道真公とゆかいな神々
2024/10/01 19:55
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
菅原道真公ほか、さまざまな神様が現代に顕現。
世間で普通人に交じって暮らし、神の仕事をしています。
花見に始まり、神有月は出雲で宴会、年末年始の繁忙期には死にかける程働き、雪見酒へなだれ込む。神様の仕事に宴会はつきもの。
道真公は神様としては若手なので、何かと大変そう。
天津神の関係性とか垣間見えて面白い。
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こんなに優しさに溢れたお話ははじめてかもしれない。ちょっと疲れてる人、読んでみて。おれは何回か泣いた。
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八百万の神様がおわします中、藤原道真公が人となって描かれる物語。
私たちは、神様に見守られながら生きている。それを心から感じる、優しいやさしい物語でした。
太宰府だけでなく、天神あたりの情景の描写もございます。土地をご存知のかたは、より楽しめるとおもいます。
心があたたまる、優しいおはなし、おすすめさせていただきます。
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神様と人の子の関わり方を上手に物語にしているなと感じた。最後の菅原道真という人物が一柱として祀られるまでを描いた章が秀逸。読後感は爽やかで短編集なのでさらっと読めてとても良かった。
欲を言えば神様同士の物語ではなく、神様と人の子の関わりを描いた短編がもう少し欲しかった。
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なんと良い、癒される本なのだろう。
とても幸せな気分になれた。
神様を主人公した本は数多く出てるけれど、これが1番好きかも。
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菅原道真は、自分が神と祀られる天満宮の側で質素に人の姿で暮らしている。同様の八百万の神々と交流して酒を呑み交わしつつ。
現代を生きる神さま達は、こんなふうに人間臭くて温かいのかも。そう思わせてくれる優しい物語。ほわっと心がほぐれました。最後の章は涙が止まらなかった。この半年、我が家に起きた変化に「神も仏もいるものか」と思って恨みそうになった。何度も泣いた。でも(これは物語ではあるが)神は居るとしても全てを司り全ての願いを叶える存在ではないのだと思えた。見守ってくれているのかなぁって。
是非ぜひ続編を希望します。
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菅原道真が人の世に紛れて生活している。また八百万の神々も人に紛れて生きている。そんな神様たちの日常のお話し。
ブクログのおすすめで見つけた本でしたが、読んでよかったです。ありがとうございます!
神様も人も変わらないものがあって、でも神さまは温かく懐が広い…
泣けて笑えて温かい物語でした。
最後の章は涙が止まらなかったです。
読んでなんだかすっきりしました、出会えてよかったです!
疲れて癒されたい人、頑張りたい人、色々な人におすすめしたい本です。
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地元大宰府の話だった。ここまで鮮明に物語の舞台を思い起こしながら読める本はないと思う。菅原道真公が歩いた道、行く先々全部知ってる。全部自分の幼少期を過ごした場所。今でも鮮明にわかる。御笠川の春の桜並木も、太宰府天満宮の参道も政庁跡の芝生も全部全部。神様たちはこんな風に大宰府で過ごしてたんやなーって、ただの小説だけど本当のことにように信じてしまった。なんか現代に生きてる菅原道真公のエッセイを読んでみるみたいだった。地元が舞台の小説に出会えてよかった。帰りたくなったらこれを読めばいつでも帰れる。
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神である菅原道真は三十男としてアパート暮らししている。好物は卵かけご飯/入試のお礼参り時期の太宰府天満宮/天満宮での神々の花見/エアコンを買いに/キャンプで四苦八苦/神無月・神在月での神々のバトル/自分のための神事に遅刻した/大晦日から新年の神さまはもうたいへん/瀕死状態で二日市温泉で湯治/菅原道真が神になるまで(ラストがこの話なのは辛いので、途中に入れて欲しかった)。
