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五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」
著者 小山俊樹 著
昭和恐慌下、民衆が困窮を極める中、政党政治の腐敗を憂える海軍青年将校らが起こした五・一五事件。首相を暗殺し、内大臣邸・警視庁を襲撃、変電所爆破による「帝都暗黒化」も目論んだ。本書は、大川周明、北一輝、橘孝三郎、井上日召ら国家主義者と結合した青年将校たちが、天皇親政の「昭和維新」を唱え、兇行に走った軌跡を描く。事件後、政党内閣は崩壊し軍部が台頭。実行犯の減刑嘆願に国民は熱狂する。昭和戦前、最大の分岐点。
五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」
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五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」
2021/03/05 10:27
昭和戦前の最大の分岐点とも言える五・一五事件を詳細に描いた貴重な一冊です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本近現代史を専門に研究され、『憲政常道と政党政治―近代日本二大政党制の構想と挫折』をはいじめ、『評伝 森恪―日中対立の焦点』、『昭和史講義1~3』、『大学でまなぶ日本の歴史』、『日本政治史の中のリーダーたち― 明治維新から敗戦後の秩序変容まで』などの興味深い著作を多数発表されている小山俊樹氏の作品です。同書は、ロンドン海軍軍縮条約をきっかけに、政党政治を憂えた海軍青年将校、民間右翼らが起こした五・一五事件について詳細に書かれた一冊です。首相暗殺、内大臣邸・警視庁を襲撃、変電所爆破による「帝都暗黒化」も目論んだと言われています。大川周明、北一輝、橘孝三郎、井上日召といった国家主義者と結合した青年将校たちが、天皇親政の「昭和維新」を唱え、兇行に走った軌跡が描かれています。事件後、政党内閣は崩壊し軍部が台頭するのですが、実行犯の減刑嘆願に国民は熱狂していきます。昭和戦前の最大の分岐点を描いた歴史物語と言えるのではないでしょうか。
2024/02/15 22:16
五・一五事件
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前日本の政党政治の終焉、軍部の台頭の発端となった五・一五事件について、なぜ起きたのか、なぜ政党政治が終了したのかという点を事件の前後を踏まえ述べられている
五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」
2021/06/25 23:33
五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の構成は、事件当日の様子、事件の前段階としての活動、事件後の青年将校たちの活動に分かれている。また、本書では犯人たちが犬養毅個人に恨みを持っていなかったのはなぜか、政党政治家である犬養の死後、何故政党政治が終わってしまったのか、を問題としている。
読みすすむにつれて、どんどん分からなくなっていった、というのが正直なところである。政党政治を憎み、実力行使に出た元青年将校達が戦時下の全体主義を嫌い、東條内閣を打倒しようとしたり、戦後クーデターをいさめ、五・一五事件を航海するようなそぶりを見せたり、なんだか右とか左とかを「超然」したような態度を示したりと、よくわからなくなった。