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面白かった!司書資格を取ってからずっと図書館情報学は追い続けているけど、1番推したい!筆致が柔らかくて読みやすいし、ゆるいけど、研究を垣間見れる。しかもテーマも興味をぐいぐいくすぐられる!母校・同志社の先生という運命!!こんな本また出てほしいなあ。
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2.本棚のどこにあるかで使われ方は変わるのか
6.雨が降ると図書館利用は増えるか、減るか
9.図書館を使っているのはどんな人々か
が興味深かった。
図書館情報学は"フィールド"の学問、図書館という対象物に方法を試行錯誤しているというのが肌感として伝わった。
※学問の分野を表す呼び方は他に"ディシプリン"といい、こちらは方法論が先のタイプ
図書館のことを教えてくれる本ではなく、タイトルのとおり、『図書館を「学問」する』ことについて、問いの立て方やデータ分析の方法なども交えて教えてくれる本だ。
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【目次】
はじめに――なぜ「図書館を「学問」する」姿を本にするのか
第1章 図書館の本棚はいっぱいにならないのか
1 捨てて怒られる図書館員あれば、捨てずに怒られる図書館員あり
2 日本の図書館は、年間一千万冊くらい本を捨てている
3 図書館が本でパンクする日はいつくるのか
4 「現代あるいは、近未来除籍編」序論?
第2章 本棚のどこにあるかで本の使われ方は変わるのか
1 職業研究者の第一歩、「科研費」と私
2 図書 “館” の強みは書架とブラウジングである
3 新たな発見を促す本棚=目につく位置に「思いもしない」本がある本棚
4 視線追尾装置、登場!
5 書架は三段目までが七割(もしくは二段目までが八割)
第3章 図書館の本棚に書かれている数字はなんなのか
1 「書架番号」、じゃまじゃない?
2 VR実験の概要と結果
3 われわれのVR実験はまだ始まったばかりだ!
第4章 なぜ図書館は月曜日に閉まっているのか
1 ところで本当に月曜日に閉まっているの?
2 月曜日に閉まっているのは、日曜日に開いているからである
3 月曜日休館の妥当性
第5章 図書館を訪れる人は増えているのか、減っているのか
1 大ざっぱにみると――日本全体は2018年に久しぶりに減、都道府県立図書館は微減
2 細かくみると――3分の2の図書館は微減傾向,3分の1は大幅増傾向
第6章 雨が降ると図書館に来る人は増えるのか、減るのか
1 晴耕雨読にあこがれて
2 天候と貸出冊数、ついでに曜日の関係
第7章 どんな図書館がよく使われているのか
1 先行研究――実は一段落した研究?
2 結果その1――30年を経ても精度は健在
3 結果その2――単純な全国展開は微妙?
4 結果その3――貸出関数が使い物になる地域とならない地域の違いがわからない
第8章 人はどのタイミングで図書館を使うようになるのか
1 新規登録者ってどんな人?
2 新規登録者はそのまま定着するのか?
第9章 図書館を使っているのはどんな人々なのか
1 世の中には7種類の図書館利用者がいる
2 図書館利用者のクラスタリング――アメリカでの先行事例とNDL情報行動調査への適用
3 俺たちのクラスタリングはまだ始まったばかりだ!
4 終わると思った? もう少しだけ続きます――近年のクラスターの変化
第10章 図書館に税金を使うことは人々にどれくらい認められているのか
1 背景――図書館の「インパクト」をどう測るか
2 インパクト測定の一手法――仮想評価法
3 NDL情報行動調査(2020年度)での支払い意思額の状況
4 「千円以上払ってもいい」と思う人かどうかを予測する!……のは難しかった
第11章 子どもと行きたいのはどんな図書館か
1 子どもがいる図書館情報学者あるある―��案外、自分は子どもを図書館に連れていっていない
2 「子どもの付き添い」で図書館に行く人の特徴
3 子どもがいる図書館に行く街/行かない街/行きたくても行けない街
4 子どもの有無と図書館に行った/行かなかった/行きたくても行けなかった
5 自治体の特徴
6 図書館の特徴
第12章 「あなた」はなぜ、図書館に行くのか
1 図書館利用をモデル化したい
2 データと分析手法――NDL情報行動調査のデータをロジスティック回帰にかける
3 結果――囲碁・将棋が趣味の人は図書館を利用する
第13章 人々は図書館のどんな写真をSNSで発信しているのか
1 していない「Instagram」について堂々と語る方法
2 「Instagram」×図書館――データ取得篇
3 ハッシュタグ分析――本と図書館にはコーヒーがよく似合う
4 固有名詞分析――いまフォトジェニックな図書館はここだ!
