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20件
ルビンの壺が割れた(新潮文庫)
著者 宿野かほる
「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作!(解説・西山奈々子)
ルビンの壺が割れた(新潮文庫)
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2024/10/23 13:38
巧みに計算された小説
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投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
全編、水谷と未帆子のメッセージのやりとりで出来ていますが、最後まで読み終わって「すごい!」と思いました。最初のメッセージで、二十八年前に亡くなった貴女という言葉があり、いきなり不穏な展開を想像させますが、そこから思わぬ流れになります。淡々としたメッセージのやりとりの中で明かされる過去の思い出の数々にいつのまにか物語にぐっと引き込まれてしまいました。物語で終始謎となっているものがあるのですが、それにうまく焦点を当てているようでいて、それがミスディレクションになっていたりで、なんとも説明困難な物語となっていました。一種の仕掛け系の小説なのでしょうが、仕掛けというより小説の構造そのものにしっかりプロットをはめ込んだ見事に計算された小説といったほうがいいかもしれません。好き嫌いが分かれる作品かもしれませんが、わたしは好意的に捉えたいと思います。中編程度の長さですが、面白い小説でした。
ルビンの壺が割れた
2024/05/08 16:37
それぞれの視点
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投稿者:紫苑 - この投稿者のレビュー一覧を見る
たった2人のメッセージのやりとりの繰り返し。でもその中にそれぞれの印象を形作るものがあり、読み進めていくにつれてどんどん変わって巡ってくそれぞれの印象。自分の思い描いた人物像が、めくるたびに変わっていく。最後のメッセージをどう受け取るか、読み手や読み方次第で変わるまさしくルビンの壺でした。
ルビンの壺が割れた
2022/07/24 07:59
ゾワッとした
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔付き合って結婚直前までいった男性からFBでメッセージが届き、女性の方がそれに返信していくストーリー。最初の方は、FBの写真を細かく分析して女性を突き止めて連絡してくるなんて薄気味悪い男性だなというぐらいでしたが、やりとりが進むにしたがって二人の関係がわかり、終盤では二人が破綻した理由が明かされ、ゾワッとしたところで終わりでした。読後感は微妙ですが、小説としては面白かったです。