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7件
悲しみよ こんにちは(新潮文庫)
著者 フランソワーズ・サガン , 河野万里子/訳
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ……。20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。(解説・小池真理子)
悲しみよ こんにちは(新潮文庫)
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悲しみよこんにちは
2023/12/17 15:02
結局、何だったのだろう。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を知って何十年も経て、やっと読んだ。
しかし、さっぱりわからない。
読み返したら納得するという小説でもなさそうだ。
それぞれの登場人物の虚無感ばかり感じられた。
サガンが描いた当時のフランスでは、こういう人たちがはびこっていたのだろうか。
悲しみよこんにちは
2009/01/10 22:03
けだるいような、切ないような。
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終えたそばから読み返したくなる小説である。
ラストと冒頭で語られる「悲しみ」という言葉を、つき合わせてみたくて。
南仏の海辺を舞台に、若さゆえの無知と残酷さ、愛と陰謀を描き出した『悲しみよこんにちは』は、なんといってもそのしゃれたタイトルが印象的である。これは、ポール・エリュアールの詩の一節から取ったものだが、いまや出典元より有名だ。
好きな詩の一節を拝借、というのは文学少女なら一度は考えそうなもの。ただ、この言葉を完全に自分のもの(世界)にしているところに、センスを含めて作者の並々ならぬ力量を感じる。
観念の世界で生きていた感受性の強い少女が、生身の悲しみを知る。その感情を受け入れるに至ったひと夏を描いたのが、本書だ。
小説さながらのスキャンダラスな人生を送った作家・サガン。
『悲しみよこんにちは』は、彼女が18歳のときに書いた処女作である。デビュー作には作家のすべてがある、と言われるが、この若さでこの洗練さはなんなのだろう。
無邪気さと残酷さ、愛憎入り混じった感情、世の中の規範に対する反発心。それら思春期の少女の心理は、まさに同世代のサガンだからこそ書けたのだと思う。
とはいえ、感傷におぼれることなく、いたってクールに登場人物の心の動きを見つめるところなんて、とても十代とは思えない。
しかも、過去を回想するかたちで綴られているのに、現在進行形で起こっているかのような臨場感。少女が年上の女性の美しさに見惚れる場面は、スローモーション映像でもみているような鮮烈な美しさがある。
ところで、本書の翻訳が半世紀ぶりに生まれ変わった。
いまやフランスでもこんな享楽的に生きる父娘はお目にかかれないだろうが、太陽と海がきらめく夏の南仏にすっと入り込めたのは、読みやすい訳文によるところが大きかったように思う。
ただ新訳はともかく、なぜ寒さ厳しいこの時期に?これは、けだるい暑さのもとで開く一冊だと思うのだが。
2024/10/29 18:58
美しい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
青春の美しさともろさと残酷さが夏の強い日差しの下であらわにされる感じがすごく好き。
古さを感じない内容です。