紙の本
同じ働き方に甘んじていれば、確かに明日はない。
2020/09/05 22:03
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
「君たちに明日はない」という、なんか悲壮なタイトルで、物語は、リストラ代行会社の「仕事ぶり」を描く。が、他の作品にて遠くブラジルやコロンビアをその舞台に物語を描こうとも、必ず今の日本への辛らつな批判...と最後に希望を描く垣根ワールドは、この物語でも健在。その切り込み方が、さらに深く面白い。シリーズ1の本書では、登場人物(=リストラされる人々)の”会社へのいわれなき期待”とか”しがみつきぶり”がリアルで悲惨。この様子って今もそうなんだろうか?そうなのかも?と思うと、働き方&働かせ方の変化が緩慢であるなぁとも思った。本書が出たのは2007年。
紙の本
社会人に読んで欲しい一冊
2016/02/06 13:55
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投稿者:おさる - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会人にとって会社における自分の価値を見直すための
一冊です。
人生の幸せは仕事だけでないけれど、
仕事をなくしても生きていく術がない社会人にとって、
日々の仕事を考えるきっかけになります。
リストラ請負人の切れ味鋭いつっこみは、
自身の心へぐさり突き刺さります。
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会社のリストラ計画にあわせて退職者の選別、説得を行うユニークな専門会社を描いた話。続編として『借金の王子』という単行本も出ています。アジアや南米、あるいは都内の非合法組織を舞台にした話からすると、ずいぶんと身近な世界の話で、リストラのために会社から切り捨てられる基準とは何か、ということは逆に言えば切り捨てられない基準とは何かを考えさせてくれる、面白い視点だとは思う。短編集なのでリストラ計画は複数の多彩な業種にわたり、切り捨てる視点、切り捨てられる視点、あるいは切り捨てられてもそれに負けない強い視点、働いている身としては面白い。ただ友達に勧めるには二の足を踏むのは、あまりに稚拙な性描写のあたり……『ヒートアイランド』とかなら暴力性の描写かとそれほど唐突感を覚えなかったくだりが、この本で読むと興冷め。この描写読んで喜ぶ人がいるとは思えない。こんな萎える文章入れる必然性もこの物語にはないはずで、削るか練習するか、どっちかにしてほしい。
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垣根さんの描く主人公は隙がない。垣根さんが目指す男性像でもあるのだろうか。頭がいい。つねに見下ろしている感じがする。リストラ請負人であるこの物語の主人公・村上真介もそうだ。だが、頭のいい人間でも迷いもするし、悩みもするし、やさしさもある。リストラという現代のネタを扱いながら、暗くならないのは端々にみせる主人公の人間味が要因だ。人も死ななければ、ハッピーエンドでもない。でも読後感は悪くない。新たなジャンルの一冊だ、と思う。(た)
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リストラを請け負う会社に勤めるリストラ担当官の男の話。展開も速くさくさく読めます。終わり方がちょっと微妙だったけど・・・主人公とリストラ対象者たちとのやりとりがおもしろいです。
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リストラを請け負う会社に勤める男の話。続編が出ていたので読んでみました。
会社への貢献度、会社での将来性の無さを理詰めで追い込んでいく姿は鮮やかです。
もちろんコーヒーをぶっ掛けられたりすることも。まあ、こんな仕事にやりがいを持てるのか疑問ですが...
なかなか面白かった。
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主人公・村上真介の仕事に対する姿勢や女性への考え方、思いっきり同意できる。魅力的なキャラクター、面白かった!
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リストラ請負人・・そんな仕事って本当にあるのだろうか。
何だかリアリティありすぎ。
非常に面白い小説なのだが、これを平気で読める人は順風満帆なサラリーマンなのだろう。
オレのような「おちゃらけサラリーマン」には反面ぞっとする内容だ・・。
様々な企業の様々なリストラを主人公は引き受けていく。
ある銀行のケースでは、対象者の中に高校の同級生がいるのだ。
相手の立場に立った視点で考えると、こりゃあツラいもんがあるだろうなあ。
そういえば、高校時代の同級生の一人が「転職コンサルタント」の仕事をしている。
彼の会社がうちの会社と契約したら、まさにこの話同様じゃん(笑)
一部、過激な性描写があったが、あれは要らんなー。
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リストラ請負会社員の話。いろんな社員と面接しつつ、恋人ゲッツしたり、首切られた社員の行く末を案じたり、で特にどういうこともなく淡々と。変わったところと言えば、主人公が熟女好みっちゅーところでしょうか。なんつーか、金曜ドラマっぽいな…金妻の2とか3とか…。シリーズ物みたいですよ。
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来年社会人になることを意識してか、自分でも思うくらいサラリーマン小説最近よく読んでる。今回はリストラ請け負い会社の社員が主人公。設定からうまいなぁって思う。本当にそんな会社があるのかどうかはわからないけど、とにかく物語引き込まれる。それに、リストラというシリアスな問題を扱ってるのにも関わらず、話は重くなってない。主人公真介の彼女もリストラの危機に遭ったけど、最後には素敵な未来が待ってる。リストラが必ずしも不幸な未来を導く訳ではないところに心温まる。
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人は解雇を薦められた時にどう感じ、どういう行動に出るのかが実に思い描きやすく書かれている。
内部の人間でないものがクビを切る役を担う時代。主人公の真介は容姿も良く頭脳もキレると非常に魅力的に設定されており、活躍ぶりも見事といわざるおえない。こういう人間が世の中にごまんといるのかと考えると自分もまだまだだなとがんばる力をもらった気がする。
「小説は人間を魅力的に描くことに意義がある」という作者の主張に納得する本だった。
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リストラ請負人の主人公、そして、リストラされる側の人たち、双方の視点で描かれていく小説。話のテンポがよくすぐ読み終えた。
日本企業は現状の法律では正当な理由がない限りは解雇できない。解雇するには、このように外部委託する必要があるらしい。これから日本経済の規模が縮小していく中で、このようなリストラ請負会社が増えてくるかもしれない。さるりーまんのひとりして全くひとごとではなく、ある意味おそろしい小説じゃけど読む価値あり。
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12.16読了。読みやすい面白い。垣根涼介の本は始めて読むが、他の本も読んでみたいとの欲求に駆られる。
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仕事、組織、恋。大人のエンターテインメント。一気に読んで、楽しかった〜! って思える小説。それにしても、突然首を切られたら、当然、誰だって困る。大切な働き口。それをあっさりと切ってしまったわたし…やっぱり考えられないほど無謀だしもったいないしアホだよな、という思いも。少なくとも、普通ではない。
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リストラを請け負う会社に勤める真介。その対象となる人たちと真介の両方の視点から、人生の転機を描き出している。
File3の旧友が秀逸。
銀行でバリバリやっていたが、合併によって窓際に追いやられリストラの対象になってしまった真介の旧友が、新たな仕事に挑戦する勇気とそれを応援する二人の旧友と妻。全員かっこいい。