紙の本
バイター
2024/02/24 17:08
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゾンビものは、下手するととんでもなく茶番になってしまうが、この作品はその心配はなかった。ゾンビとの戦いは、壮絶だった。ラストも想像外。これがラストなんて、日本終わっちゃうよ、という感じ。
あまりに性急過ぎて、原因も治療法も分からず、後手後手に回る政府。ウイルス感染のスピード、その後のおぞましさ、親心とはいえ公私混同の総理大臣。そして、ラスト。ラストには賛否あるだろうが、私は、すごいラストだなぁ、これで終わるの、すごいなぁ、と思った。
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設定はまぁまぁしっかりしてるし、いろいろとツッコミどころはあるけど、映像関係も含めてゾンビものという括りの中では良かったと思う。
思い返せば、登場人物のほとんどが死んでるね。
そしてどんでん返しはなく首相はクソのままだったね。
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ある島で大量発生した謎の病気患者。
マラリアに似たその症状が出ると昏睡状態に陥り、手を尽くすことができずに死亡。その後なぜか蘇生し、心肺停止状態になり、人を噛む。
通称「バイター」がパンデミック状態になって大量発生した島。
そこに取り残されているであろう、現総理大臣の娘。
彼女を救出すべく、秘密裏で立ち上げられた自衛隊と警察から編成された7名の精鋭チーム「ブラッド・セブン」が総理大臣の娘を救出すべく、バイターがはびこる島に潜入する。
ゾンビものを映像で見るのが大好きな私は、正直、ゾンビ!?マジか!?読む!
くらいの気持ちで読みました。
次から次へと読み進めたくなるような作品で、正直、読み終えるのはあっという間でした。
映画を一本丸々見ているような感覚で、頭に映像が浮かぶそんな作品です。
正直、細かいことはよくわからないし、なんとなく勢いで押し切っている感もあるのですが、それすらも心地良いなと思えました。
ゾンビものの王道というか、外せない、パンデミックが起きて自分の家族や大切な人がゾンビになった時に本当にそのゾンビを殺せるのか。
殺さなければ自分や他人が巻き込まれることはわかっているのに。
これがところどころ出てくる作品です。
本作品のテーマかもしれないと思うくらいに。
ゾンビもいない安全な物語の外側から見ている読み手の私は、想像をふくらませるしかないのですが、私はきっと自分の家族がゾンビ化した時、殺せず、ゾンビになった大事な家族にやられてしまうタイプだと思っています。
そして、ゾンビものの特有というか、ゾンビに立ち向う人たちのその場の切り抜けシーンを読むハラハラ感や、ゾンビという脅威よりも実はそういう世界で生き抜く人間が狂気だったりもするなど私の知る限りのゾンビものを外していないと思われる本作品はエンターテインメントとして楽しい読書ができる作品だなと思いました。
グロさもそこそこくらいなので、ホラーやグロすぎるのは無理という方でも読みやすい作品だと思います。