5 画像分析――木のデスク・複数冊・子ども
6 フォトジェニック坂は登り始めたばかり
第14章 図書館への就職希望者が増えるのはどんなときか
1 何が図書館員の就職戦線を規定するのか
2 就職内定率と司書資格取得者数の推移
3 いまがチャンス!
おわりに
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なぜいっぱいにならないのか。解のひとつを体験したことがある。学生の時期に書庫の整理を命じられ、貴重なものを廃棄にする作業をした。資料が残ることは尊いのだが、保全の意図のないところに、利用の可能性がひくいところにおいておけない。なので、除籍についての研究があったらと思ってよんでみたのだが、除籍についての学術的研究は現時点ではあまりないらしかった。あの廃棄の仕事があまりにも過酷で病んだので、除籍についての理論、実践が書かれていく将来を期待したい。
とはいえ、この本は、疑問に思うことを考えて説明するという営みのわくわく感にひたれて、昨今の読書のなかでは特別によい経験となった。同時に、図書館のシステムを維持する方々のご苦労も伝わってきて、どこで生きていてもつらいご時世なのだとも感じた。
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1年で1館あたり5000〜6000冊捨てられているというのが衝撃だった。
たしかに、新しい本はどんどん出てくるから入れ替えていかないと保管場所はないのだろう。
図書館の利用目的として、企業相談や人生相談のニーズが出てきていたことが意外だった。
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『図書館を学問する』は、図書館の役割や意義を多角的に掘り下げた一冊です。単なる本の貸し出し施設ではなく、知のインフラとしての図書館の可能性が語られ、普段見過ごしがちな図書館の奥深さに気づかされました。利用者としての視点だけでなく、図書館を支える専門職の思いや課題にも触れられており、図書館の未来を考えるうえでのヒントが詰まっています。知る楽しさを再認識できる、知的好奇心を刺激する本でした。
司書を目標にしていた時期に読んでいたらもっと面白かったかなと思いました。
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図書館関係の雑誌「ライブラリー・リソース・ガイド(LRG)」で連載された「かたつむりは電子図書館の夢を見るか(LRG編)」のピックアップかつブラッシュアップ本。図書館関係者には役立つ内容が多く、加えて今後の図書館学の研究提案、研究の試行錯誤ぶりも読んでいて楽しめる。
本の副題などのとおり、テーマの設定がとても面白く、「なぜ図書館は月曜日に閉まるのか」、「図書館はどんな人が使っているのか」など知ってみたい事柄が多い。コロナ後に現れた利用者「意識が高い若者」というの「言われてみれば…いるかも…」と感じた。
図書館の当たり前を改めて調査すると、よりよい未来につながるかもなので、自分も楽しみながら図書館について再考したい…
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1人の図書館愛好者として手に取った。もちろん図書館で…
図書館が直面する課題が豊富な統計を元に示されていて、ますます図書館を使い倒したくなった。著者の思い立ったらすぐ調べるという姿勢が読んでいて気持ちよい。
表紙にある図書館の棚がいっぱいにならない理由のほか、月曜休館が多い理由、どのタイミングで図書館利用が始まるのか?などはいずれも読んで納得。同時に、各方面から期待されている図書館ゆえのジレンマ、トリレンマ?が浮かび上がる。
利用者の属性もかつての7分類からコロナを経た現代の変化もあり、興味をそそられた。しかし、意識が高い若い人は起業相談や中小企業診断、人生相談に図書館を使いたいのか!というのは発見。本の貸出、閲覧ではないのね。コミュニティの場としての図書館の場所が変わっていくのか興味深い。オーソドックスなヘビーユーザーである私からすると変わってほしくないが、税金で運用される場所なので、さてどうなるか。
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感想
図書館から世の中を覗き見る。言われるまで気が付かない疑問。そこには物事の本質が隠されているかも。ではどう解き明かすか。その方法論。
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図書館の意義や役割を、身近な疑問や内部の人々の仕事から
分かり易く解説する。図書館の魅力をも伝える。
・はじめに――なぜ「図書館を「学問」する姿を本にするのか
第1章 図書館の本棚はいっぱいにならないのか
第2章 本棚のどこにあるかで本の使われ方は変わるのか
第3章 図書館の本棚に書かれている数字はなんなのか
第4章 なぜ図書館は月曜日に閉まっているのか
第5章 図書館を訪れる人は増えているのか、減っているのか
第6章 雨が降ると図書館に来る人は増えるのか、減るのか
第7章 どんな図書館がよく使われているのか
第8章 人はどのタイミングで図書館を使うようになるのか
第9章 図書館を使っているのはどんな人々なのか
第10章 図書館に税金を使うことは
人々にどれくらい認められているのか
第11章 子どもと行きたいのはどんな図書館か
第12章「あなた」はなぜ、 図書館に行くのか
第13章 人々は図書館のどんな写真をSNSで発信しているのか
第14章 図書館への就職希望者が増えるのはどんなときか
・おわりに
「図書館を学問する」様子とはどういうものか?
