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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
瀬戸内海を望める広島は尾道。愛はあるが不安定な両親と、裕福で優しいが昔気質の伯父夫婦との間でジレンマを抱える小五の真記。弟に向けられる両親の愛情や、裕福な友人との選択肢の差―――より良い道を進むべく比較しては苦しみながらも、その度に最適を模索する、激動の時代を力強く生き抜く姿を描いた物語。
どのタイミングで軌道修正したかで人生が大きく変わる事が窺える作品。言及されていた部分以外にも分岐点はいくつもあって、「潔さ」と「後悔先に立たず」を真記が身をもって示してくれたように感じた。
親ガチャ、時代ガチャ、土地ガチャ―――どうにもならない事柄を除いても、分岐点で選択肢を増やす為の「努力」を怠らない事が、いずれ次のガチャで当たりをひくコツなのかも。
知らない時代を身近に感じられ面白かった。
紙の本
思ったより骨太だった
2024/03/31 14:00
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の感じからして、ライトな話かと思ったら、そんなことなかった。
けっこうヘビーで、骨太な話だった。
塞翁が馬ってこと?
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先を見据え、やるべき事はやる。 目標達成の為には手段を選ばず、やり遂げる。大きな壁にぶち当たっても、めげずに、プランBを遂行する。
こんなタフな生き方を、子供の女の子が教えてくれるなんて。
時代は変わった と、言いたかったけど、時代背景からして、二度びっくり!
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人生は山あり谷あり。
小説ほど波瀾万丈でなくとも、
誰にでも明けも暮れもある。
そこをどう乗り切るかは、
結局、その人の人柄しかない。
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1971年頃広島で育った真紀、英語の勉強を頑張る。金のない親やバブル前後の時代に流されながらも自分の人生は自分で決められるのか?
好みだ。今年ベスト。真紀の内面がいい。ストーリーもいい。出会う人もいい。困難があってもそれもいい。こういう小説をあと百冊は読みたい。
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瀬戸内がすぐそばに見える風光明媚な広島・尾道に育った真記の中学から33歳までの20年のこと。
ただ20年と言えど、とても努力し何事にも一生懸命で、両親の特に父の言葉を忘れることなくすべてにおいて真面目である…と思った。
けっして愛情がないわけではない両親。
特に父は「誰にとっても、一度きりの人生じゃ。男も女もない。自分の気がすむように、思いっきりやってみい」と餞別がわりのことばで東京へ行くことを許す。
東京に出てきて、大学も卒業したかったであろうが、実家の倒産で学費がままならぬことで両親を恨むこともせずに退学し、看護学校に進むという道を選ぶ。
この判断と潔さに何も言えないほど…
どれだけ強いんだ…と思わずにはいられない。
この時代がわかるだけに感慨深いものもあった。
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バブル世代の女性の話。でも、全然華やかじゃない。苦労苦労の連続。
親ガチャだと思うけど、それを小学生の頃から冷静に受け止め、真面目に努力して行動する姿は素晴らしい。けど、なんだか心に響かなかった。
話が進んで面白くなってきたかと思うと、途中で思い出話のように過去に戻ったりと、すんなり話が進まない。読解力のない私は「あれ?」ってなってしまう。
ちょっと期待しすぎたかな。
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おすすめいただいて読んだ
次はどんな展開また何かあるのかと読み進めたけれど最後が真記らしくないなーと…
まぁそれもありか
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昭和から平成にかけての時代がリアルにわかるだけに、うなずいたり、「え?」と思ったり。
英語の勉強をがんばってモノにしたり、生活のためにアルバイトしたりとか、
こういう努力の人というのが私を含めて周りにもいないなと思ったり(いたのに気づかなかっただけかも)。
お父さんのセリフ
「ええか、大人には大人の事情がある。多少は気になるじゃろうが、こどもは知らん顔をして、よくあそび、よく学べばいい。そして、世のなかに放りだされても生きのびていけるだけの力を、どうにかして身につけるんじゃ。それは男も女もかわらん。ぜったいに、あきらめるな」
は痛い。手に職の強さよ。
そしてその言葉通り、真記はあらめない。
読みながら何度も、この物語は本当に昭和の終わりから平成にかけてのできごとなのか? と思った。同時代を生きていたはずなのに、きらびやかな生活を送っていたわけでもない私にはまったくの実感も共感もない。それほどまでに浮世離れしていたのであろう、この時代の自分を思う。それが悪いとは決して思わないけれど。
この著者は『おれのおばさん』を読んだのに、記録していなかった。
p284
父とは性別も顔立ちもちがうが、中川さんは掛け値なしのことばで語っているのが真記にはわかった。とりつくろわず、本当にそうおもっていることを口にだす。だから、自分が語ったことばが、相手よりも自分に突き刺さり、その痛みを糧にして。さらに先に進んでいけるのだ。
p342
「そこそこのモチベーションでもはたらけるひとは、大きなミスはしない。でも、強烈なモチベ―ションによってはたらいてきた
ひとは、モチベーションが下がったときに、とんでもないミスをしかねないのよね」