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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夫の不倫相手に迫られた妊婦、祖父を殺した母、死に魅せられた女など、極限状態の欲望が意思を持ったように増幅し、不気味なほど美しい世界を描き出す。心地好い裏切りが堪らない9つの短編集。
人の心の奥の奥を描くと、行き着く先はホラーなのかもしれない。そんな考えが読後に強く芽生えた。
最後を除き、どれも妬みのようなものが発端となった共通性を感じる展開だが、設定を変えるだけでここまで違う種類の恐怖が生まれるのか、と戦慄した。小さな蟠りがジワジワと心に根を張っていく執念深さと、対極の無垢さ、そのアンバランスさが共存した独特の世界観が光る作品。
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初めて読む作家さん何の情報もなく読み始めたところ物凄いの一言イヤミス、耽美小説、SF、妄想文学、とありとあらゆる要素を詰め込んだいまだかつてない傑作だと思います。そして難解極まりないのに読みやすく次回作を期待してやみません。定点観測間違いなしの作家さんだとつくづく感じました。あなたも読んで難問を解くように楽しんで読んでみて下さい。
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短編9篇。初読み作家さん。表紙に一目惚れしてしまった。仄暗いドロっとした雰囲気で作品の空気感はピリっと存在し頭に映像が浮びやすかった。
「真夜中のドライブ」が好み。
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短編集で読みやすい。
最初の「あやか」と最後の「赤い傘」
がよかった。
不気味なお話もあり、
じんっと温まるお話もありました。
ちょっと?っていう話もあったけど面白かった!
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いろんなジャンルの生と死が描かれていてラストのゾッとする感じが堪らない。語り口調が軽やかなのとは裏腹にドンドン深みにハマっていく。最後の短編が一番印象的でした。
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心揺らぐ感覚が押し付けがましくなく、どこか「あぁ、私もこの感情に覚えがあるな。」という親近感から一気読みしました。装画が美しい。
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一話目の『あやか』を皮切りに、予想外の展開で楽しませてくれる短篇集。
『あやか』のラストは、意味が分かった瞬間に鳥肌が立ったほど。
『真夜中のドライブ』は、毒を孕みながらも爽やかな読み心地がとても良かった。
『これだから女は』には、してやられた感が強くて悔しい。
とは言いつつも結構好きだけど。
どの短篇もこちらの意表を突いてくるので、頁を捲るのがとても楽しい。
中でも、最後の『赤い傘』にはホント良い意味で裏切られた。
初回出荷限定の『永遠のケンマコ』も好きだなあ。
これは買って正解でした。
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いろんなテイストの詰まった短編集。
ほんとにこの一冊でいろんなジャンルが楽しめる。
後味の悪いイヤミス?っぽいものが多めだったけど、それだけじゃない。
個人的には「赤い傘」がすごく好き。
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丸木文華(まるきぶんげ)さん
今までBL・TL等で既にとてもご活躍の作家さん
私は初読ですが、みんみんはきっと読んでいらっしゃることでしょう
BL小説界から新たな刺客かなと
この素敵な装丁ごと気になっていました
イヤミス系短編9編と
初回出荷ショートストーリー(別紙)
“残酷な現実に甘美な虚構を纏わせて
私は必ず幸せになってやる”
そんなコピーをどこかでお見かけしましたが
言い得ていると思います
それぞれの短編に甘美でシビアな嘘が織り込まれいます
私としては、もっと痛みがあってもよろしかな〜というところですが、今後の期待を込めて
⭐︎4で
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「あやか」
「真夜中のドライブ」
「愛妻家」
「楽しい話をしてあげる」
「これだから女は」
「双子心中」
「食べたい」
「ジンとシャリ」
「赤い傘」
9話収録の短編集。
はじめましての作家さん。
妊娠中の女性の自宅に夫の部下が訪ねて来る1話からイヤミス感全開。
妻VS浮気相手、夢と現実の境界線が曖昧なこの物語の結末にゾクリ。
2話、3話と読み進める内に、身体の中にどんどん毒が溜まっていく感覚を味わった。
7話の「食べたい」は妊娠した事で一切の食べ物を受け付けなくなった女性が主人公。
最低男と対峙後の結末に震える。
これはまるでホラー。
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不気味で官能的な短編集。
どのお話も最後にはゾッとさせられます。
「愛妻家」「双子心中」が好き。
ノスタルジックな雰囲気と、エロティックな空気感。とても良かったです。
初回出荷限定ストーリーも付いていて、そちらもおもしろかったです。
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初読みの作家さん。ホラーと倒錯が融合した短編集。オチが分かるものが多いのでどんでん返しといった印象は少なかったけれど毒が散りばめられて面白かった。「これだから女は」の最後は一瞬分からなくてじっくり嚙み締めた。
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この本に収められた話のどれもがどれもドギツイ。そのくせ唐突に救いや人の温もりを描いている作品を入れてくるのだから始末が悪い。
どれも不穏で現実と妄想、あるいは幻と会話しているかのような危うさがある。それなのにどうして涙してしまうような話が入っているのか。人を刺して半死半生にさせてから優しくハンカチを差し出してくるような奇妙な優しさに触れた気分で情緒が焼き尽くされる。
ホラー的なアプローチになるのだろうが、いわゆる単に「怖い」だけの消費されがちなホラー的な気味の悪さとは違う気味の悪さがある。この癖の悪さがたまらなく好きだ。もっとやれ。
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「あやか」
毎日やってくる女は。
自分の方が優位な立場にいると思い込んでいるからこそ、堂々と現れて言いたいことを好き勝手言うのだろう。
「真夜中のドライブ」
旅行ではなかったが。
尊敬しようとも思えないほど最低な姿を見せておいて、ずっと自分の財布と勘違いしていたから起きた結末だろ。
「愛妻家」
悪い女が大好きだが。
ここまで酔狂になって従う存在がいたら、都合よく扱って最後は捨てるのではなく殺すしか選択肢はないだろう。
「楽しい話をしてあげる」
仲のいい友人だけど。
作り話をしなければいけない程、親子としての関係にヒビが入っていて普通に過ごすことすら出来ないのだろう。
「これだから女は」
見下している存在と。
これだけ差別的な扱いを自分の中でしているというのに、そんな対象にお金を注ぎ込む事をやめないのは謎だな。
「双子心中」
女の影はどこにある。
遠回しに聞いてみて反応を伺いたかったのだろうが、そんな回りくどい事をするぐらいなら素直に話すべきだろ。
「食べたい」
美味しいものは何か。
これまでの付き合いの中で違和感を持つことがなかったとしたら、相当役者か盲目になっていただけなのだろう。
「ジンとシャリ」
歪んだ性癖を語られ。
最後の話は嘘か本当かは本人にしか分からないが、これまでのことは真実であるから皆いなくなったのだろうな。
「赤い傘」
話し相手になってた。
辛い中で見た幻覚かもしれないが、それでも自分のことを見てくれる存在であるというだけで幸せだったのだろ。
「永遠のケンマコ」
舞台に立つためには。
一緒にいると足手まといになってしまう可能性はあったとしても、惚れ込んで相方になったのなら離れないだろ。
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不倫、暴力、性の抑圧、妊婦に対するバッシング―。その結末に震え、驚き、涙する。「闇堕ちBLの女王」が放つ極上の毒とどんでん返し。隠し通すと決めた秘密、守るために握った刃、騙し抜いてほしかった甘い言葉。その正体に気付くとき、9つの衝撃があなたを射貫く。(e-hon)