閉店間近の喫茶店で
2024/09/02 22:25
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
開発から取り残されたような、でも少しづつ変化している街の、長年愛されてきた喫茶店で、月一集まってこの街にまつわるちょっと不思議な話を語ります。
後から考えたら「あれは不思議だったな・・・」って思うような、ちょっとした不思議な思い出話。半分現実、半分しかし、ラストに意外なしかけが明らかに。
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読み終わりこの作品はファンタジーの感動作で胸が熱くなりました。昭和世代のとっての事象や事件が懐かしく感じました。マチカネタンホイザ、はっぴいえんど、大阪万博、などなどです。増山実さんの作品は何作か読んでいますが、この作品が最高傑作だと思います。そしてラストの最終話は驚きと驚愕の結末でした。あなたも読んで感動して下さい。涙して下さい。
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初作家さん。
装丁がとても好みで書評もよくつい購入。
大阪にあるマチカネという喫茶店のお話。
関西弁が読んでいて心地良く、優しい不思議な話の数々に心が癒される。
待兼山奇譚のラストのゲストの話にあれそんな展開になるの?と予想もつかなかった展開に驚く。
とはいえ、この街ならこんな展開もありかなと思えるし、ラストもとても良かった。
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人が生きていく、その営みの中で、無数の物語が生まれていく。そして、人は、その物語を求めている。映画や、舞台、そして、小説がこの世からなくならないのは、そのためなんだろうなぁ。特別なことではなく、物語は、すぐ隣に転がっている。それに気づけるか、気づけないか。
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気が張って落ち着かない気分のときに読みましたが喫茶マチカネで語られる不思議な物語の世界に引き込まれ没入感によって心が自然と安らいでいきました。
睡眠前に読むとぐっすり睡れそうでオススメです。
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感想
事実は小説よりも奇なり。何もない人はいない。でもみんな同じ人間。だから人生は面白いし切ない。あっという間に過ぎる時間。少しでも笑って。
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関西にゆかりのある人ならば駅の名前に大体の土地を想像しながら読み進められる。
大人の短編集といったところか。
これ以上話すとネタバレになりそうなのでちょっと優しい気持ちになりたい人、ホッコリしたい人、読んでみてください。
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初めての作家さんです。
関西のお話だというのを知って
私の地元というのもあり
楽しみにしていました。
私の予想通り、知っている駅や
地名がでてくるたび
わくわくしながら読みました。
お話の内容も素敵なお話で待兼山駅近くの本屋らんぷ堂とその2階の喫茶マチカネが中心のお話で、駅 待兼山駅の名前が変わるにあたってどちらも閉店してしまう…
みんな閉店を残念に思うが
少しでもこの辺りのいろいろ不思議なお話を残そうと待兼山綺談説倶楽部を発足する
というところからはじまる地域の不思議なお話です。
これ以上はネタバレになってしまうので…
とにかく
なんだか不思議なんだけど温かく、繊細で
私にとっては身近な場所だけに
特別なお話ばかりでした。
他の増山さんの作品も是非読んでみたいです。
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装丁に惹かれて購入
ようこそマチカネへ!と同じ場にいるかのように、どのエピソードも心に残るものだった。
自分の周りにいる人の、忘れられないことや、奇跡のような話を聞いてみたいなと思った‥良き本!
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このなんとも言えない、レトロ感を感じる表紙に惹かれ手にしました。
大阪の待兼山駅前で両親がはじめた書店と喫茶店、1階は「らんぷ堂書店」2階は「喫茶マチカネ」書店は兄が、喫茶店を弟がそれぞれ継いでいた。待兼山の地名は、平安時代ここで人目を忍ぶ逢瀬を重ねた男女の伝説から生まれたと言われおり、両店舗とも客足が途絶えることはなかったが時代の流れから、閉店することになった…。閉店まで数ヶ月、月に1回、待兼山に関わる不思議な話を語らう会を「待兼山奇談倶楽部」と名付けて開催し、それを一冊の本にまとめることになった…。
どのお話も偶然というか、運命というのか…重なり合って、それぞれの人生に深みを与えているのが感じとれる、ちょっと心温まる語りでした。特に「らんぷ堂書店」のおじいちゃんは、よかったなぁ〜!「この世界を、少しでも平和でいい世界にするために、自分が良いと思った本を、みんなに届けることや」なんて、とってもカッコいいと思いませんか??
