紙の本
不器用たちの隠れ家
2024/05/23 05:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
真面目過ぎて手を抜くのが下手な不器用な6人が辿り着いた、プラネタリウムや美術館などの癒やしの「隠れ家」。都会ですり減った心を温かくつつみ込む珠玉の連作短編集。
完璧主義な訳でも、潔癖な訳でもない。ただ、自分の納得いく形にしたいだけ。そんな小さな拘りで浮いてしまう主人公たちのもどかしさと、悪気はないが当たりが強い周りの人たちの焦燥感の、どちらも痛いほど伝わってきた。片方だけをピックアップして描くのではなく、色んな考えに寄り添った包容力のある作品だと強く感じた。
傷付けるのも人、救うのも人。傷と再生を繰り返す人との関係性が、「隠れ家」を“逃げ場”から“憩いの場”に押し上げる丁寧な工程も心打たれた。
トラウマ、ワーママ、イジメ、LGBTQ、ハラスメントなど、昨今の様々な問題に向き合ったシビアな内容だが、魅力的なスポットがちょうど良いバランスで緩和しているのも良かった。
コンカフェがそこに繋がるのか!と絶妙な伏線たちも最高に面白く、とても印象的だった。
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都会で何かしらの生きづらさを抱えて暮らす人々の物語。
6つの連作短編がそれぞれ、精神疾患、ワークバランス、セクシャリティ、いじめ、SNSなど現代の問題をテーマにしている。
設定がコロナ禍2022年〜2023年ということもあって“今”の小説だなと思う。
自分の気持ちに一番近いなと思ったのは「森の箱舟」。
“役割”を演じることに疲れて、気がついたらヘトヘトで…
私も「今日はサボります」って言ってみたい。
「惑いの星」の後半の桐人のセリフ、優しくて寄り添い方が絶妙。
登場人物の中で一番好きかも。
疲れた心をそれぞれの「隠れ家」で休めてあげる。
小説でありながら、メンタル本のような癒しがあった。
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連作短編集だからこその楽しみがあって。登場人物同士が相手のことをどう見ているのかが分かるのがうれしい。
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清々しい読み心地で一気読み。
登場人物それぞれの、東京のオアシスや隠れ家が出て来ます。
「社会も会社もフェアじゃない。でも負けるな。みんな負けるな。」の一文にとても勇気をもらえました。
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都会にある癒し空間。
近くにあるのに全く知らなかった。
仕事をしてると現実逃避したくなる時がある。
昼休みや休日、自分だけのハイダウェイでゆっくり一息つく大切な時間。
そんな場所を私も探そう。
今回出てきた都会のハイダウェイにも行ってみよう。
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東京・虎ノ門の企業に勤める桐人は、「真面目な
働き方」を馬鹿にされた日の昼休み、同僚の璃子が
軽快に歩いているのを見かけて…。都会に生きる
人々が抱える心の傷と再生を描いた連作短編集。
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ほぼ同世代だからか『百年の子』はとてもリアル感を感じながら楽しめた作品だった。本作も同じように楽しめそうな匂いが漂っている。感じた匂いが間違いでないか確かめたい
#東京ハイダウェイ
#古内一絵
24/5/24出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3KfY17t
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心に傷を負った人が向かう都会の隠れ家をテーマにした連作短篇集。6篇が収録されている。
主な舞台となるのは、虎ノ門にあるイーコマース企業のパラウェイだ。そこに働く人々が過去や現在に起きた出来事に悩み、苦しみながらも、その人だけの“隠れ家”に行くことで生気を取り戻し立ち直っていく。
それぞれの短篇はおもしろいし説得力もある。連作としてのまとまりもいい。でも、最近こんなのばっかり読んでいる気がして食傷気味である。もちろん古内さんのせいではないのだけれど。