- みんなの評価
13件
リカバリー・カバヒコ
著者 青山美智子(著)
新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は、悩みをカバヒコに打ち明ける。成績不振の高校生、ママ友と馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌な小学生、ストレスから休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長。みんなの痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。
リカバリー・カバヒコ
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リカバリー・カバヒコ
2024/02/04 18:02
回復から再生
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間関係に疲れた時に、リカバリーカバヒコに乗ってみたいな。古びた公園に置かれた塗装が剥がれかかったカバの形状のアニマルライドが、人々の身体の、人間関係の不調を癒して回復させていく連作短編集。回復させるとはいえ、同じようには戻らない。経験と記憶が、前とは違う自分を作る。変わりゆく状況を受け入れて適応していく、そういう形の回復もある。著者らしい、優しく温かい物語だ。
リカバリー・カバヒコ
2024/01/01 17:01
古いカバ型遊具
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新築分譲マンションに引っ越してきた人たち。新しい生活をスタートさせ、希望に胸膨らませ・・・とはいかない様子。それぞれ、なにかしら悩みを抱えています。
昔からある小さな公園の、すっかり古くなったカバの遊具「カバヒコ」にはちょっとした都市伝説があり、弱った心を希望に導いてくれます。
怪我や病気をしたら元には戻らない。身体の記憶となっていくんだ。人間関係も少しずつ変化をしながら、うまいところに落ち着いていく。そんな勇気をくれます。
リカバリー・カバヒコ
2023/11/02 18:09
優しくてあたたかい、読む人をもリカバリーする。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
公園にたたずむカバのアニマルライド
古びた姿と、笑っている口元が少し不釣り合い。
このカバの名前はカバヒコ。
傷ついた場所を触ると、触った本人の傷も癒えるのだとか。
人呼んでリカバリーカバヒコ。カバだけに。
もしカバヒコが実際にいたら
それこそ、さらに塗装が剥がれるんじゃないかというくらい
全身を撫でまわしたいです。
それでも、カバヒコに話すことで
悩みを客観視して、解決にもっていく流れは
さすが青山美智子さんだと思いました。
"でもせめて、自分をわざわざ不幸にするのはやめようと、私はそっと耳をさわる。ちゃんと休んでいい。そして、ちゃんとリカバリーするのだ。"138頁
"誰かの目を気にして、カッコ悪い自分を見せないように、笑われないようにって縮こまっていたらきっと、それがどんなことなのかわからなくなってしまうだろう。だから、ぼくがぼくを決めていく。これから、ひとつずつ。"180頁