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バックオフィスと聞いても実はそこまでピンと来ていなかった。自分は入社以来、工場現場におり、いわゆるフロント部隊にいたからかもしれない。
この本は本当によく網羅されている内容だと感じた。いわゆる本社組織やコーポレートと呼ばれる部門の人たちがどんなことをしているのかがわかる。そしてただ単に実務内容を網羅するだけではなく、ところどころでラーニングピラミッドの話やメラビアンの法則の話、標準化業務と汎用化業務と専門家業務と複雑化業務の違い、各部門でどのように付加価値をつけてこれからの戦略的バックオフィスになっていくか、さらにはテレワークやDXなどのチップスも含めて非常に実務的で学び多く腑に落ちる内容が多いと感じた。
わたし自身はMBAを持っているが、MBAで学んだ内容を整理する上でも良かったように感じる。管理会計は経理財務ではなく経営企画の仕事になっているということなどは改めて知ったことだし、総務の業務が環境を整えることであり、そのためには様々な要素を考慮してオフィスが構築されているのだとも感じた。
会社がどのような業務、どのような人たちで成り立っているのかといった全体像が見えてきたし、詰まるところ経営者の視座を得るという点でもこの本は役立つのではないかと感じた。「バックオフィス業務を知り、会社経営の全体像を掴む」といったタイトルの方が本当はいいのかもしれない。
この本を読んで個人的にはフロントオフィスよりも戦略的バックオフィスの方が合っているのかもしれないと感じた。