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鬼貫警部事件簿
著者 鮎川哲也 (著)
巨額の財産を狙った殺人か? 旧満洲、大連近郊でロシヤ人富豪イワン・ペトロフが射殺された! 容疑者は3人の甥、アントン、ニコライ、アレクサンドルとその恋人たち。が、彼らには堅牢なアリバイがあった! 鬼貫(おにつら)警部は得意のロシヤ語をあやつり、粘りづよく捜査するが……はたして、満鉄の時刻表は何を語るのか? 時刻表トリックの歴史的傑作!
ペトロフ事件
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電子書籍白昼の悪魔~鬼貫警部事件簿~
2021/09/25 23:52
隠れた名作「金貨の首飾りをした女」収録が嬉しい
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
名作の誉れも高い「誰の屍体か」「五つの時計」といった鮎川短編を代表する傑作群がまとめて読める短編集。
個人的には、「金貨の首飾りをした女」が収録されているのがポイントが高い。私見ですが、上記二短編や「赤い密室」「薔薇荘殺人事件」などといっしょに、鮎川哲也短編のなかでも特に優れたグループに入って、なんらおかしくない傑作だと思います。
複雑に考え抜かれたトリック、探偵がトリックを見破るための手がかりにこだわった鮎川らしさがにじみ出る推理は一読の価値があります。
電子書籍ペトロフ事件
2022/07/20 17:49
鬼貫警部シリーズの
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初の1冊で、時刻表をうまく使った作品らしいです。私は全くそれを知らず、満州生活を経験した作者さまがどんなミステリをつくられたのか気になって読みました。
2022/03/21 10:03
読む順に注意!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
鮎川哲也さんの作品は短編はたくさん読んだことがあったが、(テレビドラマ化作品もたくさん見たが)実は長編は初めてだった。
なかなかに面白かった。
この増補版は、表題作以外に2つの作品が収められており、私は当初別の2つの短編なのだと思っていた。それで先に読んでしまったのだが、後から巻頭の説明を読むと、この2つの短編が長編「風の証言」の元になっていて、注意を促されていた。これは読む順番に注意が必要だったのだ。掲載通り長編から読むべし。
電子書籍黒いトランク~鬼貫警部事件簿~
2021/06/06 09:26
昭和20年代の日本
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投稿者:gaudy - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格物として緻密に組み立てられた謎を丁寧に読み解いていく謎解きの面白さはもちろんだが、今読むと70年前、戦後まもなくの日本の状景、人々の生活のようすが垣間見られて、その点でも面白い。この70年で、日本人の生活は随分変わったんだなあと思い知らされる。
ただ余りに変わり過ぎて、今では脚注でも付けないと何のことかわからないのでは?と思われるところもないではない。たとえば作中に登場するスリの服装。「唐桟のあかまんじの七五三仕立て」とあるのだが、今これを読んで何のことかわかる人が一体何人いるだろう? 私もわからなくてネットで調べたが、こういうことを知ることができるのも読書の楽しみのひとつ。
昨今の読みやすくはあるものの、カラカラと軽くて吹けば飛ぶように頼りない文章と違い、しっかり中身と厚みと重さのある、いかにも昭和な文章も秀逸で、鮎川さんの作品を続けて読みたくなった。
紙の本人それを情死と呼ぶ
2002/04/08 20:05
病みつきになる快感
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投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
A省汚職事件の渦中にいた男の死体が見つかる。隣には女性の死体が。捜査の手を逃れられないと知った、覚悟を決めての心中ということで決着がつくのだが、どうしても信じることのできない男の妻と妹は、警察に知らせることなく独自に調査をはじめる。が、容疑をかけた何人かの人物には、全員に鉄壁のアリバイがあった。
鬼貫警部の「アリバイくずし」ものです。前半は、心中した男の妻・妹の立場から、愛情・憎しみ・嫉妬などの女性の心理が描かれ、サスペンスにあふれていて物語を盛り上げます。鬼貫警部登場は半ばすぎ、一気に推理を組み立て犯人を捕まえる、とはならず、相変わらずに小さなことを丹念に着実に調べあげていく。「アリバイくずし」が苦手、キライだという人は、このヘンがまだるっこしく感じるのかもしれませんが、実はここが一番の読みどころ、犯人の完璧に近い嘘が少しずつ少しずつあばかれていく、一度ハマると病みつきになる快感です。