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11件
祖母姫、ロンドンへ行く!
著者 椹野道流
祖母と孫娘の、笑って泣ける英国珍道中!!
正月の親戚の集まりで英国留学の思い出話を披露した孫娘(著者)に、祖母が「一度でいいからロンドンに行きたい、お姫様のような旅をしたい」と告げたことから、一族総出で支援する5泊7日の豪華イギリス旅行が決定! だが、そもそも著者が留学で培ったのは「行き当たりばったり体力勝負の低コスト海外滞在」ノウハウで、高齢の祖母をお姫様のようにもてなす旅とは真逆のスキルだ。資金面こそ親族の全面フォローがあるが、慣れないツアコン(秘書)役を任命された孫娘の心には不安しかない。
しかし、いざ現地に到着してみれば……大英博物館、ロンドン塔、ハロッズにフォートナム&メイソン、ロンドン三越にオリエント急行、5つ星ホテルのおもてなし、そして憧れのアフタヌーンティー……初めての祖母とのふたり旅は、楽しみもトラブルも山盛りで毎日が刺激的だ。果たして著者=《秘書孫》は、強くてキュートな《祖母姫》を満足させることができるのか?
頑固で優雅な祖母姫の名言続出! 底抜けにおもしろく、やがてホロリとする――著者がまだ「コムスメ」だった頃の、「自己肯定感」にまつわる極上エッセイ。
※この作品はカラーが含まれます。
祖母姫、ロンドンへ行く!
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祖母姫、ロンドンへ行く!
2023/08/19 11:35
映画化してもいいくらいの話
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の若かりし頃、英国への留学経験があり英語が喋れることから晩年の祖母の「一度でいいからイギリスへ、お姫様みたいな旅がしたい」という要望を親戚一同で叶えることになった思い出の実録エッセイ。
足を悪くしても杖を持つなんて格好悪いことをしたくない。
認知症になりかけてもそんな風に誇り高く自己肯定感の強い祖母との大変な二人旅。
ファーストクラスでCAに学んだホスピタリティ精神や、一流ホテルのバトラーとドアマンの思いやり溢れるエピソードにうっかり涙が出てしまった。
事実は小説より奇なりじゃない?
ティムかっこよ!!
「自分を信じて努力して、その結果生まれるのが、自信よ」というお祖母様の経験に裏打ちされた言葉が良かった。
それから、本当なら業務外のサービスでドラマティックな思い出をくれた最高のバトラーティムの「恋愛は必ずしも、人間関係の頂点にあるものではありません」も良い言葉だと思うし、お祖母様の好意に対してティムが返した「お姫様」への紳士礼も最高だったのでは。
もはや物語でしょ!
とても掘り出し物でした。
2023/11/14 01:43
時々吹き出すので、人前では読みにくい本
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KeiM - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロンドン五つ星ホテルの泊まる祖母姫と、そのコンパニオンの話
コンパニオンというのか秘書というのか侍女というのか。
とにかく祖母のイギリス旅行に軽い気持ちで同行した著者、空港から飛行機、ホテルにロンドンとひたすら振り回される話。
ただ祖母も体力に限界があるから昼寝に夜寝、睡眠は深い。この隙を縫って秘書はお忍びでロンドン、イギリスの町をめぐる。
何よりおばあちゃんが魅力的。威厳があって尊大で、要求が明確。一生に一度になるだろうロンドンをでやりたいことはすべてこなす。ゴージャスな買い物、ひとつひとつこだわりを持って選ぶ。英語よりも関西弁が達者なのに、プロフェッショナルな英国店員に、通訳抜きで商品をご所望する。
身内と旅行したら、数日もすると険悪になる瞬間もあって当たり前と思うのだが著者は耐えた。心の中で突っ込む声は一言も祖母の前では発されなかった。そのストレスはすべて祖母が寝た後に発散される!?
ファーストクラスに五つ星ホテル、豪華な旅は親戚一同のプレゼント、そこに添えられたお付きの娘。一流のホテルマンたちの働く舞台裏も垣間見られて、一風違うロンドン、イギリスの旅がつづられていた。
2025/02/20 16:56
幾つになってもお姫様
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
お姫様のような旅がしたいと八十を過ぎ祖母が言ったことから、イギリス留学の経験のある著者が付き添ってのロンドンへの旅。
体が衰えても気持ちは元気な祖母の要求に振り回されつつ、祖母の気概に感心する著者。一流ホテルのもてなしと日本人の経済力に時代を感じる。いい時代だったんですね。