読んでいるうちに、ファンタジー色が強くなってきたけれど、物語の舞台が待兼山だからこそだと思いました。私、あまりファンタジーは好きではないけれど、この作品は結構好きです。
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関東出身なので、関西弁がうまく頭にはいってこず避けていたが、とっても心温まる話ですてきだった。
喫茶店の常連になりたい。
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本書からは、第10回京都本大賞(2022)を受賞した『ジュリーの世界』と同じ匂いを感じました。歳を重ねるほど、甘過ぎずほどほどのノスタルジーに弱くなり、共感の度合いが増す気がします。
阪急電鉄「待兼山駅」近くにある「喫茶マチカネ」(2階)と「らんぷ堂書店」(1階)。最寄りの駅名から待兼山が消えるのに合わせて、両親から兄弟で継ぎ、65年続けた二つの店を同時に閉店することに‥。
そこに、常連客の一人が、待兼山駅、喫茶マチカネが確かにここにあった証を残そうと、ある提案をします。閉店まで月一回程度、待兼山にまつわる不思議な話を語り聴く会を(喫茶マチカネで)開き、本にまとめてはどうか、というものです。
そう、本書は、「待兼山奇談俱楽部」と名付けられたその会で語られた物語で構成された小説です。
郷愁を誘う昭和の出来事・カルチャーがふんだんに登場します。そして、行ったことも見たこともないのに、昔と変わらない駅前商店街の佇まいを勝手に想像し、懐かしさがこみ上げてきます。「自分にとっての、あの"時代"の、あの"街"の、鮮やかに蘇る風景」は、誰にでもある気がします。本書の描写は、じんわりと心に染み込み、胸が熱くなります。
「奇談」と言っても、怪異や恐い話ではなく、語り手の人生に起きた、ささやかだけど希望の光となるような、リアリティある奇跡でした。
後半に進むほど、ややファンタジーの色が濃くなる印象ですが、増山さんは読み手の過ぎ去った時間にも光を当て、それらの想いの価値を高め、寄り添ってくれるような作品でした。
奇跡や偶然の不思議もさることながら、それは特別なことでなく、ひっそりと日常に潜んでいるのですね。何気ない日々を大切にしたいと思えました。
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大阪にある待兼山駅前で昭和29年に両親が始めた1階が「らんぷ堂書店」2階「喫茶マチカネ」が、閉店することになった。
時代の流れと駅名が変わることにより閉店が決まったこの喫茶店で、常連客により待兼山奇談倶楽部が発足されて不思議な話が語られる。
夕日が美しい待兼ヘンジから繋がる流れで、思い出とともに語られる7つの連作短編集。
懐かしくなるような郷愁漂う話に奇談というより大人のファンタジーを感じた。
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7つの連作短編集。
物語は大阪、阪急沿線。
閉店が決まった喫茶店に常連さん達が月一開催の「夜会」にて生涯最高の思い出を語ります。どの作品も心が温まります。
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待兼という街の名前の由来が素敵で、そこから広がっていくストーリーも心惹かれるものばかりだった。
ちょっぴり不思議で優しい物語。本当にあったんじゃないかと思えるような奇譚は、終わりを迎えようとする喫茶マチカネで語るのにピッタリ。
最後の沖口さんの願いも優しさがこもっていて、温かい気持ちになれた。
ちょっと気持ちが沈んでいるときに読んだけど、束の間の現実逃避ができた。