電子書籍
怒り 完結
著者 吉田修一 著
若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。犯人は山神一也、二十七歳と判明するが、その行方は杳として知れず捜査は難航していた。そして事件から一年後の夏――。千葉の港町で働く槙洋平・愛子親子、東京の大手企業に勤めるゲイの藤田優馬、沖縄の離島で母と暮らす小宮山泉の前に、身元不詳の三人の男が現れた。
怒り (上)
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電子書籍怒り (上)
2022/12/12 17:05
怒り
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を見て原作も読んでみたいと思い手に取りました。結局犯人の怒りの正体が何だったのかわからなかったです。
紙の本怒り 下
2021/05/18 17:57
場所と男女がひとつに重なる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京・千葉・沖縄を行き来しながら、バラバラに見えていた事件が繋がっていきスリリングです。顔を変えて逃げ続けていく3人の男と、彼らと関わり合う女性たちの姿も忘れられません。
紙の本怒り 下
2020/09/08 10:40
吉田修一氏が贈る傑作ミステリー、いよいよ完結です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『悪人』(毎日出版文化賞及び大佛次郎賞)、『横道世之介』(柴田錬三郎賞)、『国宝』(芸術選奨文部科学大臣賞及び中央公論文芸賞)などの名作で知られる吉田修一氏の作品です。同書の内容は、上巻に引き続き、犯人と思われる山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察が発表します。洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまいます。日常をともに過ごす相手に対して芽生える疑いはどんどんと大きくなっていきます。三人のなかに、果たして、山神はいるのでしょうか?犯人を追う刑事が見た衝撃の結末とは一体どのようなものなのでしょうか?吉田修一氏が贈る傑作ミステリー、いよいよ完結です!
紙の本怒り 上
2020/09/08 10:36
吉田修一氏の大好評作の上巻です!
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『パレード』(山本周五郎賞)、『パーク・ライフ』(芥川賞)、『悪人』(毎日出版文化賞及び大佛次郎賞)、『横道世之介』(柴田錬三郎賞)などの傑作を次々に発表しておられる吉田修一氏の作品です。同書は中公文庫からは上下2巻で刊行されているもので、そのうちの上巻にあたる同書は、若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていたという事件から始まる物語です。犯人は山神一也、27歳と判明するのですが、その行方は杳として知れず捜査は難航します。そして事件から一年後の夏、房総の港町で働く槇洋平・愛子親子、大手企業に勤めるゲイの藤田優馬、沖縄の離島で母と暮らす小宮山泉の前に、身元不詳の三人の男が現れます。一体、この後、どう展開していくのでしょうか?続きは、ぜひ、同書をお読みください。
紙の本怒り 下
2020/08/06 22:04
愛子には幸せになってほしい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
容疑者は3人、どの人もいい人そうに思えるので、だれも犯人であってほしくなかった。悲しい結末を迎えた人もいて読んでいて辛かったが、愛子にはこれから幸せになってほしいと願った
紙の本怒り 上
2020/08/06 22:01
映画版の出演者が豪華すぎる
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯に2016年9月 映画化決定!と書いてあり、その出演者を見て驚いた(渡辺謙・森山未來・松山ケンイチ・綾野剛・広瀬すず・宮崎あおい・妻夫木聡)、豪華なメンバーだ。この小説のあらすじも知らないし、無論誰が犯人かとか知る由もないのだが、読み進むうちに「あ、この人は渡辺謙が演じたんだろうな」とか「広瀬すずしかこの役は考えつかないな」とか想像するのも楽しかった。
紙の本怒り 下
2019/10/06 12:18
人間性
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
すべて終わってみれば、加害者も、社会の中の被害者ともいえなくはない。
けれど、この犯人の行動はやっぱり自己中であり、それ故に特定される。
どれだけ整形しようが、人間性までは変えられないものですね。
紙の本怒り 上
2019/10/06 12:13
誰なの?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
凶悪な犯罪発生から一年。
三人のなにか訳ありの男たちの物語が描かれるけれど、これって今の社会からはじき出された人々の話でもあり、どこにいても不思議じゃないって感じがします。
人々に紛れ、殺人を犯して平然としている人がいるんだと思うと・・怖いです。
電子書籍怒り (上)
2017/08/25 15:11
李相日監督映画化原作
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
同時に日本国内3か所に現れた前歴不詳の男の姿が幻想的でした。身近な人を信じることについて考えさせられました。
紙の本怒り 下
2017/04/15 17:45
事件現場にどんな意味があったのか
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sipa - この投稿者のレビュー一覧を見る
上下巻を通してこの話では、約半年間の出来事が語られます。八王子夫婦殺害事件から1年後の2012年夏から、2013年冬まで。
2012年の夏、素性不明の男が現れるのは、千葉、東京、沖縄の3か所。映画の公式HPでは、これらを千葉編、東京編、沖縄編と呼んでいます。この3つの他に、八王子署の刑事が捜査をするパートがあります。こちらは公式HP上では、事件編と呼んでいました。
