紙の本
様々な動物の「動く」を科学的に説明した1冊です。
2024/03/31 23:30
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
走る、泳ぐ、飛ぶなどある、動物が起こす行動「動く」。当書はこの「動く」をテーマに、様々な動物の「動く」行動を科学的に説明した1冊です。
各生物の身体構造を分析したり、物理式を用いて足・ヒレの動きを分析したりと、理科の要素をふんだんに用いて説明しているのが、さすが理科専門家の著者、と感心しました。
さながら雑学本のような作りが、読んでいて面白かったです。
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いやあおもしろい。でも難しい。「おわりに」は読まずに最初から読んだのだけれど、本書を書いた著者の思いは次のようであった。「日々の生活に密着した運動とそれを可能にするために身体がこんなふうにできているんだなあという実感を伴った理解。これらは良い社会人になり、健康な毎日を過ごすためには必須の生物学上の知識・理解だと筆者は強く感じているのだが、それを得る機会が、初等中等教育のどこにもない。」なるほど確かにそうだ。しかし、これを中高生向けに書いたとはとても思えない。僕が通勤中に気楽に読もうとしたのが間違いか。いやいや、生物の本と思っていたら、もちろん化学はたくさん出て来るし、それ以上に物理が多い。ベルヌーイの原理はあるし、レイノルズ数も出て来る。運動量保存則なんて常識として話は進むし、sin、cosまでふつうに登場する。いやいや、本川先生の本はおもしろいんだけれど、難しい。だからこそ読みごたえがあるわけだけれど。そんな中、いくらか覚えているのは、ウマの歩き方と走り方。これなんかはうまく中学入試用にアレンジできるかもしれない。自転車がいかに省エネかという話。魚の血合い筋とジブ機構について。硬骨魚と軟骨魚の違いをなんとなく理解したと思っていたけれど、いまはもう忘れている。鳥がいかに軽量化に成功したかという話。骨をすかすかにするというのは聞いたことがあったが、構造を強化するために筋交いが入っているということ。糞と尿酸をいっしょに排泄し、膀胱をなくしたということ。これは以前何かのテレビ番組でも見たが、足先で冷えた血液を温めてもどしていく方法。トビが輪を描いて飛んでいるわけ。そして、渡り。驚くべし、キョクアジサシ。北極と南極の間をエサを求めて渡っていく。他にも長距離の渡りをする鳥たちは、途中エサをとることもなく何日もかけて飛んでいく。体重が半減するものもいるという。いやあ、生き物ってすごいなあ。最後にお得意のウニ。こちらが本川先生の本職。定年のために研究が途絶えたとおっしゃっているが、定年後も続けられたらいいのになあと勝手に感想をもってしまった。私立大とかに職を得られてはいないのだろうか。それとも、毎日好きな歌をうたって過ごしていらっしゃるのだろうか。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01427061
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<目次>
第1章 歩く・走る
第2章 歩く力・走る力
第3章 歩行の進化
第4章 車輪
第5章 筋肉~移動運動のエンジン
第6章 泳ぐ
第7章 流体力学ちょこっと入門
第8章 飛ぶ
第9章 飛ぶ力
第10章 さまざまな飛行
第11章 ウニの歩行
<内容>
本川先生、三作目の「サイズとデザインの生物学」完結編(帯のフレーズより)。「動物」なのだから“動く”。そこにフィーチャーした本編。力学のさまざまな法則が飛び交い、純粋文系の私にはやや難しかった。ただ“動く”為の生き物の理にかなった構造(体型・筋肉・骨など)やその動き(歩く⇒走る・泳ぐ・飛ぶ)について、(たぶん)わかりやすく書かれている。第11章の「ウニ」は、先生の専門分野。退職までに完全なる分析には至らなかったようだが、確かにウニは不思議な生き物である(ヒトデもね)。
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いろいろな動物の動き(歩行、走行、泳ぎ、飛翔など)を物理学的に分析し、理にかなっていることを説明する。後付けの説明と言えなくもないが、生物は自然淘汰で現状の機能を獲得してきたのは事実。
それをふまえて読み物として面白い。
ウマとヒトは一例。
読了120分
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チーターはなぜ速いのか?動物の頭はなぜ体の先に着いているのか?動くための最適なデザインとしくみとは?驚きの知恵が満載!
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難しいところも少しあるが、全体としては文系読者にもわかりやすくとても面白かった。生き物の動きからその生物の形状や各器官の位置や作りにちゃんと理由があるというのは、考えてみたら当然かもしれないが、地球上の多種多様な生物がそれぞれこのように進化してきたということを思うと本当に生命の不思議を感じる。
科学的な話だけでなく、筆者のエピソードや所感も入っているのが読み物としてより面白かった。こんな研究もされているのか、と驚くことも多かった。
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生物の進化の精緻さには驚かされる。歩く、走る、泳ぐ、飛ぶなどの動作のメカニズムを解析する。それらは流体力学的に実に巧妙。
難しい数式も出てはくるが直感的に理解しやすい。筆者の「ゾウの時間ネズミの時間」「ウニはすごいバッタもすごい」と並んで大変面白い。