大変学術的に著されています。
2024/07/26 13:52
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
考古学研究家の著者が、日本の考古学研究で重要な古墳と埴輪について、今どこまで研究が進んでいるのか、余すことなく紹介した1冊です。
識者の皆さんがこれまで築き上げてきた古墳と埴輪に対する研究成果を、極めて学術的に、冷静な文章で著しています。さすが研究家による著書、と思いました。
一概に古墳、埴輪といっても種類がかなり細やかで、これらの発掘物から識者は当時の人々の社会、生活がどんなものかを予想しているのかにも触れており、実に学術的に盛り沢山の、最後まで飽きないつくりになっています。面白かったです。
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<目次>
第1章 古墳の出現とその実態
第2章 他界としての古墳
第3章 埴輪の意味するもの
第4章 古墳の儀礼と社会の統合
第5章 古墳の変質と横穴式石室
第6章 古代中国における葬制の変革と展開
第7章 日中葬制の比較と伝播経路
<内容>
第5章までは、最近の古墳研究のまとめになっているようで、理解が進んだ。第6,7章は、これも近年の研究による、日本の古墳や石室の作りが大陸由来であることを説明してくれている。まだ研究は初期のようで、歯にものの挟まったような説明だった。
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第一章 古墳の出現とその実態
1 古墳の定義と形・数・分布
2 弥生墳丘墓から古墳へ
3 墳丘と埋葬施設の変遷
4 古墳造りの手順──据えつける棺と閉ざされた棺
第二章 他界としての古墳
1 槨の伝来とその死生観
2 古墳と船──天鳥船信仰
3 他界へと向かう葬列
4 天鳥船信仰の残影
第三章 埴輪の意味するもの
1 埴輪の種類と変遷──人物・動物出現以前
2 埴輪の配列とその筋書き
3 他界表現の完成
4 人物・動物埴輪の登場
5 埴輪と副葬品
6 可視化された他界──埴輪は他界を表現するアイテム
第四章 古墳の儀礼と社会の統合
1 古墳づくりの実態
2 王権と古墳の儀礼──古墳づくりは国づくり
3 古墳の秩序
4 古墳はなぜ大きくなったのか
第五章 古墳の変質と横穴式石室
1 古墳時代中期から後期へ──首長連合体制から中央集権的国家体制へ
2 横穴式石室の導入──儀礼の変容
3 二系統の横穴式石室──九州的石室と畿内的石室
4 閉ざされた棺と開かれた棺
5 横穴式石室と黄泉国訪問神話
6 開かれた棺と装飾古墳
第六章 古代中国における葬制の変革と展開
1 槨墓の他界観とその要素(春秋末期・戦国初期〜秦・前漢)
2 槨墓から室墓へ(戦国中心)──変革期に出現した室墓的要素
3 室墓の定着(秦・前漢)──室墓の他界観と他界への乗物
4 室墓の発展(後漢)──画像石墓・祠堂と車馬昇仙図
5 室墓の展開(三国〜南北朝)──北朝と南朝の葬制の差
6 船棺葬(舟葬)──江南の他界への乗物・鳥と船の出会い
第七章 日中葬制の比較と伝播経路
1 弥生時代
2 古墳時代前期
3 古墳時代中期
4 古墳時代後期
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01429471
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良い本なのだが、私が求めていたのは埴輪の分類とその成り立ちや、実際の収集品だったので、古墳の来し方を詳説したこの本はマッチしてはいなかった。古墳とは何なのか、についてはよくわかった。
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考古学研究の第一人者である著者が、中国、朝鮮半島の葬制からの影響も視野に入れつつ、古墳づくりをはじめとする古墳にまつわる葬送儀礼全体(本書では「古墳の儀礼」と称される)について実態を明らかにし、その背景にある当時の人々の他界観や信仰などについても探る。
最近の研究も踏まえて、古墳の成立から終焉までの変遷や埴輪の種類と役割、東アジア諸地域からの影響などについて丁寧にまとめられており、かつての考古学徒として勉強になった。また、「天鳥船信仰」や、埴輪は他界を表現した舞台装置であったということなど、著者の提示する古墳と埴輪の背景にある古代の人々の他界観や信仰などについての推論も十分妥当性があるように感じた。
古墳づくりをはじめとする「古墳の儀礼」が、当時の社会の人・もの・情報の流通を促す最大の原動力になり、王権や社会の統合を進めたというのも重要な指摘だと感じた。
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日本の古墳が大陸の影響を受けて、変化していく様子が説明されている。欲を言えば、近畿九州に偏りがあり、東海地方に触れてもらえると良かった。
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こんなマニアックな世界があったとは! 非常に興味深い。
2000年も前から中国と交流があったなんで驚きだが、日本人の祖先崇拝や葬送儀礼は中国の原始儒教がルーツであることがよく理解できた。古事記の黄泉の国伝説も荒唐無稽で支離滅裂なストーリーだと思っていたが、これも中国の伝説が伝わったのか。
欲を言えばもう少し図解を充実させて欲しかった。墓や埴輪の構造を文章で説明されてもちっともイメージできない。
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古墳は日本の古代における王や豪族の眠る場だった。前方後円墳、円墳、方墳など、その形状は多種多様で権力の象徴でもある。古墳を彩る埴輪。人や動物、家などを模したこれらは死者を守るとともに当時の生活を伝えるタイムカプセルである。埴輪の配置や種類から古代人の信仰や社会のあり方が見える。単なる「お墓」ではなく、古墳と埴輪は古代日本の文化そのものを映し出す鏡である。過去の人々が託した思いに触れると現代の私たちも時を超えた繋がりを感じずにはいられない。
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Audibleにて。埴輪展行きたかったなあの気持ちで。前方後円墳にしろ埴輪にしろ、日本独自というイメージがなんとなくあったので、中国の俑や朝鮮半島からの流れを汲むというのを新鮮な気持ちで聞いた。聞き慣れぬ名詞と地名が多くてながら聞きには向いていなかった。