- みんなの評価
10件
盲目的な恋と友情(新潮文庫)
著者 辻村深月
タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花(いちのせらんか)は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近(しげみほしちか)が、彼女の人生を一変させる。茂実との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。五年間の激しい恋の衝撃的な終焉。蘭花の友人・留利絵(るりえ)の目からその歳月を見つめたとき、また別の真実が――。男女の、そして女友達の妄執を描き切る長編。
盲目的な恋と友情(新潮文庫)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2018/02/13 01:47
ぞくぞくしました
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
盲目的な恋と友情』は2編構成で、主人公も二人います。第1章は「恋」で、主人公はタカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花(いちのせらんか)。自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった彼女は、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近(しげみほしちか)と恋に落ち、人生が一変します。彼の裏切りの発覚後も離れられず、彼の指揮者としての将来が絶たれて後は加速度的に泥沼化。
この章は蘭花と茂美以外の男との結婚式から始まりますが、ほとんどのページは茂美との恋愛の描写に費やされています。
第2章は「友情」で、主人公は蘭花の親友・傘沼留利絵(かさぬまるりえ)。有名な画家の娘で、大学オーケストラのコンマスを務め、観劇やクラシック鑑賞など蘭花と芸術方面の話が唯一合う友達ですが、容姿コンプレックスから蘭花のもう一人の親友でどちらかという派手な美波とはあまり折り合いがよくなく、ある事件をきっかけに絶縁します。留利絵は自分が蘭花の一番の親友で、彼女の母親からも信頼されていること、彼女の茂美との恋愛による苦悩を自分だけがそばで支えてあげられることに価値を見出しているような、少々歪んだ精神構造を持っています。
この章もラストは蘭花の結婚式ですが、第1章で描写された部分より後の経緯が書かれています。
なかなか重い話ですが、ぞくぞくしました。
贅沢を言えば、相手方の茂実星近の語りも欲しかったですね。彼自身は、自分の師事する指揮者の妻との関係を実際どう考えていて、蘭花のことはどう思っていたのか興味津々なんですけど。
蘭花の恋愛に溺れている感じ、苦しくても離れられない葛藤もさることながら、留利絵の半端じゃない容姿コンプレックスやトラウマも綿密に描写されていて、鬼気迫る感じすらしました。
盲目的な恋と友情
2023/08/03 00:32
まさにタイトル通り
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひとみん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通りのおはなしです。
ヒロインが恋に溺れ、その恋に盲目になり、彼が壊れていく様にヒロインが巻き込まれる。その悲劇を親友に相談しつつ、親友をある意味利用する最後になる。
一方、彼女の親友はコンプレックスから人に必要とされたい、愛されたいと、心の底で願い、彼女をある意味利用する。
親友とヒロイン、ヒロインの彼はお互いがお互いをある意味利用して生きているんだけど、それが一歩踏み間違えば自分もこうなってしまうのでは???と、思ってしまうほど。な、本でした。
でも一方でこんなんありえないよー。と、思いつつもやっぱりあるのでは?って思ってしまう辻村ワールドでした。
女性が読んでみると、恐ろしい…ある意味わかりみがすぎる!!!!って感想もあるかも。
とにかく女性に読んでいただきたい本でした。
盲目的な恋と友情
2023/05/30 14:44
表紙のイラストが良い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢中で一気に読みました。執着する友情は怖くて、気持ちを勘違いして暴走しちゃうのも怖いですね。でも、さすが辻村さん。