学者との出会い:高校時代
ハンガリーは社会主義国だった
二人のハンガリー出身の科学者への手紙
…セント・ジュルジ・アルベルト博士
ビタミンCを発見
…ハンス・セリエ博士
精神的なストレスを定義した
←二人と文通できた
3:科学者となったカタリン:大学時代
英語が苦手
ハンガリー大平原の調査
ロックミュージックが好き
mRNA研究の始まり
魚脂の研究から
タンパク質とDNA
DNA に情報を届けるmRNA の役割
国の景気が後退し研究グループが解散する
←アメリカへ
4:mRNA 研究の長く険しい道 テンプル大学時代
ポスドクでの採用
東西冷戦時代
アメリカからの招聘で正式に家族で渡米する
家族も研究もゼロからのスタート
夫ベーラの支え
名門ジョン・ホプキンス大学からの誘い
→上司からの嫌がらせ、国外退去か大学に残るか
←大学を辞め、元上司のライバルの医科大学に駆け込む
5:mRNA 研究の長く険しい道 ペンシルベニア大学時代
研究助手、非正規雇用
女性かつ外国人への差別
『人の命がかかっている。とても大事なこと』を自分は研究している
心臓外科医パーナサン氏との出会い
…共同でmRNAを使い新しいタンパク質を作った
←新型コロナワクチン開発の肝となる最初の発見
カタリンの努力と小さな解決法のパッチワーク
→しかし、研究が理解されずチームが解体される
研修医ランガー氏との出会い
←最高の科学者は自分の理論がまちがっていることを立証しようとする。
カリコ先生は失敗を素直に受け入れ何度でもトライする
しかし、しばらくの間、研究者から協力を得ることは出来なかった
自称「最低のセールスウーマン」
ペンシルベニア大学での降格
…降格を受け入れ、研究に没頭する
…科学を患者さんに届けなければならない
ワイズマン博士(HIV の研究:免疫学者)との出会い
…コピー機の前で、お互いの研究について話合う
mRNA の弱点
…炎症反応←抑えることは出来るか
沢山の研究者がこの壁に挫折してきた
※RNA とは
mRNA (メッセンジャーRNA )
…情報コピー
tRNA (トランスファーRNA )
…アミノ酸を設計図に応じてリボソームに運ぶ
rRNA (リボソームRNA )
…アミノ酸が設計図に合っているか判断しタンパク質を合成する
←カタリンとワイズマン博士はtRNA の装飾をmRNA に施すことで、炎症反応を引き起こさないことを発見
科学雑誌に論文を発表
ビジネス助成金(中小企業技術移転プログラム)を得て会社を設立、研究を続ける
「シュードウリジン」
mRNA を細胞の中に取り入れ大量のタンパク質。作ることを可能に
←特許の出願にこぎ着ける…大学が渋っていた
しかし、大学は冷たく上級研究員から非常勤の准教授に
6:ドイツへ、そして新型インフルエンザコロナワクチン開発へ
ドイツ製薬会社「ビオンテック」ウグル・サヒン博士
…カタリンを副社長として迎える
同じ大学の日本人研究者・村松浩美博士も移籍
…実用化して一般の人へ
…インフルエンザのワクチン開発に着手
mRNA を脂の膜で覆い壊れやすさを克服
ワクチンは体の大小にかかわらず量は同じでいい
新型コロナウイルス感染症パンデミック
様々な研究が数年かかると言われていたコロナワクチンの開発を1年で実現
2020年12月
ワイズマン博士と一緒にペンシルベニア大学でワクチンを接種
←40年の研究が実を結ぶ
「注目されたからといって、私の何かが変わるわけではありません。パンデミックで有名になること、パンデミックがおこらずに無名のままでいること。どちらを選ぶかと聞かれたら、わたしは迷わず後者を選びます。私は基礎科学の研究者。mRNA のワクチン技術がほかの病気の予防や治療に役立つこと。それこそが私の願いです。命あるかぎり、研究を続けていきます」
●おわりに
著者がカタリン博士とご自宅で会って。
若い人へ
自分が好きなこと、やっていて楽しい仕事を選ぶこと
ほかの人が決めることではなく、自分が決めることを大切に
ノーベル賞のメダルよりも、ワクチンで助かった人たちがカタリン博士の顔をプリントしたTシャツで迎えてくれたことが、何よりの喜びだった。