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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の古典だと思う。20世紀の出来事に思いを馳せながら、フルガムの言葉に心をゆだねる。幼稚園で教えられたあるいは躾けられた言動の原則を、幼稚園の生活信条クレドと称し、人生の様々な出来事を、語りつくす。何でもみんなで分け合うこと、ずるをしないこと、人をぶたないこと、など。とても簡単なことのように思えるのに、現代社会で、あちらこちらでないがしろにされる。私自身も、ないがしろにしている点がある。自分の行動を、今からでもいいから、見つめなくてはいけない。
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テンポが良くとても読みやすいエッセイ
物事を色んな角度から見ることができる人の書く文章はやっぱり面白い。
筆者は牧師さんらしく、優しかったり親切な一面を感じられる部分が多くてポジティブな気持ちになれる。
一方ちょっとだけ意地悪だったりユーモラスだったりと人間らしい面も沢山ありそのバランスが読んでて楽しかった。
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ウイットに富んだ表現、魅力あふれる登場人物。最初は幼稚園時代にどうこういう話を持ち出してひねくれた説教をする内容かと疑いながら読んでいたのだが、あっという間に引き込まれて読み切ってしまった。私が好きなのは、隣人のワシントン氏、あたし人魚なのの女の子、神学の大学院時代の先生、あと一人クリスマスキャロルをやってくれたベトナム人のホンドク君かな。でも庭の落ち葉掃除をやってくれた子も捨てがたい。でも登場人物が全て素敵なのは彼らを見ているフルガム氏の温かい眼差しを通してだからということに疑いはない。クリスマスツリーも洗面所も、何気ない日常の風景も面白く人生の教訓に満ちた場面に変えてしまう。
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牧師さんのエッセイ集。
牧師さんと言いながら、学校の先生、カウボーイ、セールスマン、バーテンダー等々いろいろな職業を体験している。
基本は人間が好きなんだろうな。
人を見る眼差しが優しく感じた。
彼が児童やその父兄を前に披露した話しが、たまたま来ていた連邦上院議員に気に入られ、スピーチの原稿を書いてもらうことになったのだと言う。しかも彼の人生訓は多方面で話題となり、一躍有名人になったようだ。
失敗話しや、人・家族との関わりの中でのエピソードを通じて、こうしなさいと言う上から目線ではなく、こうした方が良かったかな と、読者が感じて欲しいように向けているようだ。
また、人間は必ず死ぬ。だからこそ、限りある生に人それぞれが自分なりの意味を見出す必要がある、と考えているようだ。
共感したのは、
想像は知識より強い。
神話は歴史よりも意味深い。
夢は現実より感動的である。
希望は常に体験に優る。
笑いだけが悲しみを癒す。
愛は死よりも強い。
横になって目をつぶる。われわれ、世のなかではその他大勢だが、そんな者にもありあまる恵みが与えられている。おかげで今日も無事に終った。有難いことだ。
思うに、肉親や親類というのは、たいてい想像のなかに生きているのではなかろうか。
父、母、兄弟、姉妹、その他の類縁たち。特に、故人や、日頃めったに会わない相手についてそれは言える。
記憶は作られる。話者の数が多ければ、その分、矛盾が生じて不思議はない。わかりきった話である。
それどころか、わたしたちは自分自身をも想像で作り上げている。現実の自分と、こうありたいと思う姿を扱きまぜて、かくあれかしという自分を描き出す。
何事も、遠くからの方がよく見える。
人と仲直りしたら、すべてを水に流さなくてはならない。
物事はすべて人生の培養土である。
「彼ら」という存在はない。「われわれ」がいるだけだ。
考えたことをそのまま信じるのは間違いである。
人はどんなことにも馴れる。
時には、見た通り悪いこともある。