著者の人間性&医師根性が伝わる1冊です。
2024/01/21 16:58
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
国内外で活躍する感染症を得意とする医師の著者が、ご自身のこれまでの経歴を振り返り、書籍化した1冊です。
アフリカで感染症対策に奮闘した話、ご自身の人生を大学時代から振り返る、国内で最近のコロナ対策班として奮闘した話、と大きくこの三分構成に仕上がっています。コロナ禍の際に著者がよくテレビなどで取り上げられたため、ご存じの方々が多いと思います。
当書を読んで、著者の人間性(人間臭さ)と、感染症を専門とする著者のプロ医師根性が伝わってきました。一般的な真面目一辺倒の医師ではなく、それでいていざお仕事に対しては医師として適切な対応を徹底する。著者は文字通り、現場の医師に相応しい人物、そう感じました。
件のコロナ禍の際、全国から国に召集された医師たちがどういう話し合いをしてきたかを知りたい方々には、当書は必読です。
一気に読みました。
2024/07/16 11:41
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
へぇー こんなお仕事もあるのかと楽しく読みました。
専門知識だけでなく、現地の状況に応じた対応やほかの専門家と協力するには、コミュニケーション能力が重要なことは、どんな仕事でも同じですね。
新型コロナ対策の章は、引き込まれて読みました。
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感染症専門家の日常と活動を描いたノンフィクション。
アフリカでのエボラとの闘い、アメリカでの研究活動、日本での新型コロナ対策について。
国際医療支援の現場やコロナ禍のクラスター対策班としてのご経験が綴られています。
異国にて医療物資も知識も足りていない状況下、文化的背景の異なる外国人が支援スタッフとしてやって来て、どんなふうに現地の人と信頼関係を築き共に感染症に立ち向かって行くのかー。
日本とは全く異なるスタートからの支援で、道のりは想像以上にハード。それは精神的にも肉体的にも。
信仰や慣習が感染拡大の一要因となっていたり、必要な物資を届けるためにはインフラ整備が必要だとか、字を読めない人からの聞き取りや感染対策をどう伝えていくかなど課題はたくさん。
自国とは異なるアプローチが必要で、現地入りした支援チームの一筋ならではいかない苦労が窺える。
感染症対策には感染症学、疫学、ウイルス学、公衆衛生学、文化人類学、宗教学…と、多角的な視点から専門家たちが意見交換をし、検討する必要があるということ。
「差別」による過酷な現実。
本書を読んで、そんな実情を知りました。
国内外に関わらず感染拡大収束に向けて尽力しながらも、手の及ばない部分には忸怩たる思いを個々に抱えていらっしゃったんだろうなと感じました。
国際医療支援の現場やコロナ禍の日本で、私たちの目の届かないところでどんなふうに専門家の方々が奮闘されていたかを知れて良かったです。
ただ、それぞれについてもっと深く掘り下げて知りたかったなぁとも思います。
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地元の医者は逃げ、インフラは停まり、遺体が道に転がる中、僕はアフリカに派遣された――ひ弱な感染症専門家のアウトブレイク奮闘記
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笑って、しんみりして、考えさせられて、元気をもらった。
コロナの話はこれ以上書くと色々まだまだ問題になるんだろうなぁ。
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読みやすいしおもしろい
スラスラと読めるブログみたいな構成でパンデミックが起きた時のウイルス学者としてやってきた対応が書かれてあり勉強にもなる
コロナ禍での出来事にあーそんなのあったあったと頷きながら読んでいた
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日本の感染症対策がいかに遅れているかということを現場にかかわった専門家の目線で告発したものだが、これまでの報道などで漏れ伝わっていた内容から想像される内容を超えておらず、そこまでヤバいのだろうかという印象を持ってしまう。すでに麻痺してしまった茹でカエル状態か。
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エボラウィルス病のパンデミックの際にWHOとしてアフリカに派遣された著者。字面だけだと医者として日々運ばれてくる患者に接し奮闘する姿を思い描くが、その仕事の殆どは現地スタッフや部族の上役との交渉であったというのがリアルで良かった。下支えの仕事をしていた経験がある身としては救われる気分になった。
そしてその後におこるコロナのパンデミック。クラスター対策チームが立ち上がる前に「ちょっと来て」と招集されてから5ヶ月間霞ヶ関から出れなかったという当時の混乱の様子が赤裸々に語られており、改めて医療関係者の方には尊敬と感謝しかないと思った。
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面白かった。
ミュージシャンを経てウィルス学の研究をしていた古瀬はある日、WHOの職員としてアフリカで「エボラ感染予防のコンサル」に従事する。
「彼がリーダーだ」上司は告げる。担当者の一人と聞いていた古瀬は驚くがやるしかない。文化、政治、目的が違う医者、政治家、軍人、文化人類学者、祈祷師、彼らを束ねてエボラと戦うことになる話。
「昨日、何食べた?」から始めるという章が興味深い。感染症コンサルとして有力者との協力が必要だ。しかし、いきなり本題では警戒されてしまう。そのためには、まずリラックスしてもらい、ビールをおごりsimカードを奢る。研究をしたらデータをくれた同僚の名前で発表し成果を与える。
ここまでして、はじめて「協力」が得られる。彼の文面はこう締めくくられる「何か困ったことがあったらご相談ください」
一見するとゴマすりに見えるがこれらはすべて真摯さと相手への思いやりだろう。そして、その先に「あいつはいいやつだ」という信頼がもらえるのだろう。
後半のコロナの話なども面白かった。気になる人はぜひ読んでほしい。
何かの機会に読み返すこともあると思う。そんな本。