投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
【激動する国際情勢を?最強コンビ?が徹底解説】南半球の新興国がGDPの合計で米中を抜き、世界秩序の中心となる日が訪れる。日本はどう備えるか? 米大統領選前に必読の一冊。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
池上さん、佐藤さんの対談本は出版されるたびに読んでいます。
タイトルは「グローバルサウス」ですが、基本的にはこのシリーズは世界の「今」起きていることの背景の解説となっており、知的好奇心を刺激されるものとなっています。
いわゆるニュース解説型なので、早めに読むことをお勧めします。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
p37 パナマ運河 船を浮かべたプールごと上げ下げするエレベータ エレベータに入れる水は海水でなく、ガトゥン湖から淡水を引いている。2023年は干ばつで水が足りなくなり通航制限
p54 報道で事実と認識と評価を区別して伝えるのが大切
最も厄介なのは何が真実かの確定です。戦争の最初の犠牲者は真実であるという言葉もあります。
p60 ハマスと一般のパレスチナ人を区別する必要がある
ハマスの幹部の多くが、ガザでなく、安全なカタールで裕福なセレブ生活をしているようです。
p73 ハマスのテロはなぜおきたか?ネタニヤフ政権がパレスチナを追い込みすぎたから
p77 最悪のシナリオ
激怒しているビスボラを、全面戦争を避けたいイランがおそらく背後で止めているはずですが、止められなくなったら、大変です。
最も懸念巣べきは、ビスボラとイスラエル軍との先頭が本格化して、紛争がレバノンにも飛び火すること
核使用のおそれがある
p83 歴史的にみれば、ガザ地区ができたのは、第一次中東戦争でエジプトが占領したから
p110 中国の経済力が半分に落ちたとしても、中国が強国であることには変わりがない。それにバブルが弾ければ、実体経済に近いところで産業の再編が行われるでしょう。不動産業界で働いていた優秀な人材が、軍産複合体やIT分野へ転じることも起こり得る。バブルの崩壊がむしろ中国の強靭化につながる可能性がある
p113 朝鮮戦争が再開されれば、日本はただちにこの7基地を国連軍に提供しなければなりません。
キャンプ座間、横須賀海軍施設、佐世保海軍施設、横田飛行場、嘉手納飛行場、普天間飛行場、ホワイト・ビーチ地区
すると北朝鮮がこの7つの基地を攻撃するのは合法です
p121 日本の外務省の課題はインドネシア語のキャリア職員をつくること
インドネシア語は、オランダから独立市た雄時につくられた人工的な言語
p152 中国の支援は借款。インフラが整っても借金がのこる
ロシアは現物取引で、アフリカは資源を提供して、それに対して建物を作る。インフラ整備にしても借金をさせないことが、ロシアの売り
p198 ドルが基軸通貨でなくなったら、金本位制にもどるしかない
佐渡金山を掘り返す
今鹿児島 、伊佐市の菱刈鉱山 1983から開発がはじまる
p218 ヘーゲル 法の哲学の序説 ミネルバのフクロウは夕暮れをまって飛び立つ。・フクロウは知恵の象徴。ある時代の全体像は、その時代の終焉期になってようやくみえてくるという現実をヘーゲルはこのように表現した。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
手嶋龍一氏ほどではないが、池上彰氏と知の巨人・佐藤氏との対談もいつも示唆に富んだものだ。本対談はグローバルサウスを語る過程で、全世界を俯瞰するように過去・現在・未来を語ったもので深みは薄いが、全体把握には丁度良い。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
グローバルサウスとは西洋民主主義に対する対抗概念。冷戦後世界に広まった西洋的民主主義と自由主義の概念は急速に力を失いつつある。
今世界は大きく変化しており、今までの常識で測ると情勢を読み誤る。
・グローバルサウスの特徴として、国際的協調より自国第一主義、民主主義より権威主義でも強力なリーダーシップ。
