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10件
木挽町のあだ討ち
著者 永井紗耶子
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者という侍が仇討ちの顛末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。現代人の心を揺さぶり勇気づける令和の革命的傑作誕生!
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木挽町のあだ討ち
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木挽町のあだ討ち
2023/01/21 13:55
時代ミステリー
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
観衆の中、雪夜に舞う麗しの若衆が遂げた仇討ち。物々しいタイトルに反して幻想的な情景から始まったかと思うと、ひょうきんな木戸芸者のプロ語りはさすがに口が巧く、一章から読む手が止まらない。仇討ちの目撃者に訊いて回る人物の目的も、事の顛末もなかなかに見えてこない中でも、壮絶な人生をお芝居の様に魅せる目撃者達の語り口が、時代小説の堅苦しいイメージを打破した新感覚の時代ミステリー。
木挽町のあだ討ち
2023/10/13 09:26
調子のいい江戸下町言葉
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
調子のいい江戸下町言葉で描き出される「あだ討ち」物語である。次々と語り手を変えながら徐々に真相に近づいてゆくという構成、随所に泣かせどころを交えて ある意味見え透いたケレン味、最終章千秋楽での解決 と全盛期の浅田次郎を思わせる描きっぷりに引きづられて一気読みしてしまった。
木挽町のあだ討ち
2023/07/08 11:04
見事な時代小説
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても楽しめた物語だった。雪の降る夜に芝居小屋のそばで成し遂げられた仇討の一件をたどる物語だった。その芝居小屋に関わる人々の目で、あだ討ちの顛末が語られるのだが、ミステリーでのどんでん返しのような顛末だった。自分の想いを貫くことの難しさ、道理のままに行かぬ割り切れなさが、世の中に多々ある。それをしなやかに受け入れる人々の存在が、悔いのない生き様を生み出す力になるのだろう。見事な時代小説だ。