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【『その女アレックス』の巨匠、最後のミステリー】63歳の殺し屋マティルド。凄腕と恐れられた彼女を認知症が侵し始めた時、狂乱の幕が開く。黒い笑いに満ちた巨匠最後のミステリー。
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ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!
ピエール·ルメートルは、やっぱりスゴい。11打数11本全てホームラン。
彼にとって最後のミステリ作品と言っても、感慨に浸っている隙さえ与えないハイスピードな展開。
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奇しくもパリオリンピック開幕と同時に読むことになったのですが、フランス的底意地の悪さや捻くれ、一筋縄でいかない、わけわからない…などの要素を堪能できて気持ちよかったです。
そういうものが楽しめない方にはおすすめしません。
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まるで楽しむかのようにグロの限りを尽くしてきたマチルド、最後はついにやったな、という印象。読みやすかったけれどテンポ軽すぎで、これが最後のミステリかと思うと、ちょっと残念。
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「邪悪なる大蛇」(ピエール・ルメートル : 橘 明美・荷見明子 訳)を読んだ。
あの「その女アレックス」のピエール・ルメートルである。
認知症の暗殺者って設定が斬新ではあるが、ここまで暴走させるとは思いもしなかった。
どんだけ殺すんだか。
この先どうなって欲しいのか読んでいる自分にもわからなくなった。
笑っちゃいけないが笑うしかない『あ!』という展開だったよ。
あー面白かった!
ところで、翻訳者の荷見明子さんのお名前読めなかった。(はすみ明子)さんなんだ。
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1985年のフランスを舞台にした犯罪小説。凄腕の女暗殺者マティルドは63歳になってもその腕前は衰えずいまだ現役だったが、知らぬ間に認知症を患っていた。レジスタンス以来の残酷な殺し方に疑問を持った同志アンリ。マティルドの加速する暴走行為を止めることが出来るのは誰だ?…凄腕の暗殺者の末路がこれでは恐ろし過ぎる。次々にマティルドによって落とされる生命は悪人だけとは限らない。アンリとの攻防にハラハラし、人死に何度も絶望感を味わった。でも、ラストが好き。
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果たしてこれはミステリーなのか?読んでいくうちに、ジャンル分け不可能な作品であるように感じた。
ある女性殺し屋のロードムービーというか。
認知症の初老の女性が、凄腕の殺し屋で現役である、という悪夢のような話。
巻き添えになった人たちがあまりに理不尽で不幸すぎる。
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「僕が死んだあの森」で、筆を折ったと言われていたルメートルが、最後のミステリーとして出版した「邪悪なる大蛇」。ルメートルファンにとっては、涙が出るほどに嬉しいサプライズ!!
「現実の人生では理不尽なことが次々と起こるのに、なぜ小説家は手加減しなければならない?」と言うルメートル。そんな手加減なぞ俺様がするわけがない、とばかりに、この作品はカバーにあるとおり「アタマからラストまで、ひたすら加速する最悪と最速のスパイラル」だ。酸鼻の極みのルメートルミステリーでありながら、彼らしい喜劇性も含まれる。
あー、これで本当にルメートルミステリーとはお別れなのだな。たまらなく寂しい。
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★5 認知症の症状が出始めた凄腕の女殺し屋… 純真無垢な彼女の恐ろしい犯罪小説 #邪悪なる大蛇
■あらすじ
63歳の女殺し屋であるマティルドは、かつては冷酷非道の凄腕であったが認知症の症状が出始めていた。昔ながらの上司アンリから指示を受けながら仕事を続けるも、徐々に捜査の手が及び始める。アンリはマティルドを心配するが、肝心の本人はアンリへかつて抱いていた恋心が蘇ってしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
人間だれしも元気で健康的な生活を続けたと思ってる。しかしながら時間というのは残酷で平等、着実に老化や寿命はやってくるんです。社会の裏側で生きていた殺し屋が、認知症を患うとどうなってしまうのでしょうか。
恐ろしくもユーモラスに、全ての読み手に救われない感情を突きつけてくるという… 残虐性の中にも悲しみが果てしなく押し寄せてくる犯罪小説です。いやー凄かった。
本作一番の読みどころは、主人公の女殺し屋マティルドの魅力。そう、表紙でこちらを睨んでいる彼女です。銃をむけないでよ、こわっ
でも彼女は素直にまっすぐな性格で、ワンちゃんを愛する心根の優しいマダムなんです。(絶対に近寄りたくないけど)
しかしそんな彼女は、認知症で既に短期記憶が曖昧になり始めている。殺し屋の仕事なんて、誰がターゲットなのか、凶器は処分したのか、仲間との連絡方法はどうするのかなどなど、理解していないと、殺しの仕事なんてこなせないよね…
何が怖いって、本人は何も問題ないと思っており、女学生のように天真爛漫にロマンスすら期待している。それでも殺気の嗅覚や殺戮のテクニックは超一流で、身体が覚えてるんです。こ、こわい… 物語だから面白く読めるけど、これ現実だったらマジでイヤなんだけど。確かに殺し屋に定年制度なんてないよなぁ。
そんな彼女が恋心を抱くのが、若かりし頃からの仕事仲間のアンリ。彼女に仕事を依頼する立場なんですが管理する側としては心配なはず。それでも彼は紳士的で優しいんすよ~、これがモテる中年ですね。メモしなきゃ ...〆(。_。*)メモメモ
彼女とこのナイスミドルがどう絡んでいくのか、本書一番の痺れポイントですよ!