・G7のGDP比率1986年68%が2022年には42%に低下。グローバルサウスの存在感が高まっている。
・ウクライナに対して明らかに侵略行為を行ったロシアへの非難決議に中国、インドを初めアジア、アフリカ、南米の多くの国が棄権した。
アメリカ、ヨーロッパ先進国に対して明らかに距離を取る動き。
・古代ギリシャでも国の統治について、初めは王様が国を治めるが堕落していく、すると次にモラルの高い貴族が政治を握る。やがて貴族も腐敗して寡頭政治になる。次は民衆の力がそれを倒して民主制が出来るが、いずれ衆愚政治となる。そして優れた王様が出てくる。
・人類は進歩しているという思い込みは浅はかだと思い知らされる。
・トランプが勝ってもバイデンが勝ってもこの流れは止められない。今後も世界で今まででは考えられなかった事は起こり続けると思った方が良い。
日本は、そして自分はどうすべきか真剣に考えたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
東京に長いこと暮らしている実感として、周囲には資本主義に包摂されアメリカ的フィルターを通した物の見方に染まった人が大多数だ。対して、保守・復古的価値観に意義を持つ人も散見するし、やれ風の時代だ、直観が大事だ、大いなる力だ、闇の権力者だとスピリチュアルや陰謀論に染まる人もやたらと多い。こちらはいずれも反知性主義的傾向が強く、ナイーブすぎる。
認知バイアスがある以上、情報をバランスよく、現実的に受け取ることは難しい。それでも真摯に、丁寧に情報を集め、主体的・柔軟に思考を積み上げることで強くしなやかなビューを持つことができると私は信じている。
世の中には南:北、リベラル:保守、先進国:途上国、民主主義国:社会主義・独裁専制国といったような様々な二項対立軸があって、その枠組みで世の中の構造を我々は紐解いてきた。本書では今あげたような二項対立軸を再編して、グローバルノース:グローバルサウス(インターナショナルサウス)という視点で現代の世界的社会的課題を読み解いていく。
日本の強みは「和」だ。
対立するでもなく、孤立するでも、従属するでもない。主義主張の強い国々が周囲で争っているのならば、それぞれの主張を傾聴し、和ませ、濁らせながら現実路線で行けばいい。そして彼らのいいところを吸収して学び、貢献できる点で貢献し、じっくり着実に成長していけばいい。
一矢報いようだとか、華々しく返り咲こうだとか考えるのは発奮するには良いかもしれないが、正見を備えない張りぼての自信は空回りしてしまうだろうし、下手すれば玉砕の道に突き進むリスクもある。
かといってボヤっとしていたら大波に流される。
自由と民主主義は素晴らしい。それの恩恵を得て、私は今幸せに暮らせている。しかしそれが100%正しい概念というわけでも、100%我々に馴染んでいる概念であるわけでもない。綻びもあれば、馴染まない人もいる。
グローバルサウスの面々は我々日本人以上にそう思っているわけで、彼らの理解なくして共生はできない。
日本の歴史を顧みれば、和を尊ぶとはいえ、排外精神と争いの多さがよく目につく。
不安定を嫌い異分子を敵視する性があったとしても、徐々にでも他者を理解すれば壁は薄く出来る。
米大統領がトランプでもバイデンでも、遠からずアメリカの権力は弱くなる。そしてその空白はグローバルサウスの増大によって埋まる。
メガテック企業は依然として存在するし、画期的なアイデア、プロダクト、サービスは今後もその大きな競争社会から生み出されてくるだろう。ピークは過ぎるかもしれないが、経済的な強さは今後も続くに違いない。
ただしもはや一強ではないのだから、例え相いれない価値観であろうとも、日本は今後のグローバルサウス側の面々とも関係性をしっかり築いていかねばならない。そしてそれは決して不可能じゃない。
歴史はいつだって一筋縄な予想通りにはいかない。
甘い見通しをすると上回ってくるのに、最悪の場合を想定してもその通りにもならない。
カオスな世の中に起きる大きな事件はいつだってブラックスワンであるようだ。
それ���も、準備なくして事変には対応できないため、常に未来を予測・分析することには重要な意味がある。