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2025.5.19 読了
やっっと読み終わったぁーー!つっかれたー!
激重激ヤバ劇薬のまさに今読むのにピッタリ(?)の小説だった。
10代〜50代の男女8人が出てくるがこの人物像が非常に緻密でリアル、そして1人1人の目線で語られ腹黒い部分が沢山見れるのでそれがまた面白い。
改めて、金原ひとみさんの凄さを思い知った。
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【文芸業界の性、権力、暴力、愛。戦慄の長篇】作家志望の女性が編集者からの性加害を告発!変わりつつある文芸業界を様々な人物の視点からダイナミックに描く著者の集大成的傑作。
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ところどころ共感できるところもあるのだが、全体的に自分には難しいと感じた。
登場人物誰もが分かり合えないという思いを抱えているもどかしさを感じた。
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自分の中のマッチョイズム、フェミズム、かけがえのない温かなる瞬間。それぞれ頭と身体が乖離しているものが人間だとすると、それでも何とか一つの肉体として社会的動物として生きなくちゃいけなくてその時間というタイムラインは不可逆、思想や肉体は変化する時代とともに死ぬしかない。そのうち乖離した私のうちの1人がきっと早めに遺書を書いておくことだろう。まあ、それは多分寿命とか、あっても事故とかで少し先の話ですが。
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金原ひとみ氏の今回の新作、ページ数も今までで一番多くて骨太だった
色んな登場人物の視点から描かれる群像劇。
性加害の告発が主なテーマなので、かなり現実世界の延長線上にある話しに思えた。
文学界に従事する人達に対して、高尚な考えの人が多くて俗世からかけ離れてるイメージを持ってたが、やはり権力勾配のあるところに性欲・支配欲が絡んでしまう古い体質な業界なのだろか
露悪的に描かれる旧来の男性像を体現したような登場人物もいるが、50代編集者おじの木戸は、糾弾されつつ、一応娘妻の養育費を払うなど、自身の有害な男性性への自認があったり、複雑で救いのないキャラクターで面白いと感じた
とくに思想のない一哉と、悪は叩き潰すと誓う麻里奈という、一見相反しそうな2人とその周りの関係性が、果たして上手くいくのか、どうなっていくのだろうか?というのがかなり読み進めていく推進力になってた気がする
終盤の薄暗さを取っ払うような、未来のラッパーのバイブスすごくナイスです
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うーん、いまいち分かりにくかったなって感想です。
文章量も1ページあたりが多すぎて情報量が多すぎる印象でした。
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人間を人間たらしめる闇の部分に光を当て
痛々しいほどにさらけ出させながら
今という時代を生きる老若男女たちの
絶望や孤独、そして未来を
小説として正面から描き切っていて
その凄まじさに圧倒されてしまった。
最後のページを閉じてから
ふーっと気が抜けてしばらく動けなかった。
社会が大きくうねっている「今」にのまれず
生き抜くためにはどうしたらいいのだろう…
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Amazonの紹介より
性加害の告発が開けたパンドラの箱――
MeToo運動、マッチングアプリ、SNS……世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。対立の果てに救いは訪れるのか?「わかりあえないこと」のその先を描く、日本文学の最高到達点。
文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。ある女性がかつて木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねり、予想もつかないクライマックスへ――。
様々なとんでもないモノを目撃したなと思いました。昨今では、こういったことが報じられていることもあり、どんな内容なのか気になるばかりでした。
加害者や被害者、その関係者といった様々な人物の視点で展開する群像劇になっています。
色んな視点があることで、人の印象がだいぶ違ってくるのですが、発する言葉の数々はエグく、「愛」の幅広さに疲弊してしまいました。性描写も描かれているので、もしかしたら気分を害するかもしれないので、注意が必要です。
正直、特定の人に着目し、感想を述べるのが難しいところです。
「もしかして嘘なんじゃないか?」
「何でそんなにケロッとしているんだ?」
といった具合に視点が違うことで、読者にとっては真実が本当なのかわからなくなってしまいます。