さて物語が進むにしたがって、それはもうハチャメチャになってきて、どんどん読んじゃうんです。怖くて悲しい、でもこんなにも面白いエンタメがあるのかってくらい。さすがはルメートル先生、読者を楽しませるプロですね。終盤の緊迫感と怒涛の展開もお見事で、読み応えも抜群でした。
■ぜっさん推しポイント
誰しも年齢を重ねていくと、次第に衰えて弱っていく。この頃私も目が見えづらくなり、メガネの度数を変えました。いつまで読書を楽しめるか心配です。みなさん身体は大事にしましょうね。
三つ子の魂百までと言いますが、人間の本質ってのは変わらないし、変えられない。自分の知識や経験、学んできたことっていうのは、体の中に沁みついているものなんですね。一日一日を大切に生きたいと思わせてくれる一冊でした。
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伝説の女性殺し屋が歳を取ったら…
このキャラクターの設定がとても面白い。
そして主人公、マティルドは容赦ない。
マティルドのカオスな心模様に次々と巻き込まれていく人々…
初めて書いた犯罪小説で、既にこんな才能を秘めていたとは、やっぱりルメートルだ。
チラッとSPY×FAMILYを連想しながら楽しめた。
人が歳をとるという現実をこれでもかと書き綴っているけれど、63歳じゃまだここまでヨボヨボにはならないかなぁ。
現実にはプラス10歳くらいのイメージ。
この作品はデビュー前に初めて書いたものだというから、当時のルメートルはまだ若くて、60代がとんでもなく老いぼれて見えてたのかも知れない。
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いろんな目線で話が進んでいき、テンポも良いのであっという間に読んでしまった。感情移入したところで主要人物があっさりと死んでいくのもルメートルらしく面白い。最後どうなるのかと思ったらスッキリ、といったラスト。認知症の殺し屋が認知症の老人に制されるといった発想も面白い。
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訳は悪くないが、細部にミスがある。
銃の口径を三十二、シトロエン2CV を11CVと書いているのは、犯罪小説の訳者としては未熟すぎる。
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六十三歳にして現役の凄腕殺し屋マティルド。しかし老いは容赦なく忍び寄り、彼女は自覚しないうちに認知症の症状に侵されていた。少しずついろんなことを忘れ、忘れたことも忘れ、自分の異変に気付かないままに残酷な殺しをやり遂げるマティルド。彼女の行動に危惧を覚えた司令官のアンリは、やがて苦渋の決断をすることになる。スリリングでハードボイルド、さらにブラックなユーモアも魅力的な、これはまさに残酷な喜劇といいえて妙です。
部屋が片付かない。凶器の始末を忘れる。標的を間違える(この間違え方が酷い!)。いろいろやらかしながらも、殺しの腕自体はまったく鈍っていないがゆえに、マティルドの危険さがとんでもないです。彼女の暴走は傍目には楽しくも思えるのだけれど、まさかあの人もこの人も巻き込まれてしまうとは。そのあたりの物語は普通なら悲劇といえるのかもしれないけど、あまりに淡々として、読み口はまったくもって喜劇なんだよなあ。
マティルドとアンリの、お互いに愛情を持ちながらも決して結ばれることのない関係も絶妙。さて、彼らの対決はいったいどうなってしまうのか。どうなっても行きつく先は悲劇……になりそうなのですが。いやいや、このラストはやはり喜劇としか思えませんでした。そして認知症に陥ってしまった人の切なさが、少し尾を引く感じもします。
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すごいおばさん殺し屋。若い時にすごかったのはわかるけれど、60も過ぎて、誰が見ても太っている、という状態で、とんでもなくキレている殺し屋。
この前に読んだのが『怖い患者』
精神疾患の怖さを改めて突きつけられた感じ。
どうするのこんな人間…と思いながら、残り少ないページが気になり出したが
あまりに呆気ない最後。
外国人著者の作品は、ほとんど読まないが、以前読んだこの著者の本がとても面白かったので。
裏切らない内容でした。めちゃ早く読み終え田。
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ピエール・ルメートルは「その女アレックス」以来で
どんなスタイルの作家だったか忘れてしまっていたんだけど、まあ〜おもしろかった!
ラストは痛快すぎて、声を出して笑ってしまったほど。
ありゃ、こんなこと書いたら不謹慎で物騒な人間だと思われるかも?
何せ全編通して残虐で残酷。だけど根底にはユーモアが漂っている。
認知症を発症した63歳の女殺し屋という設定が
最初は無茶過ぎない?と思ったけど、
その心配はいらなかった。
前に読んだ本のテーマがバイアスだったのだけど、
今回もまさしくそれと同じ。
老人だから何もわかってない、何も出来やしないだろうという偏見を、鼻で笑うかのごとく危機をかいくぐっていく主人公が
同年代である自分には頼もしく思えた。
最近ほんとにいろんな場面で衰えを感じ、
自分に自信をなくしていたところなので。。
そしてこの作品には
もう1人の隠れた主人公がいる。
このお方にも拍手。
老いることが何?
深刻にならないで
今自分が出来ることをやろうよと言われてるようで
ちょっと勇気をもらえた。