- みんなの評価
22件
教団X
著者 中村文則
【「アメトーーク!」読書芸人でも紹介され、大反響!】絶対的な闇、圧倒的な光。「運命」に翻弄される4人の男女、物語は、いま極限まで加速する。米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)年間ベスト10小説、アメリカ・デイヴィッド・グーディス賞を日本人で初受賞、いま世界で注目を集める作家の、待望の最新作! 謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者最長にして圧倒的最高傑作。 ついに電子版配信開始!
教団X
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
教団X
2016/11/23 20:48
社会に対する警鐘
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:十楽水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代社会に対する警鐘であり、強烈な著者の問題意識が随所に書き記されている。その中でも、胸に突き刺さったのが「軽薄な自己が、大義に飲み込まれることで、役割を与えられる」という一文。この指摘、時代を超えて重く響くのではないだろうか。
大きなものの一部になりたい願望と、思考に飲み込まれる快楽。移植された思考で、自分を尊大に見せる。自分の優位性を信じる。昨今の排他的で攻撃的な言論、同質性の心地良さに安住し異質な価値に開かれない閉鎖性に、通底するものを感じる。著者の問題意識も、近い所にあるのではないかと、勝手ながら想像する。
個人的には、松尾と沢渡を対比させて読んだ。2人を隔てたものは、なんだったのか。戦争体験か? 過剰は常に危険を宿す。凡庸な言い方だが、中庸であることの大切さ、難しさを松尾は訴える。その訴えに耳を傾けたい。
陰謀論的なところ、腰砕け気味のラストも気にならない。スケール感の大きさに圧倒された。
教団X
2016/03/06 11:01
読むべき1冊!
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み初めから引き込まれ、一気に読める。
閉ざされた宗教団体の狂気の世界に恐れ、
高原が企てたテロが始まってからは、
誰が誰を騙し操っているのか、
謎を読み解く楽しさがある。
人は誰かに認められたい。
人より幸せだと実感したい。
そんな人の弱さにつけ込んで、新興宗教は力を広める。
いろいろな闇を抱えた人や、自ら考える事を止めてしまった人にとって、
新興宗教は居心地のよい世界なんだろう。
また国家の利益を守る仕組み、紛争・戦争の仕組みなどにも切り込み読み応えがある。
中村文則の作品を読むのが楽しみだ。
2021/05/31 22:17
とても難しいが面白い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akb49484800 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても難しい内容だったが、すごく面白かった。人間の心の弱さや醜さが上手く描かれていて、胸のドキドキが止まらなかった。