例えば、被害者の視点になると、性被害の模様は、読んでいると、そういった癖を好む人以外は苦手意識をもつくくらい、気持ち悪さ・歪さ・陰湿さがあるくらい事細かになっています。
その一方で、加害者側の視点を読むと、雰囲気は大人しめで、本当にそんなことをするの⁉と思うくらい、被害者から読み取った印象とはがらりと変わります。
その他にも、他の関係者の視点を読むと、また違った印象を持つので、なかなか登場人物の内部を知るのが難しいなと思ってしまいました。
一つの告発によって、始まった騒動。嘘か本当かに限らず、こうして拡散されていくことの凄まじさは恐怖でもありました。その解釈は様々であり、snsでの投稿に色々複雑な気持ちになりました。専門の所に相談するより、世間や週刊誌の方が、影響力は凄まじく、地に落ちるのも時間の問題です。
しかし、それは加害者だけでなく、加害者、その関係者にも影響を及ぼすということで、告発は諸刃の剣でもあるなと思いました。
昔もこういった性被害はあったかと思いますが、ネットの普及により、今や全世界でも伝わる時代であります。
本当ならまだしも、これが嘘だった場合、どうすればよいのか。
いずれにせよ、第3者から安易にバッシングしないことが大切であり、事実がどうあれ、まずは当事者を含むそれにかかわる人たちだけで、解決していってほしいなと思いました。
面白おかしく、関係のない人達が拡散するのではなく、冷静に静観することが大切かと思いました。
関係者達の心情も読みましたが、色んな生き方がある分、色んな思いがあり、もしも自分がその渦中にいたらと思うと、他人事でもないなと思いました。
最悪な癖を持つ男性とそれに巻き込まれる女性。これが立場が逆転すると、また違った考えがあるかもしれません。同性から、異性から、はたまた若い方から、お年を召した人から、様々な人が読むと、十人十色の考え方が生まれるかと思います。
結局は、警察よりもSNSが一番影響力が強く、破滅するのが目に見えて、良いのでしょうか。
そう思うと、複雑なのですが、こういったことが起きないためにも、心や行動を制限しなければいけないと日々意識しなければいけないなと思いました。
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時代についていけないが自分の加害性には気づいてしまった「おじさん」の行く末の話として、自分の将来を想像し恐ろしくなりながら読んだ。
白黒つけられるはっきりした物言いができるのは自分が時代についていけていると思い込んでいる無邪気なバカか、ほんとに時代を作っている人だけなんだなと思う。
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圧倒される。社会と向き合うことを意識させられる、強い力を持つ作品だと思いました。
パワハラ、セクハラ、マタハラなどいろいろなハラスメントがある。そんな現代社会を生きていくため知るべきことは?YABUNONAKAを読むと、そのすべを知ることができるかもしれない。
ものすごく個人的な感想として、
わたしは登場人物の中でいうと、一哉に近いと思う。友梨奈のような強い意見をもつ人を否定することはないけれど、なぜそんなに頑張れるのかという気持ちがある。なにか被害を受けた人に寄り添うことはできても、その人のために戦おうとはならないのだ。
そして読み終えて、伽耶の母に対する気持ちもわかった気がする。圧倒的な強さに飲み込まれそうで怖い。
自分の意思を主張する、自分を守ることは必要なことであるがそれが自分にとって重荷になることもある。
だから何かをされていいということではない。
けれど行動を起こすことが辛い。じゃあ何かをされた時、自分はどうしたらいいのかと考えさせられる作品でした。
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ひとつの出来事でも、当事者によって受け取り方が異なり、「そんなつもりじゃなかったこと」が、相手にとっては搾取や性虐待と受け取られる場合もあるのだと痛感しました。感想を書くのも難しいほど、読むこと自体にエネルギーが必要な小説でした。まさに、現代社会の複雑さを映し出しているように感じます。想定外のラストを迎えましたが、リコの未来には希望が感じられ、少し救われる思いがしました。
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はぁ〜凄まじかった〜
金原さんの小説は、気合い入れて構えて読むのだけど、それでもどっと疲弊する
もうパンチ力ありすぎて、、
だけど、なぜか一語たりとも落とさずに丁寧に読んでしまう。
結論、なんだかんだ好きなんだろうな。
今作は性加害の告発、MeToo運動、マッチングアプリ、SNSなど、まさに今話題の、、って内容だった。
7人の登場人物、誰1人好きになれなかった。
だけど、嫌だな〜と思うのにそれぞれに気持ち分かるとこあったり、自分にもこういうとこあるかなってとこあったり、、
ここ数年で時代が大きく変わってきてるんだろうな。
いつまでも昭和気質なおじさん達にも困るけど、何でもかんでもSNSな現代も大いに難ありだなと思う。
どちらも無遠慮に人を傷つけたりする。
正義は本当に正義なのか?
