平等と効率の福祉革命 新しい女性の役割 みんなのレビュー 新着
- イエスタ・エスピン=アンデルセン(著), 大沢真理(監訳)
- 税込価格:1,848円(16pt)
- 出版社:岩波書店
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紙の本
欧米での女性の社会進出による影響を学ぶ必要がある
2022/12/02 21:13
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、比較福祉国家論の第一人者による提言の書が2011年に翻訳・出版されたものの文庫化である。目次を見ると、
謝辞
序論
第1部
第1章 女性の役割の革命と家族
第2章 新しい不平等
第2部
第3章 家族政策を女性の革命に適応させる
第4章 子どもに投資しライフチャンスを平等にする
第5章 高齢化と衡平
あとがき
解題
日本語版のための用語解説
岩波現代文庫版訳者あとがきにかえて
参考文献、人名・事項・国別索引 となる。
著者のイエスタ・エスピン=アンデルセンは1990年に自由主義的、保守主義的、社会民主主義的という福祉国家の三類型論を提起し、本書は2009年に出版され、2年後に日本語訳が出された。そのため、10年以上前の欧米社会を分析し、キャリアとジェンダー平等を追求し、社会で働く女性と、旧来の性別分業に従う女性との間で広がる格差を明らかにした。価値観や学歴の似た者同士が結婚する結果、所得面や文化面で世帯間の格差が増幅し、それが社会の効率性にも影響を及ぼし(低下させ)、さらに子どもに引き継がれ、世代を越えて格差が継承されてしまうという。例えば、高学歴の女性は専業主婦の割合が低下し、夫婦で所得を向上させ、子どもは保育所等に預けることになり、出産前後や育児の休業期間も短く、家庭が弱体化するという批判があるが、子どもに接する時間は決して短くない。低学歴の女性の場合、専業主婦になる割合が高いものの、子どもに接する時間は長いとは言えない。欧米のこととは言え、思い込みと実態は違うことになる。日本ではどうであろうか。こうしたことを含めて、詳細はじっくり読んでいただくしかない。
歴史的に見て、専業主婦がいる時代は第二次大戦後の経済成長の時代の話に過ぎない。夫婦がともに働くのが普通であった。日本でも高度経済成長が終わり、低成長を経て、ここ30年あまりは横ばい、専業主婦を許容できる時代でなくなっている。ぜひ、一読されたい。
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