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中世の覚醒
12世紀の中世ヨーロッパ、一人の哲学者の著作が再発見され、社会に類例のない衝撃を与えた。そこに記された知識体系が、西ヨーロッパの人々の思考様式を根底から変えてしまったのである。「アリストテレス革命」というべきこの出来事は、変貌する世界に道徳的秩序と知的秩序―信仰と理性の調和―を与えるべく、トマス・アクィナスをはじめ、キリスト教思想家たちを激しい論争の渦へと巻き込んでいった。彼らの知的遺産は、現代にどのような意義を持つのであろうか。政治活動の発展と文化的覚醒が進んだ時代の思想を物語性豊かに描いた名著。
中世の覚醒
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2019/01/21 08:50
アリストテレス革命の衝撃に迫る傑作です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、いわゆる「アリストテレス革命」について丁寧に書かれた書です。「アリストテレス革命」という用語自体、あまり馴染みのないものかもしれませんが、12世紀の中世ヨーロッパにおいて、ある一人の哲学者によって書かれた著作が発見され、それによってヨーロッパのこれまでの考え方を根本的に変えることになった偉大な革新のことを言います。また、これは変貌する社会に道徳的秩序を与えるべく、当時のキリスト教思想家たちを激しい論争の渦に巻き込んでいったとも言われています。今こそ、このヨーロッパの思想に大転換をもたらしたアリストテレス革命について学んでみてはいかがでしょうか。
2021/09/21 18:03
対立と調和
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
レコンキスタの結果「再発見」されたアリストテレスの著作が、中世キリスト教世界に与えた影響を描いた一冊。「信仰」と「理性」を巡る論争という一見すると難解なテーマを、各時代の哲学者・神学者たちの肖像を魅力たっぷりに描くことで、まるで大河ドラマの如き読後感が味わえる。興味深いのは著者がキリスト教ではなく紛争解決の研究者だということ。2つの対立する陣営の「調和」を探る動きを描くには、なるほど納得の専門というところか。とにかく面白い。おすすめ。