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37件
バッタを倒しにアフリカへ
著者 前野ウルド浩太郎
バッタ被害を食い止めるため、バッタ博士は単身、モーリタニアへと旅立った。それが、修羅への道とも知らずに……。『孤独なバッタが群れるとき』の著者が贈る、カラー写真満載の科学冒険(就職)ノンフィクション!
バッタを倒すぜ アフリカで
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バッタを倒しにアフリカへ
2018/01/25 15:07
夢を持ち続けて、昆虫学者になった、そしてアフリカへ
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の彼、小学生の頃にファーブル昆虫記に魅せられて、その夢を持ち続け、昆虫学者になったという。
なんともインパクトがある表紙の写真!
思わず手にとってしまいますよね。
これ、なにって?
彼の名前にウルドが入った感動的なエピソード、
アフリカで満を持してのバッタの大群との遭遇、
サソリに刺されても、
無収入生活に突入しようとも、
ただただ夢に向かってひた走る姿は、
胸にぐんぐん迫って感動を届けてくれます。
日本にバッタフィーバーを!
彼の熱い想いに、彼の支援者がどんどん増えていく。
ページをめくりながら、アフリカのモーリタニアの空気をビシバシ感じながら、
私もすっかり彼のファンになりました。
笑いあり、涙あり、大感動あり!
夢を語ることの素晴らしさを、
前野ウルド浩太郎さんは身をもって教えてくれました。
実は私、東北地方には行ったことがなくて、ずっと行ってみたいなーと思ってます。
前野さんは秋田出身なんですね。
そして青森の弘前大学ご出身。
実家のお母さんから届いた薬に貼られた付箋の文字を見て、じんわりと心が温かくなりました。
バッタを倒しにアフリカへ
2017/08/22 07:33
ポスドク自虐ネタ満載だが、若者に勇気を与える好著
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポスドクだった(博士号は取得したが、正規の研究職または教育職についていない者)著者が、「昆虫学者」の研究職という就職先を探すために悪戦苦闘する自虐ネタだが、すごく読ませる物語だ。
本書の柱は3つぐらいある。それらがすべて感動的なのだ。
一つは研究職を得るために、バッタ被害で干ばつとなるアフリカ で一旗揚げようと単身モーリタニア行く。途中京都大学の研究職に応募するも、その戦略が「白眉」である(奇抜)し、著者の葛藤やお金がない悩みが語られる。どう、世の中に自分をアピールしていくのか・・・結構今の若者へ示唆に富んだものとなっている。この本の優れているところは、自虐的に書かれているし、文体も今風「ネット」風なので、同世代に読みやすいところだと思う。上から目線が一切ない。
二つは乗り込んだモーリタニアの異文化に対する驚きと、日本と全く違う文化の人たちを巻き込んで研究を進めるための工夫が面白い。2人の妻を持つ研究所が雇うドライバーや研究所の所長、所長は著者がサソリに射されてもお祈りで治そうとする!
バッタ情報を得るために山羊1頭の賄賂で事がうまく運んだなどなど・・・
三つ目が、昆虫学者であるところの「虫」情報だ。「虫」愛が語られる。しかし、論文発表が本職であるので、バッタはどうやったら退治できるのかはこの本では明かされていない。
孤独なバッタが群れるとき 『バッタを倒しにアフリカへ』エピソード1
2022/06/16 18:31
バッタは群れることを知る
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の生活に直接関係はないかもしれないが、サバクトビバッタに関する研究の報告はとても興味深く面白かった。時に大量発生し、農作物を広範に食べつくす害虫らしいが、それはバッタの群生相がもたらすものだ。「害虫も数を減らせば、ただの虫だ」とはよく言ったもので、バッタの生態をしっかりと研究することにより、生物の多様性のバランスをうまく取れるようになるのだろう。日常生活に溢れている面白いことにいかに気づくことができるかが、研究者だけでなく、現代を生きる人が、生き切るために重要だと感じた。