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4件
犬のかたちをしているもの
著者 高瀬隼子
「子ども、もらってくれませんか?」――彼氏の郁也に呼び出された薫は、その隣に座る見知らぬ女性からそう言われた。薫とセックスレスだった郁也は、大学時代の同級生に金を払ってセックスしていたという。唐突な提案に戸惑う薫だったが、故郷の家族を喜ばせるために子どもをもらおうかと思案して……。昔飼っていた犬を愛していたように、薫は無条件に人を愛せるのか。第43回すばる文学賞受賞作。「おいしいごはんが食べられますように」で第167回芥川賞を受賞した高瀬隼子のデビュー作!
犬のかたちをしているもの
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犬のかたちをしているもの
2022/10/17 01:19
自然と正しさ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性が子供を産むのは自然なこと。
だけれど、産まないことが悪いわけではない。
産んだ女性が産まれた子供を育てるのは自然なこと。
だけれど、育てないこと自体が悪になるわけではない。
ただ「不自然」な状態を悪と断じる風潮は確実にあるわけで、
それと向き合う覚悟のようなものは確かに必要になる。
選択肢が増える現代で、
しかしそれを選ぶ自由が増えたわけではない現代。
目の前に思いもしなかった選択肢が現れたときに、
また価値観というのは揺さぶられる。
犬のかたちをしているもの
2023/09/23 10:12
つらい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実にはありえない設定でおこる物語だが、登場人物たちにおこる感情は、ありふれているとまでは言わなくても、十分に想像できる気持ちばかり。
読者の経験や、ものの見方によって感じ方は変わるだろうけど、
幸福と嫉妬、性別の社会的役割、偽善的な同情、読みながらまとめて襲ってきて、私にはつらかった。
犬のかたちをしているもの
2023/08/11 17:29
サクッと読めて、ごつんと衝撃。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
重たい内容ですが、すらすら読めました。
どこか他人事のように、淡々と進んでいくのが余計にリアルというか。
ちょっと恐ろしい。
読み終わりは、ちょっと放心。解説も良かったです。