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10件
ともぐい
著者 河崎秋子
明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!
ともぐい
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ともぐい
2024/01/31 10:07
獣と人
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代後半、道東の山に暮らす一人の猟師を主人公とした物語。雄熊との死闘、白糠の町で知り合った美女との生活、それらの中から、獣と人との類似性が、生きるということ、死ぬということを知る術になる。熊も鹿も野兎も、男も女も赤子も、獣であり、互いに命を奪い合いながら、生きていくのだろう。エンターテイメントではないが、何か重いテーマを獣くさい匂いを伴って、鼻先に突き付けられた気がした。
ともぐい
2024/04/19 20:23
すごい作品だ
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
次から次へととても良いテンポで進んで行く。一人の猟師の物語。
実際に獣臭がプンプン臭ってくるような物語。
すごいすごい、こんな小説は初めてです。新しい熊狩りの物語ですが、一人の男の激しい生き様の物語です。
読了後の今でもドキドキしています。
2025/05/03 14:39
素晴らしい作家
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
良かった。やっぱり『邂逅の森』や『熊の敷石』を思い出す。YouTubeでみた「猟師版コンビニ人間」という例えが秀逸だった。熊爪も陽子も、魅力的な登場人物。芥川みもあるが直木賞、あるなと感じる。今年はかなりレベル高いのでは。