■簡単な単語集
【天津神】高天原の神々。あるいはその子孫。あんまり地上に降りてこない。強烈な神威で肌と目が焼ける。
【天照大御神】神様のトップ。伊勢神宮からなかなか離れられないので神無月にも出雲に顔を出すことはあまりない。
【天之自在炬燵】神様たちのビンゴ大会の景品としてえびす神がもらった。
【綾子】菅原道真生前の側室。寡婦となり友人だった宣来子が側室にとすすめた。紅姫(小紅)と隈麿(熊)を生んだ後亡くなった。
【宇迦之御魂】いわゆるお稲荷さん。そのトップ。イメージ的には女性の姿だが、ここでは老爺のようだ。菅原道真が神になるときの恩人らしい。天津甘栗が好物。
【エアコン】エアコンを使わずに就寝し熱中症で神去してしまう神々が増えている。
【榎社】神が祀られていない小さな神社。菅原道真公の御霊が年に一度戻って来る。
【えびす神】蛭子命。菅原道真の友人となった。三貴子よりも古い神だがカウントされておらず、葦船で海に流されたどり着いた先でえびす神となった。当人は「最古のネグレクト」と言い、いまだに伊邪那岐命とは不仲。
【大山武蔵坊】大天狗。愛車はハーレー・フリーウィーラー。全国のキャンプ地を周っている。バリトンボイス。武蔵国で金属加工の会社を経営している。
【尾瀬】太宰府天満宮の開闢稲荷社の狛狐。神無月に宇迦之御魂のお供をした。
【花伝幸彦】家電製品の神。
【加藤清正】神の一柱。体育会系。ワイルドなアイドル系の風貌。《きっと毎晩、ナイトプールで美女を侍らせ、フットサルに興じているに違いなかった。》p.48
【神ハラ】新しい神は古い神に逆らえない。
【神無月】出雲に集まるようになったのは意外に歴史が浅く、平安時代に大国主命が提案したらしい。宇迦之御魂が稲刈りが終わった十月が良いと助言した。
【国津神】地にいた神々。
【警固神社/けごじんしゃ】御祭神は大直毘神、八十禍津日神、神直毘神。
【顕現】人から神になった者は全盛期の姿で顕現する。菅原道真は三十代後半、神功皇后は二十代半ば。
【珈琲豆の神】世界中のコーヒーショップが社。
【三貴子】天照大御神。月夜見尊。素戔嗚命。の天津神とトップスリー。
【神威/しんい】神様の超能力。菅原道真は雷を使えるので携帯電話の充電ができる(失敗すると故障のもととなる)。えびす神は卵の白身を泡立てることができる。
【神功皇后】神様の一柱。女子大生っぽい姿をしている。かつて妊娠中に戦の指揮を取った女傑。
【静】菅原道真の神使。鷽。
【菅原道真】主人公。神様。いわゆる天神さん。今は三十男の姿でアパート暮らしをし太宰府天満宮に通勤している。本体は天満宮に��り、アパート暮らししているのはアバターみたいなもの。好き嫌いは少ないがパクチーは苦手。
【少名彦命】男子高校生くらいの姿をしている。かつては大国主とともに国造りをした偉大な神様。本来の姿は鶫のせに跨がれるほど小さい。一寸法師のモデルという説も聞いたことがある。最近ギャンブに目覚めアウトドア関係の会社に就職し「砂川彦介」という名を名乗っている。目指せ! アウトドアの神!!
【素戔嗚命】ハラスメントの権化。かかわりたくないが無視はできない。自慢話、説教、武勇伝しか話さない。妻の櫛名田比売にいいように操られている。
【多紀理姫】宗像三女神の長女。天照大御神と素戔嗚命の誓約から生まれた。見た目は二十代半ば。目力が強い。超ウワバミ。
【卵かけご飯】菅原道真の好物。宇迦之御魂に教えてもらった。
【玉依姫】竈門神社の祭神。ふんわりほわほわとした可愛らしい女性の姿。恋愛成就の神として知られていたが最近鬼退治のマンガ、アニメがきっかけでさらに知名度が上がり参拝客が爆発的に増えた。
【月夜見尊】天照大御神の弟、素戔嗚命の兄。神界一美しい神とされ実のことろ性別は不明。月で炬燵に入り兎と双六をしている。
【徳川家康】新しい神。
【常世の国】永遠の黄昏が続くこの世でも黄泉でもない場所。
【宣来子/のぶきこ】菅原道真生前の妻。毅然とした性格。
【花見の場所取り】九州の神々が一堂に会する。一番新参者の神様よ仕事なので毎年菅原道真がすることになっている。
【豊前坊】英彦山の大天狗。愛車はランボルギーニ。
【二日市温泉】神様が選ぶ福岡ベスト温泉ランキング上位に入る。
【根の国】素戔嗚命が一人暮らしている不思議空間。
【藤原時平】菅原道真を島流し(形の上では左遷)にした張本人(と思われる)。
【美佳子】国津神御用達の旅籠「白兎」の女将。八十を超えている。
