紙の本
信用できて 選書もいいが コラムなければ よかったな
2024/01/06 22:47
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投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容・評価
本書は「2020(漢数字をアラビア数字に改めた)年10月~2023年7月に光文社新書note『新書こそが教養!』に連載した書評(筆者補足。現在は更新されていない)に、加筆修正を施した」(p.3)ものである。新書の対象は「2019年7月~2023年7月に刊行された約5000冊の新書」(同)である。
本文の特徴を筆者が1つ選ぶと、大半の書評に「本書で最も驚かされたのは」という型が入っていることである。その他の特徴は本書を買って読めばわかるので、挙げない。
まず試みにQ92(p.394-397)を検討してみる(筆者は法学部卒なので前提知識があるから)。「本書の著者・笠原十九司は、『戦争放棄』条項の真の提案者は当時の首相・幣原喜重郎であるという」(p.395-396)。笠原の著作は未確認も、芦部信喜.憲法.岩波書店.の第4章"平和主義"の内容と矛盾しないので、信用できる本と認定する。
筆者は本書の100冊のタイトルから40冊をメモした。新書ガイドとして有用というか、興味深い新書が取り上げられている。
ただ、「コラム『新書大賞』について」は要らなかった。新書大賞がアンフェアであろうと、1つの見解としてとらえ、興味のある本を選べばいいのは本書の活用と同じだからである。コラムにも取り上げられている、小島庸平.サラ金の歴史:消費者金融と日本社会.中央公論新社,2021,(中公新書)も興味深い内容であり、コラムに書いたような評価は該当しないと考える。
以上、内容はおそらく信用でき、興味深い本がある点で5点、コラムで1点減点して、4点とする。
紙の本
油井大三郎『避けられた戦争』、これ私も大推薦
2024/01/04 09:58
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
油井大三郎『避けられた戦争』(ちくま新書)、三上智恵『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書)、 俵義文『戦後教科書運動史』(平凡社新書)、角南圭祐『ヘイトスピーチと対抗報道』(集英社新書)、100冊の中ではこのあたりの本が私の推薦本
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<目次>
略
<内容>
なかなか充実した内容だった。100冊中読んでいた本は、13冊(1割ちょっとだ)。もともと光文社のwebの連載を書籍化したもの。読んでいて読みたくなったのは、著者の『自己分析論』。山口誠『客室乗務員の誕生』。著者の『ファン・ノイマンの哲学』。本村凌二『独裁の世界史』。大野裕之『ディズニーとチャップリン』。高水裕一『宇宙人と出会う前に読む本』。三島輝夫『和辻哲郎 建築と風土』。尾脇秀和『お白洲から見る江戸時代』。かな?
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個人的には何だか久しぶりに感じる新書の新書。しかも、最近気になっていた著者の手になるものときたら、読まない選択肢はない。直近4年くらいの新しい著作からのチョイス、ってのも素晴らしい。モノによっては、どうしても時間の経過による色褪せが避けられない作品が多いから、新鮮さが保たれているのは大きい。ただそうなると、必然的に読みたくなる作品もどんどん見つかる訳で…。結果的に、『是非読みたい!』と『気になるかも』を合わせると、半分以上になってしまった(苦笑)。さすがに列挙する訳にいかず、適宜本書を参照することに。新書大賞には批判的な考えが綴られているけど、そういうのをかなり参考にする自分としては、ちょっと耳が痛い感じ。それもあってか、本書の100冊のうち、既読のものはほんの数冊に過ぎなかった。ピックアップ作品が面白かったら、積極的に氏の推薦図書をチェックするようにしなきゃ。
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新書という容れ物が好きだ。
よってこの本を見つけた時、ほぼ中身を見ないで買ってしまった。読み進めるうち少し違和感を感じ始めた。
取り上げている本のジャンルに少し偏りが感じられたのと、新しい本が多いこと(新しい本が多い事は「はじめに」ふれられている)。
作者の専門が倫理学らしいので、科学哲学も含めて、その系統の本が多いのは仕方ないかもしれないが、もう少し歴史系や経済系、そして現代的課題に取り組んだものなどもあるのではないかと感じた。
最後に「新書大賞」に関する批判が載っているが、納得できる部分と、その批判は本書の取り上げている本にもそのまま当てはまる部分が少しあるとも感じた。
ともあれ本書で取り上げられている本は未読のものが多いので、まずは読んでからその是非は考えたい。
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「圧巻」と言われた本書は想像以上に「厚巻」で読むのに時間がかかってしまった.
必要以上にネタバレしないようにして本の魅力を伝えるというのは至難の業である.100冊も紹介されているので,ずいぶん幅広い分野をカバーしていることになる.これを読んで読みたくなった新書は複数冊あり,それらを全部読み終わるまでにはもっと時間がかかることであろう.
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《少なくとも本書が紹介する「新書100冊」には、そのような心配のある新書は一冊もないはずなので、安心して読み進めていただきたい》
と「はじめに」に書かれている。
だが、東大鈴木宣弘教授の[農業消滅]を紹介している箇所を読むと、米の自給率が10年で1/10になるという試算に疑問を呈していない。
ダメだこりゃ。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/501351477.html
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約5000冊の中から選び抜かれた100冊を紹介。ただし「新書大賞」とは選定結果が著しく異なるという状況に。この論争?は結構面白いので中公新書サイドからの反論に期待したいところだが難しいだろう。なら、他の作家から様々な意見が出てきても良さそうな気もするが、「賢者は黙して語らず」なのかもしれない。
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論理学者である著者が自身の人生で出会って意義深かった新書について紹介するエッセイのような本。
理系の学者らしく、ブルーバックスなどゴリゴリの科学系も入っていて面白い。
新書というとビジネスや社会学などの文系に偏りがちだと思うが、歴史や科学など幅広く紹介していて好感が持てる。
また、各本につき2ページ程度で紹介されているので、ちょっとの隙間に読むのに持ってこい。
もちろん2ページの内容で何かわかるはずはないので、面白そうと思った本を買って読むのが一番いいだろう。
著者が最後に記していたように、他社の本の紹介でも掲載する光文社の懐の深さには感銘を受ける。
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自画自賛の傾向もあるが選考基準は妥当(作者の本も面白そう)で科学、歴史、政治、哲学と幅広い。作者の感想のみならず過去の体験も綴られており読みやすい。
個人的には巻末の新書大賞に対する批判が痛快だった。
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新書が100冊紹介されており、1冊あたり4pほどの短文で紹介されている。興味がある本はより詳しく読もうとなるし、興味がない分野も4pとまとまった内容でざっくりと知ることが出来るので面白い。