その研究内容は・・・
本の廃棄・除籍は、何を保存するか。何を捨てるか。
人が本棚を見るときの特性からの配架の場所。
書架番号。月曜閉館は日曜開館だから。図書館の来館者数。
気候と曜日と貸出冊数。貸出回数を予測する貸出関数。
新規利用登録者の利用動向。
図書館利用者を7つのクラスターに分けて考える。
支払う税金のうち図書館サービスに使われる金額は?
図書館利用はどんな要因が影響しているのか。
SNSでの#図書館を分析する。図書館への就職について。
かつて学校図書館に図書館司書資格を持って勤務した
私としては、なかなか興味ある内容でした。
全国津々浦々、図書館は千差万別だから、
研究するのは大変だけど、価値があります。
外からだけでなく中からも知らない問いを気づかせてくれるし、
正規図書館員への就職活動は大変だったな~とか、
本の廃棄・除籍はしんどかったよな~とか、
つい過去を思い出してしまいました。
足りないことがあるとすれば、移動図書館の実態と、
図書館でのイベントについて。
中の人たちの試行錯誤と努力の研究も欲しいと思いました。
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何かで紹介されていた。図書館のヘビーユーザーなので読んでみた。
大学で図書館学を研究している著者が、学問的に図書館を説明している。
学問として図書館を知りたかった訳ではなく、地元の図書館のヘビーユーザーであり、出先でも図書館があれば行ってみる図書館好きとしては、もっと図書館に対する知識が深まったらいいなあと思ったのだけど、期待していた内容ではなかった。
それにしても1ヶ月も延滞しておいて図書館研究者あるあるとはあきれる。そんな人は図書館を使わないでほしい。ただの迷惑な人。
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作者の佐藤 翔(さとう しょう)同志社大学教授は、「日本には現在、3292館の図書館があり、所蔵する図書・雑誌などの資料は4億6千万冊以上。日本人の5人に1人は年に1回は図書館で本を借りていて、日本社会で図書館は比較的重要な位置づけにある存在だといえる」と語ります。
なぜ「図書館を「学問」する」姿を本にするのかに答える本書は、幅広い分野にわたって詳細に説明されています。
わたしたち利用者については、第9章に書かれていました。
第9章 図書館を使っているのはどんな人々なのか
1 世の中には七種類の図書館利用者がいる
として、
①貸出中心・都市図書館利用者
年齢・性別等に大きな特徴なし。居住地が政令指定都市あるいは東京特別区
②貸出中心・地方図書館愛好者
平均年齢はやや高め、女性が多め。非都市圏居住者。
③場所としての図書館利用者
やや男性が多め。利用頻度・貸出は少ない。
④子どもの図書館利用同行者
女性が多め、世帯年収がやや高め。家事専業の人が多い。
⑤情報拠点・コミュニティー基盤としての図書館愛好者
年齢高い。男性が多め。高学歴。退職者多い。
⑥消極的図書館利用者
やや女性が多め。高卒・短大卒多め。年収やや低め。無職の割合高め。
⑦非定型利用者
年齢高め。女性が顕著に多い。大卒が少ない。
が挙げられ、分析されています。(詳細は本書でご確認ください)
そして、他には、利用者クラスタ分析のひとつとして、利用者を
①読書家
②たまたま使った
③子どもの付き添い
④意識が高い若者
⑤パワーユーザー
⑥その他
に分けて分析しています。興味深いです。
図書館利用者の分析は、ユーザーサービスの方針や、建物設計・レイアウト、選書などに影響する他、各図書館の個性化にも活かせるのではないでしょうか。
専門的な記述もある本書ですが、利用者が利用しやすい図書館づくりを考えるためにも、わたしたちが図書館の現状と課題について知っておくことは良いことだと思いました。
本書は、以下の構成で書かれています。
はじめに――なぜ「図書館を「学問」する」姿を本にするのか
第1章 図書館の本棚はいっぱいにならないのか
1 捨てて怒られる図書館員あれば、捨てずに怒られる図書館員あり
2 日本の図書館は、年間一千万冊くらい本を捨てている
3 図書館が本でパンクする日はいつくるのか
4 「現代あるいは、近未来除籍論」序論?
第2章 本棚のどこにあるかで本の使われ方は変わるのか
1 職業研究者の第一歩、「科研費」と私
2 図書“館”の強みは書架とブラウジングである
3 新たな発見を促す本棚=目につく位置に「思いもしない」本がある本棚
4 視線追尾装置、登場!
