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5件
哲学入門
著者 戸田山和久
神は死んだ(ニーチェもね)。いまや世界のありようを解明するのは科学である。万物は詰まるところ素粒子のダンスにすぎないのだ。こうした世界観のもとでは、哲学が得意げに語ってきたものたちが、そもそも本当に存在するのかさえ疑わしい。「ことばの意味とは何か」「私たちは自由意志をもつのか」「道徳は可能か」、そして「人生に意味はあるのか」…すべての哲学問題は、根底から問い直される必要がある!科学が明らかにした世界像のただなかで人間とは何かを探究する、最もラディカルにして普遍的な入門書。他に類を見ない傑作です。
哲学入門
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2020/07/15 00:19
入門ではない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TTTT - この投稿者のレビュー一覧を見る
文字通りの「入門」を期待して読んだら裏切られるので要注意。
また、「哲学」と呼ばれる学問分野の全体をカバーしているわけでもないので、「なんとなく哲学の本を読んでみたいけど、最初にどれを読めばいいだろう」という人にはおすすめしない。
以上の点さえ覚悟しておけば、とても読み応えがあり、知的好奇心を満たしてくれることは間違いない。
哲学といえば、高校の倫理や現代社会の授業でカントとかルソーといった人名がたくさん出てきて、意味も分からず単語を暗記するだけというイメージを植え付けられてしまった人もいるかもしれない。
そういう人にこの本を読んでみてほしい。哲学を生業としている人々が実際にやっていることの一端を垣間見ることで、哲学のイメージが変わることだろう。
次に、哲学に対して「正解のない問題をああでもない、こうでもないと言い続けているだけの役に立たない学問」というイメージを持っている人。そういう人にとっては、うーん、、この本を読んでもそのイメージに変化はないかも。
哲学入門
2019/02/27 10:45
ゾクゾクとする
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドングリ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読み私も唯物論者になった気がします。結果にはすべて原因がある。それを丹念に説明しており知的興奮を覚えました
哲学入門
2018/05/15 22:51
「入門」と「新書」という二枚の化けの皮を被った哲学書
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、はっきり言って決して哲学の「入門書」ではない。どちらかというと、ラッセルの書籍に付されている「哲学入門」と同様の意味での「入門」であるのかもしれない。扱う内容は、「日常生活のなぜ」に答えるようなものばかりである。もちろん哲学である限りそれなりの内容は覚悟しておく方が良い。中にはスワンプマンのように有名な思考実験などが出てくるが、重要なのは論理の流れを追うことである。「哲学をするとはどのようなことか」を戸田山氏自らが実践することで哲学の神髄を述べているという点では、まさに「哲学入門」なのかもしれない。