ドッペルゲンガー
2023/10/01 17:29
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホラ-絡みで語られることが多いドッペルゲンガーを成長記録の中にたくまずに入り込ませている技法がとても優れている。テーマから想定される、おどろおどろしい語り口ではなく、平易で日常会話的な語り口なのでとても読みやすい。
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ご自身の病気経験があっての 今 西加奈子さんが 声を大にして 言いたい事を小説にしたって感じでしょうか
「女だから」「男だから」と言うのは 死語に近くなって来ましたし 特に最近は「ダイバーシティ」「ノーマライゼーション」「トランスジェンダー」等の新しい言葉も出て来て その言葉に もう差別的な事は無いと世間は安心している?
でも 中々人は変わらない。女は男はこうあるべき と思っている人が まだまだいるような気がします。
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女性の「わたし」が抱える様々な生きづらさを描いた短編集。
ご自身の乳癌の体験から書かれたのかなと思う作品や、VIO脱毛、性交などなど、なかなか書きづらそうなテーマがリアルに表現されていた。(とっても西さんらしい!)
共感できるものばかりではなかったけど、その人らしさを持ち続けることは大事だなぁと思った。
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crazy in loveだけどこかで読んだことあったけど他は全部初。乳癌と闘った、闘ってる西さんだから書ける短編しかなくて読み応えたっぷりで個人的には大満足です。
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短編8作
今作は装画に手が震え、内容に心が冷たくなる
怒りと苦しみ、悲しみやさまざまな感情が怒涛の炸裂パワーで、どの作品も大阪弁に脳内変換されていたが、今回は変換されなかったほどだ
全ては受け止められずだいぶこぼれてしまったけど、残ったものは大事に取っとく
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8つの短編集。
今の日本で女として生きることの生きづらさが描かれている。
こういう生きづらさあるよなーと思うこともれば、自分の中ではまだアップデートされていない価値観もあり、すべてが「そうだよね!」とはならなかった。
でも、それは、この短編集で描かれている問題が、まだ解決を見ない問題だからなのか、とも思った。
西加奈子さんの小説ではいつも最後に「希望」のようなものを感じる。その「希望」は小さいながらもこの短編集にも感じた。
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難しい文章や表現では無いのだけど、何故か難解。女性にはスッと入ってくるんだろうか。って感想もNGな意志を感じる作品。苦手だったかな。
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乳がんの話、性の話が多いなと思う。
私は30代だけど、あまり共感できなかった。
著者と同じ40代くらいの女性だと共感するんだろうか?
「あなたの中から」だけ、すばるで読んだことがあった。
↓「すばる」の感想から引用。
乳がんになる女性の話。最初の方は、男尊女卑の家庭で生まれた主人公の女性の生い立ちが、「82年生まれ、キム・ジヨン」みたいだなと思った。
抗がん剤治療が死にたくなるほどつらいことがわかった…。私ががんになったら、抗がん剤治療耐えられるかな…と思ってしまった。
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本日発売の「わたしに会いたい」。
今回は、発売日にゲット、読了できた!
西さんが好きすぎて期待値が高すぎた(大好きだけど、文芸誌までは追えてなかったので全て初見)&ジェンダー、性に関する現実を目を背けたくなるほど突き付けられ心が苦しくなってしまった自分の問題が背景にあり、星は控えめに3つ。
もちろん日本で女性として生きづらさを感じることはよくよくあるし、ジェンダー学を専攻してみたい、と過去に思ったこともあるけど、今は個人的に、女性学っていうのは男性との分断を引き起そうとしているもののように思えてならない。
そのままでいいわけはない、誰かが現実を訴えかける必要はあるのかもしれない。
だけど、丸々一冊"女性としての生きづらさ!"が詰め込まれていて、ちょっとくるしくなってしまった。なんというか、当たり前だけど、そしてそういう問題ではないと分かってはいるのだけど、「みんながみんなそうじゃないよな」と思わずにはいられなくなってしまった…。
女性の苦しみを描くにあたって、男性を置いてけぼりにしてしまっている感があったのかな。
8つも物語が入っているのだから、マジメにフマジメなものももう少し期待したかったけど、短編集としてはテーマが統一されていて良いのかもしれない。
一番お気に入りは、表題作「わたしに会いたい」。じわっとあったかくなったし、最近まで世界地図に凝っていたので、世界地図の絨毯がめちゃくちゃほしくなった。
P.55
「あなた」が苦しんでいるとき、私も苦しんでいた。薬は確実に、私の息の根を止めようとした。私は、生きるために分裂した。もう一つの胸へ、そしてリンパ節へ。