【宗像三女神】多紀理毘売命。市寸島比売命。多岐都比売命。おそろしい酒豪。天照大御神と素戔嗚命の誓約から生まれた。
【名刺】菅原道真の名刺は持っている。「非営利法人 八百万 菅原道真」と書かれている。ちゃんと高天原で発行された真面目なもので焼いても濡らしても損なわれない不老不死の名刺。
【八百万の神々】文鎮の神。蚤の神は若い女性の姿。インターネットの神。
【遊戯の神】古い神だが時代に即して姿を変える稀有なタイプ。
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神様達の日常を現代社会に溶け込ませながら楽しく描いています。新しい神様の発想は面白いですね。家電の神様とか。
天神様が主人公ですが、最後の道真時代の話は涙が出てきました。とても温かい人柄で家族にも優しくて。
日々を大切に生きたくなります。
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この国の八百万の神々は人間社会に紛れて生きている、という設定。そんな神様達が氏子たちを見守る眼差しは優しく、温かい。牛に休暇を出したから鯛に牛車を引かせる、などクスリとする場面もあり。現代に生きる日常の幸せに気づく素敵なお話だった。読んだ後は神社にまたご挨拶に行こうかな、という気になる。
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つくづく嗣人さんって多才な方だ。
数多の怪異を記し、おどろおどろした作品の書き手かと思いきや、『ひと』の小野寺さんの様なヒューマンコメディ然とした今作(全然ヒューマンじゃないし、『ひと』は喜劇じゃないか…失礼)、これは楽しいな!
だけど、
最終章を読み進めるにつれ…怖。
それはそうか、日本三大怨霊と数えられる一柱の御方、その由縁が語られない訳が無かった。
今、読んでいる最中の小説の中に「怨嗟とは強者に虐げられた弱者達の歯軋り程度に過ぎない」と云った内容の一文があったのだが、それこそ歯噛みしてこの一文に目を通した私からすれば、菅原さんの憤怒はあって然るべきと思えるし、箇条書きで淡々と綴られた仇どもの末路には胸をすくものを覚えた。
何が悪い!と。
さて、
作品の様にうつよに顕現しては居ずとも、神様は絶えず人の幸せを考えていて下さるのかも知れないなぁと今作を読んで思った。
その上でその好意に常に泥を塗っているのは我々人間だ。
『仏の顔も三度まで』と云うが、この世界はとっくにその期限を超えている…それもここに極まれつつある。
神様たちがいつ業を煮やしイカズチを堕としたとしても、全く以て不思議ではない。
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八百万の神々が人間の姿を借りて、人々の安寧を祈りながら現代日本で暮らしているお話。主人公は太宰府天満宮に祀られている菅原道真公。ほっこりして優しいお話。ドラマの「全領域異常解決室」を観ていたので馴染みの神様が出てきたりで楽しかった。最後の章は切なかったな。
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太宰府を中心に綴られる神様たちの話。
人と同じように肉体を持って現代に生きている神様たちの生活が面白い。
新しいものが出るたびに新しい神様がうまれるとかとても日本的。
全体的に神様が人の幸せ願いすぎててそんな手厚いことある?とは思うけど、優しい世界なのでまあいい。
それだけに菅原道真が天神になった物語部分は読んでいてなかなか辛かった。
年表部分は淡々としているだけにより怨みの深さが滲んでくるというか。
めちゃくちゃ長いこと祟ってるもんなぁ。
廟作っても追贈しても祟り続けてるの当時の身に覚えあった人たちはさぞかし怖かっただろうなちょっとざまあみろとは思った。
他の神様バージョンも見てみたい。
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神様たちが地上で普通に人間と同じ生活をしている。菅原道真もまた、普通の中年の男性として電車に乗ったりしながらも、神社のお祭りや年末年始には、神社にお参りに来た人々の願いの助けをしていた。色々な神様達のどんちゃん騒ぎをしながらも人間の幸せを願っている楽しい話かと思っていたけど、終盤の菅原道真が神様になった経緯の話になったらすごい壮絶な過去に驚いた。祟り神となってしまった道真を救ったのは、幸せにする事が出来なかった愛しい子供達だった。最後は涙なしでは読めなかった。