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20件
世界哲学史
古代から現代まで世界哲学史を一望に収める八巻シリーズ。第一巻では、哲学が成立した古代の最初期を扱い「知恵から愛知へ」という副題のもと、人類が文明の始まりにおいて世界と魂をどう考えたのかを探究する。文明が発生した古代オリエントに始まり、旧約聖書とユダヤ教の世界、ヤスパースが「枢軸の時代」と呼んだ古代の中国とインドとギリシアで思想が展開された紀元前二世紀までに見ていき、最後にギリシアとインドの接点を探る。新しい哲学の可能性を広げる旅へと読者を誘う。
世界哲学史 別巻
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世界哲学史 1 古代 1 知恵から愛知へ
2022/05/23 01:13
世界哲学という試み
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:見張りを見張るのが私の仕事 - この投稿者のレビュー一覧を見る
従来までの通史的な哲学史ではなく、より普遍的で多元的な人類全体の哲学=世界哲学、その歴史を記述するという試みで、本書は古代の哲学=メソポタミア、インド哲学、諸子百家、ギリシア哲学を扱っている。
どうしても資料の制約という点から、個々の地域における哲学の概説という風になってしまって、テーマに掲げる世界哲学の記述になっていのではという批判も本書については可能であるように思う。ただし、ギリシア哲学と仏教の交流を記述した第十章はさながら東洋思想と西洋思想の対決といった風で、ミリンダ王の問いなど残存している資料も豊富で面白く読めた。
世界哲学史 8 現代
2020/10/08 16:03
日本の人文学の力強さを感じることのできるシリーズ
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
西洋哲学中心のこれまでの哲学を、東洋・インド思想やイスラム、アメリカ、アフリカの思想との相互関係という視点で思考する新しい哲学史の試み。前半で主に欧米の哲学が、後半でイスラーム世界、中国、日本、アフリカなどの哲学が論じられる。超コンパクトな現代思想入門。千葉雅也のポストモダンの章は、ドゥルーズだけでなく、いわゆるフランス現代思想を全般的に研究してきた者としての総まとめ。一ノ瀬正樹の分析哲学のほか、アフリカ哲学など、どのテーマもとても興味深い完結巻。ではあるが、「別巻刊行決定!」と帯に書いてある。
世界哲学史 6 近代 1 啓蒙と人間感情論
2020/07/30 15:24
西洋から東洋へ 理性と感情 共鳴する世界
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
デカルトにはじまり理性に重きを置いた哲学は邪魔者として感情を扱ったが、行き着く先でその理性すら疑い始めた。そこで感情こそが人間の本性であるという流れになった。人間の本性は理性にあるのか?感情にあるのか?そのプロセスを追いかけられる良書。近代編はなじみの対象が多いだけに、変わった角度から論じているのがよくわかって刺激的。中国パートは石井剛の第9章「中国における感情の哲学」。性と情の問題について、朱熹と戴震をベースに、王守仁、梁啓超あたりもまじえつつていねいにとかれていて、紙幅からみても無理のないしあがりになっている。