紙の本
エッセイ
2001/09/12 21:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:げっぷ5号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
難解で有名な大江健三郎氏には珍しい読みやすい文章。しかし、中身は大江健三郎文学にも通じるもので充分楽しめ、大江氏の意外な一面が見られてためになります。ぜひ、読んでみてください
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自分は未来がこのように希望のないものになると信じているのではなく、現在の我々が全体主義に抵抗する運動を起こさなければ未来が真っ暗なものになるはずだと警告しているのだと。
自分はペシミストの決定論者ではないのだと。
シニシズムに対するオルタナティブとしてブイレクが考えたのはOrganizaized innocenseとしての心の状態だった。
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雑誌『図書』に連載された著者のエッセイをまとめた本です。
あつかわれている主題はさまざまですが、障がいをもつ息子の光との関係や、彼の音楽活動をめぐる文章が、やや多いように感じられます。心理療法家である河合隼雄について述べた文章でも、河合のことばから著者と息子との関係へと連想が動き出し、河合の「コンステレーション」ということばが、著者とその家族のありかたについて著者自身が考えをおよぼす契機となって、著者のなかで河合の方法論があたらしく息づきはじめたことが述べられています。
著者自身の作品について語った文章では、「雨の木」(レイン・ツリー)をめぐる著者の考えの変遷がうかがえるものが含まれており、興味深く読みました。そのほか、著者の師である渡辺一夫や、ハーバート・ノーマン、ナジタ・テツオ、原広司といった人びととの交流についても語られています。
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雑誌『図書』に掲載されていたエッセイを集めたもの。息子光さんについてや、海外作家との交流について。「というかたちで……」「けれども……」と〈……〉を使用して、はせていく感じが大江さんらしさだと思う……。渡辺一夫氏から影響を受けた読書術とその読書によって作品が生み出された経緯がおもしろい。「痛みを思い出す」が印象に残った。