- みんなの評価
9件
ともぐい
著者 河崎秋子
明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!
ともぐい
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ともぐい
2024/01/31 10:07
獣と人
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代後半、道東の山に暮らす一人の猟師を主人公とした物語。雄熊との死闘、白糠の町で知り合った美女との生活、それらの中から、獣と人との類似性が、生きるということ、死ぬということを知る術になる。熊も鹿も野兎も、男も女も赤子も、獣であり、互いに命を奪い合いながら、生きていくのだろう。エンターテイメントではないが、何か重いテーマを獣くさい匂いを伴って、鼻先に突き付けられた気がした。
ともぐい
2024/04/19 20:23
すごい作品だ
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
次から次へととても良いテンポで進んで行く。一人の猟師の物語。
実際に獣臭がプンプン臭ってくるような物語。
すごいすごい、こんな小説は初めてです。新しい熊狩りの物語ですが、一人の男の激しい生き様の物語です。
読了後の今でもドキドキしています。
2024/11/03 15:14
人里離れて
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道の山の中に一人、猟犬と暮らす男、熊爪。彼は猟をし、その獲物を売って生計を立てている。誰とも組まず、友も家族もいない。
街で獲物を高く引き取ってくれる店の主人の良輔や、穴待たずを追いかけて重傷を負った太一、盲目の娘の陽子と人と関わり、状況が変わってくる。
穴待たずの熊と元々暮らす赤毛の熊の戦いに出くわした熊爪は負傷した。元の生活に戻れるかどうか解らない。
徹底した野生の姿、生存に関わるありとあらゆる欲が描き出される。