ちょうどその頃、世界中に、未知のウィルスが蔓延していた。彼らは「あなた」たちに攻撃されるたびに姿を変え、形を変えて生き残り続けた。私は彼らにシンパシーを感じた。彼らも私も、決して「あなた」たちを攻撃するつもりなどなかった。「あなた」たちと同じように、気がついたら存在していて、存在したからには、生きたいのだった。そして生きているだけで、どうしようもなく「あなた」たちを傷つけてしまうのだった。
P.117
露は、乳首を小瓶から取り出し、それぞれ窓辺でじっくり乾燥させた。(略)二つの乳首は縮んで、チョコレート色になった。ピストルにこめられるのを待っている弾丸のように見えたし、立派な果物を実らせる何かの種のようにも見えた。それを樹脂で固めて、フックをつけた。露は自分の乳首で、ピアスを作ったのだった。
P.170
ママはその時のことを、エッセイ集として出版している。『惨敗育児』というその本は、シングルマザーとして子供を育てることの「悲喜こもごも」を「ユーモラス」に書いていて、当時はバラエティ番組で活躍していたタレント(のちに薬物所持で捕まった)から、「やっぱり日本の母ちゃんは強い!!」という推薦コメントをもらった。
※ここは妙にリアルで面白く、なぜか印象に残った。
P.217
初めて言われた「チェンジ」が、こんなに自分を傷つけるなんて、思いもしなかった。傷ついている自分が嫌だったし、私を傷つけたあのマスクの男にもムカついた。
「チェンジ。」
それだけではなかった。私たちに、「みんな結構歳だから、これからは人妻で売ろう」と言ってきたデリヘルのオーナーにもムカつくし、「派遣だから身の程をわきまえろよ」って感じを隠さないアパレル店の店長にもムカつくし、「金なくなっても体売れるから女っていいよな」って言いやがったいつかの客にもムカつくし、「風俗業に従事するかわいそうな女性たちを救いたい」って上から目線の慈善家にもムカつくし、クソ偉そうだったくせに仕事がなくなったらあっさり鬱になった父親にもムカつくし、そんな父親に未だにビクビクしている母親にもムカつくし、サラリーマンでぎゅうぎゅうの満員電車は許すくせに水商売を目の敵にして営業停止に追い込む政治家にもムカつくし、その政治家をネチネチ批判してるだけで何もしない知識人って奴らにもムカつくし、ああもう、そいつら全部がいる、全部全部いる、あの世界にムカつく。
情熱的で、文章が汗をかいているような、でも最後にはっきり希望が持てるような西さんの長編が読みたいな~~~!
今回この本を読んで感じたことは、P.158"私は女性たちに、その理想通りであって欲しいのだ"という思いを西さんに対して少し感じてしまったのかもしれない、などと思った。
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短編集。
『ママと戦う』が印象的だった。ママVS娘なのか、ママ&娘VS誰かなのか不明なタイトルからは想像つかない話の展開。
女を売って生きてきた女が、今更女の権利を主張するなと叩かれたり、14歳の女子がタンポンを買うことに難癖つけてくる変態がいるこの世の中、くだらな。
でもそんな中でママと娘は一生懸命生きてきたんだ、と最後はそう思える。
乳がんで両乳房を失ったグラビアアイドルの話(『露(あらわ)』)も面白かった。
グラビアの頃は見られたがっていた乳首が、乳房が無くなった途端に存在を否定される。皮肉なものだと思う。
身体の美しさって誰かが決める訳では無いのに、いつの間にか影響されて自分の身体は美しくない、愛せないと思ってしまう。それは辛いし、楽しくない。やっぱり自分と自分の身体を好きでいられる方が人生楽しい。
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(2024/7/16読了)
なんとも言えない。読者中は気分が悪く、読後もイヤな気持ちが残る。
でもギブアップしなかった、読むことをやめられなかったので、星はふたつにした。
読むことをやめられなかったのは、かつて好きだった西加奈子さんを感じたからだと思う。
あんなに好きだったのに。
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「わたしに会いたい」無料試し読みしました。周りが思う、一般論としての人としての幸せではくても、人は幸せになれるし人に感動を与えられる。
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ところどころ共感できる部分はあるのだけれど、全体的にイマイチだった。
くもをさがすはよかったんだけどなぁ。
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世間的に身体のこと、特に女性の身体の事に触れるのはタブーとされる風潮がある。
もちろん大勢の前で身体の事や性的事を話したいとは思わないし、恥ずかしいし、誰かに大声でお前の○○は○○だ〜みたいな事を言われたら不快だ。
けど、その延長線上なのかは分からないけど、体調が女性的な事でしんどいと言う事も隠し通さなければいけない、触れてはいけない。そんな風になってる事も多々ある。
けど、西さんが書くこの短編集にはそんな風潮をカラリと爽やかな風で吹き飛ばすような力に満ちている。
おっぱいだ、乳首だ、おならだ何だと話の中で沢山出てきても、そこにいやらしさなんて物は全くなく、むしろ生きている!これが自分の身体と共に生きていると言う事なんだ!!と、強く感じる。
生命力とパワーに溢れた1冊だった。
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私もわたしに会いにいかなきゃと思った。
西さんありがとう!
ママと戦うが1番好き。
逞しくわたしで生きないとすぐ何かに縛られる。センター試験の日が狙いという日本の闇、最低。日本は安全じゃない。恥ずかしい。