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軽く読めちゃうのかなと思っていたけど、ほどよく重みがあり、ままならない人間関係に心傷んだり、社会問題も織り込まれて考えさせられたり、じっくり読めた。
食べるものを作る人々と女性たちを応援する感じはありながらも農業に限らず色々な人たちの背中を押してくれる物語だと思う。
この本が八百屋さんやアンテナショップに並べられてたり、カフェやレストランに置かれていたりしたらいいなと思った。
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‣ 農業にとっての財産は、土地と、人間ですから。そのふたつを大切に守っていけば、百年後も千年後も、自然から豊かな実りをもらえるはずです
‣ あなたを助けようとして雇ったわけではない。あなたに助けてほしいから、雇っているんです
‣ 向いとると思うわ、優しいから。心をこめて世話しよったら、植物にもちゃんと伝わるんよ
‣ 目立つ果実にだけ目がいって、根も葉も枝も見えていなかった。彼女たちのほがらかな笑顔の裏に隠された苦労や覚悟を、知らなかった。知ろうともしていなかった
‣ 負けたくなかった。どうにか耐えぬいて、男でなくても役に立てると証明してみせたかった
‣ 自分ががまんしたんやから、お前もがまんせえってことやね。姑の仇を嫁で討つの、ほんまやめてほしい
‣ 女でもひとりで生きられるだけの力を身につけとかなあかん。人生、なにが起きるかわからへんからね
‣ 野菜を作ればそれでおしまいってわけやない。誰かに食べてもらうとことまで含めて、農業や
‣ 日本各地からこの皿の上へはるばる集まってきた食材のそれぞれに、丹精こめて育てた作り手がいるのだ。手をかけ、慈しみ、送り出した誰かがいる
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社員、社長、学生、母、嫁、妻..,
農業に関わる女性たちがそれぞれの立場で抱える切なさ、やるせなさが心に刺さります。
それでも彼女たちは、人と関わり、生き物を育て、自分を育み、大地と生きる。
不器用な大人たちの不器用な言動には、シンパシーを感じてしまいます
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瀧羽さん小説、2作品目。
全国の土地で、色んな年代の女性が色んな形で農業に関わり生きている。8人8通りの悩みや気付き、心に響く言葉を日常で感じること、とても素敵な作品だった。
私の気持ちは、解説の藤田さんと同じであり、藤田さんが選んだ言葉もまさにそれ、と共感。
「オリーブの木の下で」が少し雰囲気が違って一番引き込まれた。
どの地域の方言も素敵で、注目してみてしまった。
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どのお話もすてきでした。特に最後の『トマトの約束』を読んだあとは、とても晴々とした気持ちになりました。
不器用でもいいから、人を大切に思う気持ちだけは諦めずに持ち続けていたいなと思いました。