今の時代、どうするのが正しいのか、もうなんだかよく分からない。
ただあまりいろんな物に振り回されず、私も目の前にいる人達ときちんと向き合っていける様にしたいよな〜。
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主張の激しさに読みながらくらくらした。
友梨奈の主張は正しくて言いたい事もすごくわかるんだけど、周りにいる一哉や娘はきついだろうな。
正義の暴力というかとにかく読んでいて疲れた。
でも読めてよかった。
複雑な気分。
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登場人物の行動は過激に描かれていたものの、まさに今の時代を反映した小説だなぁと思った。
多様性とは、正しさとは、ということを考えさせられた。私も一哉のように、自分の周囲の日常が平穏ならそれでいいと思うタイプだから、世界のあらゆる悪に対して抗議する友梨奈のように行動を起こすのが正ではないとは思いつつも、問題に対して無関心になってはいけないと思った。
最後の章でのリコと恵斗の関係性が、世代の移り変わりを感じた。今の高校生は、男だから彼女をリードしなきゃとか、女だから支えなきゃとかないんだろうな。そんな彼らが大人になった時は、どんな倫理観が根付く社会になっているんだろう。
木戸や五松の性加害者が、自分たちの行動が悪いとは分かっていても、それほどまでに社会的に断罪されるほど悪いのかが分かっていないところがリアルだった。
ページ数も多いし、内容的にもうっ...となるところも多くて読むのに体力が要ったけど、よかった。
「考えざるを得ないシチュエーションと、多様な意見が取り入れられている小説には大きな存在意義があると私は思っています。意義の一つが、このように現実よりも深い思考や対話を持てることだと思っています。」
「恋愛の定義がそもそも違うんだよ。克己との関係は私にとってはもはや搾取と搾取の関係でしかない。彼との関係は与え合う関係で、それを恋愛と私は一括りにはしてない。」
「現在の物差しが一過的なものに過ぎないという前提、つまり十年後には今の正しさは間違いになっていて、十年後の正しさもその十年後には間違いになっているという前提と下に、少なくとも先進国を生きる人々は現代の物差しを過不足なく身につける必要があり、その必然性を無視した人々、ついていけなくなった人々はこの世から追放されるべき存在と認識される、という事実を各々が胸に刻む必要があります。」
「人間にはたくさんの側面があり、その全てが整合性のとれているものとは限らない。」
「正しいか間違っているかが問題ではない。この世には正しい真理や間違っている真理、適切な真理や不適切な真理、色々な真理があって、その中でどれだけ多くの真理に触れ、把握できるかが重要なんだ。」
「でもそれは、今の時代は、でしかない。時代は唐突に人を裏切り、蹴落としていくのだ。」
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「どうしてもゆるせないことがあります」
SNS……
Me Too運動、マッチングアプリ、
世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。
「わかりあえないこと」のその先を描く日本文学の最高到達点。
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これはすごかったです。
いやいや、もうやめて、見たくない、
と言いながら
指の隙間から見るのをやめられない、
そんな一冊でした。
しかも、
これでもか!これでもか!これでもか!!
ってきます。笑
良かれと思ってたことや、
自分では無意識の言動でも、
他人というフィルターを通すと、
全く違う見え方をしている。
そんなつもりなかったんだ、
と言っても、
情報は他人の数だけの感情と共に広がっていく。
「ナチュルボーンチキン」が良くて癒されて、
その調子で読んだ本作で、
平手打ちをもらったように圧倒されました。苦笑
本書購入後の翌週に本屋に行くと、サイン版が。
2冊買うのは…と思ったし、
本当に金欠で辛いのですが、
思わず買ってしまいました。苦笑