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投稿者:ちひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方に伝わる逸話、伝承を収集した、とあったので、伝説、神話の類なのかと思ったら、意外と人間ドラマのようなものもあって驚いた。
解釈せずに記録する、エスノグラフィーとはこういうことなのかと思った。
西洋化していく明治時代に、東北の山村に焦点を当てた。
現在では、かなり少なくなったが、今も残る日本を辿ることはできる。
目を向けるきっかけに。
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遠野物語をベースにした短編集。
漫画の世界観の良さと、遠野物語の生々しさが両立されていて上手いなぁと思う。
各作品の後にその話の元となった話が紹介されていて、改めて遠野物語を読みたくなった。
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遠野物語、タイトルは知っているが読んだ事がない。漫画なら少しはわかりやすいかと思って読んでみたが、全然わからなかった(´・ω・)
特にわからなかったのが河童の子。
産まれた子は普通の赤子に見えるが、河童なの?ヒトなの?
人の子を河童の子が産まれたとして間引いているという事なのだろうか?
「…で?」 と言いたくなる話は苦手だ。
おおかみがいた は、もののけ姫とシートン動物記の狼王ロボを思い出した。
私には合わない。 という事はわかった。
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言わずと知れた、柳田國男の名著、その漫画化。
「オシラサマ」「河童」「狐」「御犬」の四話が収められている。
オシラサマは養蚕の神、狩りの神、女性の病気の神、etc. ・・・ その由来の物語。いかにも昔物語っぽい構成。
遠野物語といえば、河童 やね。人間社会の闇を、架空の生き物に託して語る、これも神話的なテンプレート。
狐の不思議な話は、全国に残る。その昔、狐は人語を解し、人間に化けて人を騙すことが本当にあったのかもしれない。
御犬、ニホンオオカミのこと。なぜ、御犬は滅びることになったのか。人間世界の膨張による自然との力関係の変化。オオカミの存在とともに、我々が大切なものを失っていく物語。
昔話、神話、言い伝え、妖怪伝説、あらゆる物語に通底する、日本の文化、あるいは人間の本性に迫る物語。
こうした、フィクションを通じて、昔の人は、大切なことを子々孫々、印象的に心に残るように脚色して伝えてきたのだな、ということが良くわかる。
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『遠野物語』を読んだのは多分小学生か中学生くらいのときだったような気がする。改めて漫画として読むと不思議な世界観がある。また遠野に行きたくなってきたし、原典を読みたくなってきた。
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柳田国男の『遠野物語』をコミカライズする、というなかなかに挑戦的な作品ですが、動物の描き方がめっぽうお上手な作家の鯨庭さんなので、安心して読めました
以前の作品の『言葉の獣』を読んだ時にも思ったのですが、人間よりも動物を描く方がお好きな気配をひしひしと感じます
そして美しく凛々しい姿よりも、怪我や病に見舞われた様や、狂気に歪む表情を描かれるのがお好きなんだろうなとも感じます
ところで、以前には絵本の形で遠野物語を読んだのですが、そちらはきつねの逸話を集めた作品でした
そのきつねの話がこちらにも収録されていましたが、特に悪事を働いたわけではないきつねがあえなく人間に刺殺される話なので
「こういう原作なら仕方がないのか…いやしかし…」と、きつね好きとして忸怩たる思いにかられました
しかし、監修の石井和己さんの解説で若干この件について突っ込みが入っていたので、少しだけ溜飲が下がりました 少しだけですが
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漫画、リアリティーに欠ける~馬と花冠・河童の子・狐は夢・おおかみがいた~リアルにすると気持ち悪いけどね。断片を繋いでストーリーにしてる
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原作の遠野物語は未読だけど、『もののけ姫』の世界みたいで面白かった。もっと他のエピソードを読んでみたいけど、原作そのままは難しいなぁ…
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遠野物語、漫画で読みやすい。もう日本にいないニホンオオカミや最近震災のことで話題になったオシラサマまで。
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まさにもののけ姫の世界でした
山神様の元で暮らしていた多くの狼が人間が山に入り込んできた為に激減していく
鹿も動物たちが減っていく
人間の愚かさを物語っていた
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鯨庭さんの作品が結構好きなので読みました!
この作品は遠野物語の行間を「補足」して創られた物語で、遠野物語原作をそのまま漫画化したものではありません。
鯨庭さんの「驚きながら、あなたも言い伝えの断片にある隙間について想像してみてほしい」という言葉の通り、遠野物語本編を読んだ上でこの作品を読み、実際に遠野を訪れてみて「言い伝えの断片にある隙間」を考えてみてほしい。人の営みを語り継ぐ意味や必要性、そもそもなぜ人は物を語るのか、原点に立ち戻るきっかけを与えてくれる経験になると思います。
昨年の夏に遠野に行った。花巻から電車で訪れたところ、確かに柳田國男が紹介しているように、周りを山に囲まれた真緑の盆地が広がっていて、風は木のよい匂いがして本当に驚いた。本当に風から木の匂いがした。
自分は遠野住民ではないために遠野の抱える問題等は何も知らないので一観光客という外野の立場から好き勝手言ってしまってると思います、と前置いて述べるが、遠野は人智を超えた脅威の自然と人間とが昔から共に生活を営んできた土地であると感じました。厳しい東北の自然環境に身を置く共同体のなかで人から人へ連綿と語り継がれる物語や時間を経て形を成した信仰が根差す土地のたいへんな歴史が強く迫ってきた覚えがあります。人じゃないものがたぶんここには見えないけど居ますね……という謎の確信を得て帰ってきました。また遠野に行きたいです。
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柳田國男の名著「遠野物語」 今まで何度か挑戦してみたがその時は通読不可。遠野物語のエッセンスの一部に触れられた。角川さんのkadokawa masterpiece comicsに感謝。
さてこれらの話は「全て実際にあった出来事」である。怪異譚とも怪談ともとれる。自然への畏れ、妖怪との邂逅。現代では全て失われてしまったものかも知れない。然し確かにこれらのものは存在していたのだと我々は理屈抜きで感じてもいる。
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どの話も思った以上に気味が悪かった。実話がベースとすると余計にゾワゾワする。
本当にすべて実話だとすれば、現代の科学的な視点で考えれば殺されずに死なずに済んだはずの、こども女性たちがいる。思い込みや習慣で殺されるって怖い時代だ。
でも今の時代が、この時代に比べて豊かだとか優れているとは簡単には言えない気がする。
ヒトと自然の境界ってあいまいだったり、あったとしても対等な関係だったこの時代。(特に「おおかみがいた」はもののけ姫の舞台だなと思った)
一度でいいからタイムスリップしてみたいな〜。