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紙の本
新しい「ハヤカワ新書」は読みごたえあるぞ
2023/10/12 17:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
早川書房といえば、アガサ・クリスティーの作品など
ミステリーやSFまたノンフィクション作品の出版社として知られている。
その早川書房が2023年6月新しい新書レーベルを立ち上げたニュースには驚いた。
その名も「ハヤカワ新書」。
どうせミステリーやSF関係の関連新書かと思いきや、
創刊ラインナップをその想像を思いきり超える知的な著作を揃えた。
ちなみに巻末の「「ハヤカワ新書」創刊のことば」にこうある。
「切れ味鋭い執筆者が政治、経済、教育、医学、芸術、歴史をはじめとする
各分野の森羅万象を的確に捉え、生きた知識をより豊かにする読み物である」(早川浩)
この『原爆初動調査 隠された真実』(NHKスペシャル取材班)は、
そんな「ハヤカワ新書」の12作目として刊行されたものである。
広島・長崎で原爆投下した直後行われた「原爆初動調査」。
投下側であるアメリカ軍によって行われたその調査において、
残留放射線が計測されていたにも関わらず、
人体への危険性は無視できる程度と結論づけられる。
何故、そんな結論が出たのか、
これはその謎を解明すべくNHKスペシャル取材班が番組制作にあたって知りえた事実を
書籍化したものである。
(番組は2021年8月9日に放送された)
残留放射線は爆心地だけにあったわけではない。
爆心地から離れたところでも確認されながら、「残留放射線は皆無」とした軍や政治家たち。
この取材でその存在の事実を聞かされた関係者の
「人間を人間として見ていない」という言葉は、重い。
これからも「ハヤカワ新書」に期待したくなる、いい作品であった。
紙の本
取材陣の解せない思いが伝わる
2023/10/15 12:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKの広島・福岡放送局が2年を取材に費やし、1945年に広島長崎に投下された原爆の残留放射線について「初動調査」の真実に迫った番組「原爆初動調査」。その番組に加筆してまとめた一冊。初動調査に関わった研究者医師らが残した記録(プライベートドキュメント)や遺族インタビューなど通して、いかに残留放射線が過小評価され、人間に影響がなかったことにされてきたか。そしてそれがいかに国家の公式見解となり、いかに核保有国の核開発競争を家族させてきたか、を丁寧に伝えている。家族に被爆者がいたり、広島や長崎やアメリカで残留放射線による健康被害を受けた人々の声を聞いてきた取材陣の、科学や人道より政治が優先されてきたことへの解せない思いが伝わってくる。
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