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15件
GOSICK
著者 著者:桜庭 一樹
前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュール。極東の島国から留学した久城一弥は、聖マルグリット学園の図書館塔で奇妙な美少女・ヴィクトリカと出会った。彼女の頭脳は学園の難事件を次々解決してゆくが、ある日ヴィクトリカと一弥は豪華客船に招待され、そこで本物の殺人事件に遭遇してしまう。やがて彼ら自身に危機が迫ったとき、ヴィクトリカは──!? 直木賞作家が贈る、キュートでダークなミステリ・シリーズ。
GOSICK 全9冊合本版
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GOSICK−ゴシック−
2011/01/11 14:57
アニメ放送記念!
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ロールパン菜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
富士見ミステリー文庫での表紙は美麗であったが、これはこれでとてもお洒落な表紙の一冊である。
アニメ放送が始動したので、今一度読ませて頂いた。
(ヴィクトリカの声は老人のようなしわがれた声と表現されているのだが、そこは置いておいて、悠木碧さんの声を当てながら読んでも案の定、特に違和感はない)
舞台は1920年代のヨーロッパ、ソヴュール王国という架空の王国になる。
東洋の島国(日本)から留学生として来ている少年(九城一弥)が、そこで知り合った頭脳明晰で妖精のような少女(ヴィクトリカ)と共に、怪事件の数々を解決していくというものだ。
ジャンルは推理小説であるが、著者がライトノベルの読者を想定して作っているであろうことを考えると、重厚なミステリーを求めている方にとっては物足りないだろう。
がしかし、エンターテイメント性でいえば、まごうかたなく一級品といえる。ここから桜庭作品にはまったという方も多いはずだ。
なので私はこの作品にケチをつける気は毛頭ないのだが、再読してやはり、一つ気になった点がある。
31pからヴィクトリカが、一弥に占いについて滔々と語るシーンがある。
33pの最後で、
「さて、預言者モーゼによる棒占いについての記述が、『民数記』に記されているのも興味深い。イスラエルの民の長になるべき人物がどの種族から生まれるかを知るため、それぞれの種族名を記した十二本の棒を用意し、占ったのだ」
と言う点だ。
何が変かは、聖書の民数記を読めば分かることだが、上のような記述は一切出てこないということだ。最も、聖書の解釈は十人十色だろうが、少なくともモーゼが棒占いを行ったという箇所は全く見当たらない。
おそらくは、ヴィクトリカの記憶が間違っていたのではなく、読んだ書物の方に間違いがあったのだろう。(もしくは著者が読んできた書物に間違いがあったか…)
何故こんなどうでもいいような点を突っつくのかといえば、“知恵の泉”をもつヴィクトリカだけには、どんな些細なことであれ正しい知識を蓄えてほしいと願うからだ。
そうして始めて、尊大で傲岸で不遜、だけどそこがキュートな彼女の魅力は、より一層引き立つに違いない。
GOSICK 8下 ゴシック・神々の黄昏
2011/12/27 20:30
希望が持てる終わり方
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
監獄に幽閉され、薬を飲まされて未来を予言させられていたヴィクトリカを救出するため、コルデリア・ギャロとブライアン・ロスコーの片割れは、その身を引き換えにした。そうして、もうひとりのブライアン・ロスコーに連れ出されたヴィクトリカは、新大陸を目指す。
一方、戦場に送られた久城一弥は、ヴィクトリカとの再会を糧に、今日も銃弾飛び交う中を生き抜いていた。そして戦火の影響を受けるのは、銃後を守るアブリル・ブラッドリーやセシルも同じ。果たして彼らに再会の時は来るのか?
桜庭作品ぽくない終わり方に一番驚いた。純粋ハッピーエンドで、事後談めいたエピローグが用意されているとは…。ここから、ハードボイルド・アクションものが書けそうなくらい。
長い中断もはさんでしまったけれど、非常にきれいに、そして爽やかに終わったと思う。その分、負担がアブリルに行ってしまった気もするけれど。
GOSICK−ゴシック−
2023/10/28 20:51
オカルト系ミステリ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:今井 - この投稿者のレビュー一覧を見る
学園×ミステリー×オカルトという、ありそうで無かった世界観がとにかく魅力的。巻が進むにつれて、登場人物達の生い立ちや信条が語られて、何度でも読み返したくなるスルメみたいな小説になっている。