逃亡中の山神を探して、刑事は東京から全国各地に足を運びます。山梨、大阪、福岡、埼玉、静岡…そして千葉、沖縄にも。
刑事の、捜査以外の私生活についても書かれています。八王子署の独身寮に住み、出かけるのは主に立川や新宿。恋人らしき女性が出てきますが、消化不良のまま話は終わります。
事件の真相についても消化不良な点が多かったと思います。知人が語った山神との会話の中で、経緯らしきものは出てきますが。八王子の事件の現場で山神が行ったことに、どんな意味があったのか。
終盤で、正体不明な3人のうちの1人が山神と分かる瞬間があります。八王子の事件現場と、立川の自宅アパートに残っていたもの。それを思い出して、読者は、山神だ!となると思います。そういう物語的な意味はありますが、動機の面での説明が今ひとつ。
紙の本怒り 上
2017/04/15 17:40
肝は、男の周囲の人々がどう動いたか
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sipa - この投稿者のレビュー一覧を見る
2011年8月18日(木)、八王子の郊外で殺人事件が発生。容疑者は立川市在住の山神一也27歳、事件後すぐに逃亡。被害者は犯行現場となった家屋の住人、尾木夫妻。話は事件が未解決のまま1年弱が経過するところから始まります。
物語は千葉の漁港、東京都内、沖縄の離島の3か所で同時進行。それぞれの場所に素性不明の男が現れます。話が進むにつれ3人それぞれに山神を思わせる描写が出てきます。
映画の紹介を見て、この話を読んでみたいと思って上下巻を購入。期待していた物とは方向性が違いましたが、面白かったです。本格推理を読むことが多いので、これもそういう話かと思いました。ロジックで犯人が追い詰められていくのだろう、と。
しかしこの話の肝はそこではなかった、と中盤過ぎから思いました。肝は、男が山神ではないかと気づいたときの周囲の人々の反応。千葉の父娘、都内勤務の会社員、沖縄の高校生がどう動いたか。この話はそれが見どころというか読みどころなのかなぁ、と。
作者の巧みなミスリードで騙されているのかも、と思いました。
実は3人とも山神ではなく、片隅に出ていた別の登場人物が山神。
実は3人とも山神で、同時進行に見えたのは別の時系列の話だった。
といったことまで考えましたが、どちらも考え過ぎでした。
紙の本怒り 下
2017/02/13 13:31
人を信じるということは
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は、なにをもって人を信じるのだろうか。
社会的立場、経済力、容姿、出自、態度、言葉、、
相手の情報をどれほど得たとしても、最後は、自分の信じる力の強さによるところが大きい。だから、信じた相手に裏切られたとき、人は、深く傷つく。自分に失望し、相手に絶望する。絶望は、時に怒りに変わる。
けれど、人は、本能的に人を信じたいと思う。そして同時に、本能的に自分が傷つくことを避けたいと思う。その狭間で、私たちはもがき苦しんで生きている。
紙の本怒り 下
2016/11/30 02:37
映画版『怒り』の副読本として、読む。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうも映画のもやもやがおさまらないので、原作を読むことにする。
あ、「もやもやした気持ちのままの映画がイヤ」ということではない。
もやっとした気持ちはあれど、それはそれで受け入れられるとか、むしろはっきりしないことが心地よい映画もある。
でも映画『怒り』は、私の中ではそうではなかった、ということだろう。
あのオチさえ違う形であれば、『横道世之介』は好きな作品として人に薦めたかもしれない。 吉田修一はあたしにとって、「なんだか“おしい”作家」である。
さてこれはどうだったのかといえば・・・先に映画を観てしまったので、特に衝撃は受けなかった・・・というのが正直なところ。
あえてなのだろうけれど、妙に俗っぽい言葉を選んでいる気がして、ちょっと落ち着かない気持ちにさせられた。 リアルタイムのある<ひととき・時代>を切り取ったのかもしれないけど、2016年の終わりに読んだだけである種の“古さ”を感じてしまったから。 ずっと読まれるものにする気はないのか、それとも何十年かたてばそういうことが気にならなくなるのか。
映画では中途半端な感じがした刑事さんに、こういう設定があったとは・・・というのは原作を読んでよかったところ。 同じような言葉を告げても、呼び止められることもあれば去ってしまう人もいる。 そういう理不尽さというか、人の心の不可解さが浮き彫りになる対比として重要だけれども、映画でカットしたのは正解だったと思う(<謎の三人の男>に集中できない可能性が出てくる)。
それにしても、やっぱり『怒り』という感情の正体がよくわからない・・・。
泉ちゃんと辰也くんに関しては、映画の方がうまく処理されていた気がするけど、愛子が家出した理由は原作でしっかり明かされていたので「ダメな子だな、この子は」と思うことができた。
映画と小説とで合わせ技、という感じ。
そのへんも、『悪人』を越えてないかな。
紙の本怒り 上
2016/11/07 22:20
おもしろい!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴよぺん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ読み途中ですが、おもしろいです。早く読み終えて下巻を読むのも楽しみです。
紙の本怒り 下
2016/10/20 02:22
愛じゃないと否定する少年、肯定する読者
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻から下巻へ一気になだれ込む。少しずつではあるが男たちの足取り、素性がはっきりしてくる。一時でも関係をもった人たち、信じたいが信じ切れない正直さで男たちを裏切っていく。裏切られたのを分かってか、知らないままか時同じくして千葉の男も、東京の男も姿を消す。そして彼らの真相が暴かれる。ひとつひとつ可能性が潰され、犯人でないことが分かる。すっと幕が下りるように物語にピリオドが打たれる。残ったのは沖縄の男。無人島に残した猟奇的な落書きこそが彼の正体。それを読んだ少年の取った行動。誰もが思うであろう、これこそ愛と。