紙の本
様々なフェミニズム論が分かる1冊です。
2023/11/09 21:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
当書はイギリス人著者の作を和訳した著書。社会に実際に問い掛けられているフェミニズム論にはどんな内容なものなのかが、当書1冊でたくさん知ることができます。そういう意味で、フェミニズム論の入門書と言える1冊です。
個人的には、あるフェミニズム論への反論が、そもそも男性優位の視点から見ているものに過ぎない、と著者がしっかりと論破している点がさすが、自分の考え方が間違っていた、ということに何度も気付かされ、反省しました。
紙の本
「女性」という軸では語り切れなくなっている?
2023/10/21 08:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半では、人種や民族のことが絡み、後半の方では、LGBTQ+なんかも出てきて、単に女性の権利、ということだけではいかなくなってきていることもあって、複雑な運動なんだということがわかったし、避妊のこととかでも、ひとつにまとまった活動でもないということがわかった。日本は遅れている、ということが言われているけど、問題・課題の内容自体や性質的なことは、かなり共通しているんだなと感じた
投稿元:
レビューを見る
まあまあ読みやすいしスッキリした結論が用意されてない読後感なのも学術書っぽくていいと思う
しかしフェミニズムは派閥が多くて難しいなぁ……
投稿元:
レビューを見る
いやあ面白い。フェミニズムとは何かを英米の歴史を元に解説する。
フェミニズムは一枚岩ではなく多面的構造をしている。切り口により目指すものも意図することも変わる。オシャレひとつにしろ、それは束縛なのか自由なのか意見は分かれる。
平等であるためには全員を同じ扱いにすればいいのか。同じでないから生まれる平等性もある。
何よりも女性が性の自律的な主体であり、決して誰かの快楽や利益のために利用される対象ではないのが大切。
そこにセクシャルマイノリティ、社会的地位、貧困、人種問題なども絡まし展開する論法に感銘を受ける。
投稿元:
レビューを見る
フェミニズムに関する諸問題について、歴史的変遷とフェミニストたちの運動について、平易な文章で説明されている。元々が海外の研究者の著書を翻訳したものであるせいか、問題意識の共有が少し難しく、なかなかこちらの頭に入ってこないところもあった。
投稿元:
レビューを見る
はじめての、と銘打っているわりにはわかりにくい。フェミニズムが相反する主張をしており、それぞれの言い分を取り上げるせいで、結局何がしたいのか話について行きづらい。例えば、化粧。男性優位社会に迎合するもので反対すべしという意見と、自分の好きな選択なのだから奨励すべしという意見があり、それぞれに理由があるように思う。
色々な切り口からフェミニズムの議論が紹介されるけど、いまひとつ消化しにくい。
投稿元:
レビューを見る
(西欧)フェミニズムも200年の歴史がある。
その間にフェミニズムは、「フェミニズムズ」となった。
あるフェミニストのある主張が、他の立場のフェミニストには受け入れがたいものになる。
現代のフェミニズムが「インターセクショナリティ」(交差性)を無視できなくなっているからだ。
そうして、そのフェミニスト同士の軋みが、反フェミニズムの動きを利することになってしまったりする。
それから、フェミニズムはファッションアイテムのように、消費されるアイコンになってしまったりもしている。
本書は、こうした複雑な現代フェミニズムの状況を、「支配」「権利」「仕事」「女らしさ」「セックス」「文化」の各局面から見ていく。
例えば、代理母の問題。
女性が自分の身体を自由に使う権利はある、という主張がある一方で、グローバリズムの中の経済格差の中でそうした選択を選んだ(選ばざるを得なかった)女性の身体が、第三者に管理されていく状況を認めていいのかという視点も無視できない。
本当に、一筋縄にいかない問題だらけ。
その意味で、「はじめての」と銘打たれている割には、かなり歯ごたえがある気がする。
複雑な議論に、読者としては引きずり回される気分にさえなってくるが、見失っていけない土台は一つ。
女性は男性と同じく尊厳のある人間であること。
言い換えれば、女性が女性であることを理由に暴力にさらされることを容認してはいけないということ、だと読みとったが、どうなんだろうか。