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3件
その日東京駅五時二十五分発(新潮文庫)
著者 西川美和
ぼくは何も考えてない。ぼくは、何も何もできない。頑張って、モールス信号を覚えたって、まだ、空は燃えている――。終戦の日の朝、19歳のぼくは東京から故郷・広島へ向かう。通信兵としての任務は戦場の過酷さからは程遠く、故郷の悲劇からも断絶され、ただ虚しく時代に流されて生きるばかりだった。淡々と、だがありありと「あの戦争」が蘇る。広島出身の著者が挑んだ入魂の物語。
その日東京駅五時二十五分発(新潮文庫)
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その日東京駅五時二十五分発
2016/11/03 10:28
あとがきと解説を読んでから読み始めたい。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとがきと解説を読むと、もう一度読み返したくなる。
戦後に生まれた世代にとって戦争について人から語られることしか知らない。
なんとなく分かっているように思っていて、
戦争はいけないと考えている。
主人公は「全部そうしろと言われたからにすぎない・・・ぼくは何も考えていない」
そして主人公が瓦礫しか残っていない広島の街並みを歩く。
読者は戦後の歴史を知っているが、
主人公はその時何を思って歩いていたのだろうか。
震災を経験した私達は、主人公と同じように破壊され尽くした街並を歩きながら「ぼくは・・・何も考えていなかった」と気づかされる。
過去を知る意味に気づかされ、
今を考えることに気づかされ、
過去を捨て去ることが出来ないことに気づかされる。
その日東京駅五時二十五分発
2015/08/17 19:22
戦争について考える
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T.s - この投稿者のレビュー一覧を見る
何だったのだろう。あの夏は。70年前の夏。空は今と同じだろう。
ただ1つ分かることは、「戦争は駄目」ということだ。
広島へ向かう中”ぼく”が思ったこと。
2020/05/06 08:42
流されるまま戦争へ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦時中の混乱の最中に19歳の少年が、淡々と上官の命令を受け入れていく様子がリアルです。同調圧力の前に個人が考えることをやめるのは、今の時代も同じなのかもしれません。