5 書���は三段目までが七割(もしくは二段目までが八割)
6 今後に向けて
第3章 図書館の本棚に書かれている数字はなんなのか
1 「書架番号」、じゃまじゃない?
2 VR実験の概要と結果
3 われわれのVR実験はまだ始まったばかりだ!
第4章 なぜ図書館は月曜日に閉まっているのか
1 ところで本当に月曜日に閉まっているの?
2 月曜日に閉まっているのは、日曜日に開いているからである
3 月曜日休館の妥当性
第5章 図書館を訪れる人は増えているのか、減っているのか
1 大ざっぱにみると――日本全体は二〇一八年に久しぶりに減、都道府県立図書館は微減
2 細かくみると――三分の二の図書館は微減傾向、三分の一は大幅増傾向
第6章 雨が降ると図書館に来る人は増えるのか、減るのか
1 晴耕雨読にあこがれて
2 天候と貸出冊数、ついでに曜日の関係
第7章 どんな図書館がよく使われているのか
1 先行研究――実は一段落した研究?
2 結果その1――三十年を経ても精度は健在
3 結果その2――単純な全国展開は微妙?
4 結果その3――貸出関数が使い物になる地域とならない地域の違いがわからない
第8章 人はどのタイミングで図書館を使うようになるのか
1 新規登録者ってどんな人?
2 新規登録者はそのまま定着するのか?
第9章 図書館を使っているのはどんな人々なのか
1 世の中には七種類の図書館利用者がいる
2 図書館利用者のクラスタリング――アメリカでの先行事例とNDL情報行動調査への適用
3 俺たちのクラスタリングはまだ始まったばかりだ!
4 終わると思った? もう少しだけ続きます――近年のクラスターの変化
第10章 図書館に税金を使うことは人々にどれくらい認められているのか
1 背景――図書館の「インパクト」をどう測るか
2 インパクト測定の一手法――仮想評価法
3 NDL情報行動調査(二〇二〇年度)での支払い意思額の状況
4 「千円以上払ってもいい」と思う人かどうかを予測する!……のは難しかった
第11章 子どもと行きたいのはどんな図書館か
1 子どもがいる図書館情報学者あるある――案外、自分は子どもを図書館に連れていっていない
2 「子どもの付き添い」で図書館に行く人の特徴
3 子どもがいる人が図書館に行く街/行かない街/行きたくても行けない街
4 子どもの有無と図書館に行った/行かなかった/行きたくても行けなかった
5 自治体の特徴
6 図書館の特徴
第12章 「あなた」はなぜ、図書館に行くのか
1 図書館利用をモデル化したい
2 データと分析手法――NDL情報行動調査のデータをロジスティック回帰にかける
3 結果――囲碁・将棋が趣味の人は図書館を利用する!
第13章 人々は図書館のどんな写真をSNSで発信しているのか
1 していない「Instagram」について堂々と語る方法
2 「Instagram」×図書館���―データ取得篇
3 ハッシュタグ分析――本と図書館にはコーヒーがよく似合う
4 固有名詞分析――いまフォトジェニックな図書館はここだ!
5 画像分析――木のデスク・複数冊・子ども
6 フォトジェニック坂は登り始めたばかり
第14章 図書館への就職希望者が増えるのはどんなときか
1 何が図書館員の就職戦線を規定するのか
2 就職内定率と司書資格取得者数の推移
3 いまがチャンス!
おわりに
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データに基づき図書館の疑問を解説。利用者の視線から見る配架の分析やInstagramと図書館の関連性など気になるテーマが多く掲載されています。解析手法は専門的ですが、筆致は柔らかいため読みやすいです。ただ、利用者や図書館職員の声があればもっと面白くなるなと感じました。
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図書館に関するデータ分析をして傾向が見えたり見えなかったり。いろんな研究があって面白い。書架の最下段が目に入らないのは確定。
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ブクログで知ってから読むのをずっと楽しみにしていた本。
アカデミックな内容ながら、読みやすい文章で親しみが湧く。
内容も「なぜ図書館は月曜日に閉まっているのか」「雨が降ると図書館に来る人は増えるのか、減るのか」等取っ付きやすいトピックばかり。
著者の、研究において「とりあえずやってみよう」の精神で調べる姿勢が好きだな。
具体的な表やグラフがあるので、結果を視覚に反映させやすい。
子連れの図書館に求めるもの、という視点が自分にはない発想で面白かった。たしかに図書館だけより周りの施設が充実していたほうが寄りやすい。
肩肘張らずに読める本なので、図書館や本が好きな人なら一読の価値あり。